NMD S1というモデルを聞いたことがあるだろうか。アディダスの人気シリーズ「NMD」の中でも、ひときわ近未来的なデザインと厚めのブーストソールで話題を集めている一足だ。この記事では、NMD S1の履き心地を中心に、ブーストソールの快適性や街歩きでの実力まで、実際の使用感に基づいて詳しく解説していく。
NMD S1とは?進化したNMDシリーズの魅力
NMDシリーズは、アディダスが“都市を旅する人のためのスニーカー”として打ち出したラインだ。代表的なNMD R1やNMD R2など、スタイリッシュで機能的なデザインが多く、ストリートでもファッションシーンでも定番となっている。
そんな中で登場したNMD S1は、「NMDのDNAを継承しつつ、より未来的で快適な履き心地を追求したモデル」として開発された。特徴は以下の通り。
- フルレングスのBOOSTミッドソールを採用
- ニットアッパーによる包み込むようなフィット感
- 厚めのアウトソールがもたらす安定感とデザイン性
- EVAプラグをモチーフにした立体的なソール構造
デザインだけでなく、実際に履いたときの快適さにも注目が集まっている。
実際の履き心地をレビュー:柔らかさと安定感の両立
まず、NMD S1を履いてみてすぐに感じるのは“包み込まれる感覚”だ。アッパー素材には柔軟なプライムニットが使われており、足をソックスのようにフィットさせる。シューレースを結ばなくてもホールドされるような安定感があるため、脱ぎ履きもスムーズだ。
BOOSTソールのクッション性はさすがのひと言。かかとからつま先まで均一に反発力があり、歩くたびに“ふわっ”と押し返してくれる。地面の衝撃を吸収しながら、前への推進力を感じる履き心地だ。長時間歩いても足裏が痛くなりにくいのは、このBOOSTフォームの恩恵だろう。
ブーストソールの快適性を徹底解説
アディダス独自のBOOST素材は、無数のTPUペレットを圧縮して作られた特殊フォーム。一般的なEVA素材よりも衝撃吸収と反発性が高く、長時間使用してもヘタリにくいのが特徴だ。
NMD S1ではこのBOOSTを厚めに配置しているため、クッションの深さを強く感じる。特に歩行時の踵着地からつま先への重心移動がスムーズで、足への負担が軽減される。
加えて、ソールの高さがあることで視点がやや上がり、姿勢が自然と整うような感覚もある。安定感とクッション性が絶妙に両立しており、街歩きでも疲れにくい。
一方で、ソールが厚い分だけ若干の“重み”を感じるのも事実。軽快さという点では、ウルトラブーストやスタンスミスのようなモデルには劣るが、反発力と安定感を求める人にはぴったりだ。
足幅やサイズ感の注意点:フィットの個人差
NMD S1のサイズ選びは慎重に行いたい。基本的には「普段履いているアディダスのサイズ=TTS(True to Size)」で問題ないが、足幅が広めの人は注意が必要だ。
ミッドフット部分がややタイトに設計されており、横幅が合わないと圧迫感を感じる可能性がある。アーチ部分の支えが強い構造なので、足の形によっては当たりを感じることもある。
もし幅広や甲高の人なら、ハーフサイズアップを検討するのが無難だ。逆に、細身の足型の人はTTSでちょうどよいフィット感を得られるだろう。
また、ニット素材のため履き慣れると多少伸びる傾向があり、最初はややタイトでも数回の着用で馴染むケースが多い。
街歩き・通勤・旅行での実力
NMD S1は見た目以上に“歩くこと”を前提としたスニーカーだ。クッションが厚いため、長時間の移動や立ち仕事でも足裏の疲労が少ない。特に旅行や観光で1日中歩くようなシーンでは、その違いがはっきりわかる。
アウトソールにはグリップ力の高いラバー素材が使われ、街中のアスファルトやタイルでもしっかりと安定する。段差や凹凸のある路面でも、厚底ソールが衝撃を吸収してくれる。
ただし、雨天時や濡れた路面ではやや滑りやすく感じることがある。防水仕様ではないため、水たまりや泥道では注意が必要だ。
また、厚底構造のため地面からの感覚が薄く、地形の変化を感じ取りにくい点は人によって好みが分かれる部分でもある。
ファッション性も高い一足
NMD S1の魅力は履き心地だけでなく、そのデザインにもある。ミッドソールのプラグ形状やボリュームのあるシルエットは、近未来的かつストリート感が強い。
どんな服装にも合わせやすく、モノトーンコーデやテック系スタイルにも自然に馴染む。ソールが高いことで脚長効果もあり、ファッション面でも人気が高い。
特に男性はワイドパンツやジョガー、女性ならスキニーやミニスカートと合わせると、バランスが取りやすい。
カラー展開も豊富で、ブラックやホワイト、グレーのほか、限定コラボの配色モデルも多く、コレクションとして楽しむ人も増えている。
長時間使用で感じたメリットとデメリット
メリット
- 厚みのあるBOOSTソールでクッション性抜群
- ソックスのようなフィット感で足当たりが柔らかい
- デザイン性が高く、街歩き・通勤・カジュアルシーンに最適
- 長時間歩いても疲れにくく、立ち仕事にも対応できる
デメリット
- ソールが厚く、やや重量を感じる
- 足幅が広い人にはフィットしにくい
- 防水性がなく、雨の日には注意が必要
- 初期はアーチ部が固く感じる場合もある
全体としては、「快適さとデザイン性を両立した街歩きスニーカー」として非常に完成度が高い。
ただし、万能ではなく“自分の足型に合うか”を確認してから購入するのが満足度を高めるポイントになる。
NMD S1をより快適に履くためのコツ
NMD S1の履き心地を最大限に活かすためには、いくつかのコツがある。
まず、初回は短時間の着用から慣らすこと。ニットアッパーが足に馴染むまで少し時間がかかるが、数回履けば柔らかくフィットするようになる。
また、厚底ソールにより重心が高くなるため、靴紐はしっかり結んで安定させるのがポイントだ。
インソールを交換してクッション性をさらに高めたり、通気性の良い靴下を合わせたりすると、長時間でも快適さが持続する。
保管時は形崩れを防ぐため、シューキーパーを入れておくと見た目も長持ちする。
購入前にチェックしたいポイント
- サイズ選び:足幅や甲の高さに注意し、可能なら試着を。
- 使用シーン:街歩き・通勤・旅行などの普段使い向け。
- メンテナンス:ニット素材は汚れが染みやすいので、防水スプレーの併用がおすすめ。
- カラー選択:白やベージュは汚れが目立ちやすく、ブラックは扱いやすい。
購入時は「履き心地重視」か「デザイン重視」か、自分の優先順位を決めて選ぶと失敗しにくい。
NMD S1の履き心地を総評
NMD S1は、アディダスの中でも“履き心地とデザイン性のバランスが取れたモデル”として完成度が高い。ブーストソールが生み出す柔らかな反発感と、ニットアッパーの包み込むようなフィットは唯一無二。
街歩き、通勤、旅行など、長時間歩くシーンでその実力を発揮する。
一方で、足幅が広い人や軽量さを求める人には少し合わない部分もあるが、サイズとフィットを調整すれば快適に使えるだろう。
デザイン性も高く、ファッションアイテムとしても存在感を放つ。
NMD S1の履き心地を体感してみよう
NMD S1は、ただのスニーカーではなく“快適性とデザインの融合”を体現した一足だ。
ブーストソールの柔らかさ、ニットアッパーの包み込み、街歩きでも疲れにくい設計——どれをとっても完成度が高い。
もし「長時間歩いても快適なスニーカー」を探しているなら、一度NMD S1を試してみてほしい。
履いた瞬間に感じるふわっとした反発と安定感が、きっとこれまでのスニーカー体験を変えてくれるはずだ。


