もしあなたが最近「ナインソール」という言葉を検索して気になっているなら、それはきっと台湾発の話題作『Nine Sols（ナインソール）』のことだと思います。この記事では、開発の背景や世界観、ゲームの特徴、そしてプレイヤーからの評判まで、初心者にも分かりやすく整理して紹介します。難解な世界観を理解しながら、自分に合うゲームかどうかを見極める参考になれば幸いです。
ナインソールとは？古代神話×SFが融合したアクションゲーム
『ナインソール』は、台湾のインディーゲームスタジオ「Red Candle Games（赤燭遊戲）」が開発した2Dアクションアドベンチャー。彼らはホラーゲーム『返校-Detention-』『還願-Devotion-』で知られていますが、本作ではガラリと方向を変え、“神話とサイバーパンク”を融合させた新しい挑戦をしています。
世界観は「古代中国神話＋道教＋SF」。伝統的な神話に、機械文明や人工知能の要素が入り混じる“タオパンク（Tao-punk）”という独自のジャンルを打ち出しました。物語の中心は「9人の太陽（Sols）を撃ち落とす」という伝説をベースに、主人公・羿（イー）が神に反逆する復讐譚です。神話的な壮大さと、冷たい機械の世界が同居する舞台が、他のどのゲームとも違う印象を与えます。
開発背景：Red Candle Gamesが挑んだ新たな世界観
開発を手掛けたRed Candle Gamesは、社会的・宗教的テーマを繊細に描くことで知られる台湾のスタジオです。過去作では政治や信仰といった重いテーマを扱い、世界的に注目されました。その流れを受けつつも、『ナインソール』では「人間と信仰の関係」「神に背く勇気」という哲学的テーマを、アクションゲームという形で表現しています。
彼らが目指したのは「アクションの快感と、思想的な深さの両立」。手描きアニメ調のグラフィックは、懐かしさとアート性を兼ね備えており、プレイヤーを幻想的でどこか宗教的な世界へと引き込みます。特にカットシーンやボス戦の演出には、アニメーション作品のような完成度を感じるという声も多いです。
ゲームシステムの特徴：パリィ中心の高難易度アクション
戦闘の要は「パリィ（弾き）」
ナインソールの戦闘は、敵の攻撃をタイミングよく弾き返す「パリィ」が軸。成功すると“気（Chi）”を溜められ、それを使って「呪符（符咒）」という特殊攻撃を放つことができます。防御から攻撃へ切り替える一瞬の判断が求められるため、緊張感と爽快感が共存する戦闘システムです。
他にも、二段ジャンプや壁走り、空中ダッシュなど、多彩なアクションが用意されています。敵の攻撃パターンを読み、完璧なタイミングで反撃するのが快感。まさに「攻防一体」の設計が光ります。
メトロイドヴァニア式の探索要素
マップは複雑に入り組んだ巨大な構造で、いわゆる“メトロイドヴァニア”型。初めは通れない場所も、スキルを習得することで少しずつ進めるようになります。探索中に隠された宝石やスキルアップアイテムを見つけるのも楽しく、やり込み派にはたまらない設計です。
ただし、導線が少なく「どこへ行けばいいのか分かりづらい」と感じるプレイヤーもいるようです。攻略情報を参照しながらじっくり進めるタイプの人に向いています。
難易度とプレイ体験：挑戦的でありながら自由度も高い
ナインソールは“死にゲー”と呼ばれるほど高難易度で知られています。一撃で倒されるボスも多く、最初のうちは何度もやられながら学ぶ必要があります。その一方で、プレイヤーのスキルを磨けば確実に上達が感じられる作りで、達成感が大きいのも特徴です。
コンソール版では難易度設定が追加され、与ダメージや被ダメージを調整することで初心者でも楽しめるようになりました。アクションが苦手でも、物語や世界観を楽しみたい人に配慮されています。
グラフィックと音楽：手描きアートと静謐なサウンドの融合
ナインソールのビジュアルはすべて手描き風。キャラクターの表情や背景の細部までアニメーションで描かれ、まるで一枚絵が動いているような独特の美しさがあります。色使いも鮮やかで、古代神話の神殿とサイバーな機械装置が違和感なく共存しています。
音楽は静かで神秘的。太鼓や笛など伝統楽器の音色に、電子音が重なる構成で、宗教的儀式を思わせるような雰囲気を作り出しています。戦闘時は一転してテンポが上がり、緊張感を高めるサウンドに切り替わります。映像と音が一体となってプレイヤーの感情を揺さぶります。
プレイヤーの評価：高評価多数、しかし好みは分かれる
Steam版のレビューでは「非常に好評（Very Positive）」が約95%。多くのプレイヤーが“パリィ戦闘の快感”や“独自の世界観”を絶賛しています。特にアクションに慣れている層からは「久しぶりに骨太な2Dゲームを楽しめた」と高評価です。
一方で、「難しすぎる」「ストーリーが抽象的すぎて理解しづらい」といった声もあります。全体的には、アクションの腕試しや探索の達成感を求める人には刺さる作品、ライト層にはやや難解という評価に落ち着いています。
日本での認知度と課題
海外ではインディーシーンで注目を集めましたが、日本での知名度はまだ発展途上です。理由の一つは「道教」「タオパンク」など、日本ではあまり馴染みのない文化的背景にあります。ストーリーの理解には多少の予備知識が必要で、そこが障壁になるケースも。
とはいえ、日本語ローカライズは丁寧に行われており、翻訳の質は高いと評判です。設定資料やセリフも自然な日本語で読めるため、世界観に浸りやすいという意見も増えています。ゲームの本質的な魅力は普遍的であり、口コミや実況動画を通して徐々に広がりつつあります。
ナインソールの魅力を支える4つのポイント
- 独創的な世界観
古代神話とSFの融合という唯一無二の設定。 - 手描きグラフィックの芸術性
他のインディー作品とは一線を画す、アニメーションの完成度。 - 緊張感あるパリィ戦闘
一瞬の判断が生死を分ける、ストイックなアクション性。 - 探索と成長の楽しさ
広大なマップを自分のペースで解き明かす喜び。
これらが噛み合うことで、ナインソールは「挑戦する価値のあるゲーム」として支持を集めています。
プレイ前に知っておきたい注意点
- 難易度は高く、パリィに慣れるまで時間がかかる
- ルートが分かりにくいエリアがあり、行き詰まりやすい
- ストーリー解釈はプレイヤーに委ねられている部分が多い
これらは一見デメリットですが、裏を返せば“自分の手で攻略する面白さ”が強調された設計です。挑戦の先にある達成感を楽しめる人ほど、このゲームの本質を味わえるでしょう。
今後の展開と注目ポイント
開発元のRed Candle Gamesは、今後もアップデートや調整を予定しており、DLCや追加要素にも期待が寄せられています。すでに多くのプレイヤーが「続編を望む声」をSNSで上げており、アートブックやサウンドトラックなど周辺展開も進行中です。台湾インディーゲームの代表作として、今後さらに注目が集まることは間違いありません。
ナインソールwikiまとめ：高難度でも心を掴む“挑戦の物語”
ナインソールは、単なるアクションゲームではありません。神と人間、信仰と反逆という普遍的なテーマを、壮麗なアートと緊張感ある戦闘で描いた哲学的な作品です。最初は難しく感じても、やり込むほど深みが増し、プレイヤー自身の成長を実感できる構成になっています。
独創的でありながら挑戦的。だからこそ“刺さる人には深く刺さる”——そんな一本です。
もしあなたが「骨太なアクションを求めている」「他にない世界観を体験したい」と感じているなら、ナインソールは間違いなく一度は触れてみる価値があります。
