xvesselとは？アジア発の革新的スニーカーブランド
ここ数年、スニーカーファンの間で急速に注目を集めているブランドが「xvessel（エックスヴェセル）」です。
初めてその名前を聞いた人も、「あの分厚いソールの靴、どこの？」と気になったことがあるかもしれません。
xvesselは、台湾出身の俳優であり歌手でもあるヴァネス・ウー（Vanness Wu）が立ち上げたブランド。2017年にスタートし、ファッションとカルチャーを融合させた“新世代のスニーカー”として世界的に評価されています。
ブランド名の「VESSEL」は「容器」や「船」を意味し、“人生の旅や感情を運ぶ器”というメッセージが込められています。単なるスニーカーではなく、ストーリーをまとった「アートピース」として存在しているのが特徴です。
xvesselの魅力：脱構築と職人技の融合
xvesselのスニーカーが他ブランドと一線を画している理由は、何よりその“脱構築的デザイン”にあります。
一般的なスニーカーが完成されたフォルムを重視するのに対し、xvesselは「未完成の美しさ」を表現しています。
ソールをあえて分解したようなレイヤー構造、切りっぱなしのキャンバス、重なり合うステッチ——すべてが意図的な“崩し”のデザイン。これが、ストリートでもモードでも存在感を放つ理由です。
さらに見た目だけでなく、製造面にも強いこだわりがあります。
バルカナイズ製法という伝統的な手法でソールとアッパーを結合し、ミッドソールには天然コルクを使用。これにより、クッション性と耐久性を両立させています。
職人による手作業工程が多く、ひとつひとつ微妙に風合いが異なるのも魅力の一つです。
人気モデルをチェック：G.O.Pシリーズが代名詞
xvesselの代表作といえば、ブランド初期から展開される「G.O.P」シリーズ。
これは「GENERATION ONE PRODUCT」の略で、xvesselの哲学と美学を最も端的に表現したモデルです。
たとえば「G.O.P 2.0 Marshmallow Classic Lows」や「G.O.P Lows All-White」は、クラシックなキャンバススニーカーをベースに、分解したようなアウトソールを組み合わせたデザイン。
どこか“履き古したようで新しい”不思議な存在感を放ち、アート作品のような立体感を感じさせます。
ハイカット派には「Party Highs Spark Toe」も人気。切りっぱなしのキャンバスとソールの積層構造が際立ち、ストリートスタイルにもぴったりです。
さらに、機能性を重視した「Echo Walker」シリーズは歩行の安定感が高く、日常使いにも最適。ファッション性と実用性を両立させたモデルとして注目されています。
話題を呼んだコラボレーション：ヨウジヤマモトとの邂逅
xvesselの人気をさらに加速させたのが、世界的デザイナー・ヨウジヤマモトとのコラボレーション。
「Yohji Yamamoto × xvessel」として発表された限定モデルは、リリース当時ファッション業界で大きな話題を呼びました。
このコラボでは、xvesselの象徴的なG.O.Pスニーカーをベースに、ヨウジらしいモノトーンの世界観を融合。
外側に配置されたサイズタグ、解体されたようなソール構造、そしてダイヤル式レースシステムなど、細部まで両者の美学が息づいています。
「履くだけでファッションの完成度が上がる」と多くのユーザーから評価され、世界のセレクトショップでも即完売が続出。
xvesselというブランドが“モードの領域にまで踏み込んだスニーカー”として認知される大きな転機となりました。
デザイン性だけじゃない。履き心地へのこだわり
見た目のインパクトが強いxvesselですが、実は履き心地の評価も非常に高いブランドです。
厚めのコルクミッドソールが足裏への衝撃を吸収し、長時間歩いても疲れにくいのが特徴。
また、ソール全体に複数層のゴム素材を使用しており、屈曲性とグリップ力にも優れています。
モデルによってはBoa風のダイヤル式レースアップを採用し、ワンタッチでフィット感を調整できる仕様も。
スニーカーというより、もはや“機能的なアート”と呼べる完成度です。
ファッションとの相性：ストリートからモードまで
xvesselのスニーカーは、スタイルを選ばず履けるのが強みです。
ストリートスタイルなら、切りっぱなしキャンバスの粗さがデニムやカーゴパンツと好相性。
一方、モノトーンコーデやオールブラックスタイルに合わせると、ソールの立体感が際立ち、モードな雰囲気を演出できます。
女性ファンも多く、厚底ながらも重たく見えないバランス感が好評。
ユニセックスで展開されているモデルも多いため、カップルでお揃いにする人も増えています。
「他人とかぶらないスニーカーを探している」という人には、まさに理想的な選択肢です。
スニーカーカルチャーでの立ち位置
2018年に上海のファッションイベント「INNERSECT」で話題となって以来、xvesselはアジア全体でブームを巻き起こしました。
従来のスニーカーブランドがナイキやアディダスといった巨大企業に集中していた中で、xvesselは“デザインで勝負するブランド”として独自の地位を築いています。
特に若年層のファッション感度が高い層を中心に人気が高く、SNS上では「#xvesselstyle」「#脱構築スニーカー」といったタグで多数のコーディネートが投稿されています。
芸能人やアーティストの着用も増えており、スニーカー好きの間では“次に来るブランド”として注目されています。
xvesselを選ぶ理由：他にはない個性と世界観
xvesselのスニーカーが愛される理由は、デザインや履き心地だけではありません。
ブランドが一貫して掲げるメッセージ性、そして“クラフトと哲学の融合”がファンの共感を呼んでいます。
大量生産・大量消費の時代に、職人の手で一足ずつ仕上げる姿勢。
どの角度から見ても完成していないようで、完成している造形美。
この“矛盾の中の調和”こそ、xvesselの最大の魅力です。
ファッションを楽しむことは、自分を表現すること。
xvesselのスニーカーを履くという行為そのものが、ひとつの自己表現になっているのです。
まとめ：xvesselスニーカーが示す新しい価値観
xvesselのスニーカーは、単なる流行のアイテムではありません。
そこには「古いものを再構築し、新しい価値を生み出す」という明確な思想があります。
脱構築デザイン、職人技、快適な履き心地、そして哲学的なメッセージ。
これらが一体となって、xvesselというブランドを唯一無二の存在に押し上げています。
今後もコラボレーションや新モデルの登場が期待されており、スニーカーファンにとって見逃せないブランドの一つになるでしょう。
もしまだ試したことがないなら、この機会にxvesselの世界を足元から体感してみてください。
あなたのスニーカー観が、きっと変わるはずです。
