靴の中に入れるだけで、履き心地や疲れ方が大きく変わる「インソール」。その中でも、厚みのある“厚手インソール”は、長時間歩いても疲れにくいと評判です。でも実際、どんなタイプを選べばいいのか、何に注意すべきなのか、迷う人も多いはず。
今回は、そんな「厚手インソール」の選び方とおすすめの使い方を、実体験に基づいた感覚でわかりやすく解説します。
厚手インソールとは？クッション性と安定感で疲れを軽減
厚手インソールとは、その名の通り通常よりも厚みのある中敷きのことです。靴底からの衝撃をしっかり吸収し、長時間の歩行や立ち仕事でも足の疲れを感じにくくするために使われます。
例えば、通勤で毎日長い距離を歩く人や、接客業で立ちっぱなしの人、底が硬い革靴や作業靴を履く人などにとっては、足への負担を和らげる強い味方。
靴が少し緩いときにも、厚みを足すことでフィット感を調整できるというメリットもあります。
ただし、厚みがある分、靴の内部スペースが狭くなりやすい点には注意が必要です。甲高の人や、ぴったりサイズの靴を履いている場合は、靴の中が窮屈に感じることもあります。
厚手インソールを選ぶときのポイント
「厚ければ厚いほどいい」というわけではありません。厚手インソール選びで大切なのは、自分の靴と足の特徴に合った“厚さと素材”を見極めることです。
1. 厚みと靴の相性を確認する
厚みがあるほどクッション性は高まりますが、靴の中が窮屈になると逆効果です。中敷きが取り外せる靴なら交換タイプを、スペースに余裕がない靴なら重ね敷きよりも「薄めの厚手」を選ぶとバランスが取りやすいです。
2. 素材の違いで履き心地が変わる
厚手インソールに使われる主な素材は、以下のような特徴があります。
- 低反発ウレタン：やわらかく足を包み込む感覚。衝撃吸収に優れ、立ち仕事に最適。
- 高反発EVA：弾むような反発力で、歩行の蹴り出しをサポート。スポーツやウォーキングにおすすめ。
- ゲルタイプ：かかとなど一点に集中しがちな衝撃を分散。ヒールの高い靴にも合う。
- フェルト素材：保温性があり、冬の寒い時期や冷たい床でも快適。
素材によって「柔らかさ」や「反発力」が異なるため、自分の活動シーンに合ったタイプを選びましょう。
3. 通気性・抗菌防臭機能もチェック
厚手インソールはムレやすいという弱点があります。長時間履くなら、通気穴があるタイプや吸湿・抗菌加工されたものを選ぶと快適さが長持ちします。特に夏場や立ち仕事では、通気性の良さが疲れや臭いの予防につながります。
4. アーチサポート機能で姿勢も快適に
土踏まずを支えるアーチサポート機能があると、足全体のバランスが整い、足裏やふくらはぎの疲れを軽減できます。扁平足や外反母趾の人にもおすすめです。
厚手インソールが向いている人・靴のタイプ
どんな靴にも厚手インソールが合うわけではありません。ここでは、特に効果を発揮しやすいシーンを紹介します。
● スニーカー・ウォーキングシューズ
厚手インソールとの相性が抜群。靴ひもで調整できるため、厚みを足してもフィット感を保ちやすいのが魅力です。長距離の通勤や買い物、旅行などにぴったりです。
● 立ち仕事・作業靴
底が硬い靴は、クッション性を高めることで疲れが大幅に軽減します。特に安全靴や厨房シューズなどは、厚手で衝撃吸収性のあるタイプを選ぶと快適です。
● 革靴・ビジネスシューズ
底が薄く、クッション性が弱い革靴には厚手インソールが効果的。ただし、靴内が狭い場合は無理に入れると窮屈になるため、中敷きを外して使えるタイプを選びましょう。
● 冬の防寒対策にも
羊毛フェルト素材の厚手インソールは、寒い時期に足元をあたためる保温アイテムとしても優秀。冷え性対策や雪道の外出にもおすすめです。
長時間歩いても疲れにくくするコツ
厚手インソールを入れただけで劇的に変わることもありますが、さらに快適に使うためのポイントがあります。
・靴とのフィット感を調整する
インソールを入れると靴の中の高さが変わります。履いてみてきついと感じたら、靴ひもを緩めたり、かかと側を少し削れるタイプにしたりして微調整をしましょう。
・使い始めは短時間から
厚みが増すと、足の位置や歩き方が微妙に変わります。最初は短時間から慣らし、違和感がないことを確認してから長時間の使用に移行すると安心です。
・定期的に交換する
インソールは消耗品です。毎日使うと数ヶ月でクッション性が落ちてきます。厚みが潰れたり、足裏に硬さを感じるようになったら交換時期です。
・清潔に保つ
ムレやすい厚手タイプは、使用後に靴から取り出して乾燥させるのが基本。抗菌スプレーを使うと衛生的に保ちやすくなります。
おすすめの厚手インソール紹介
市販の厚手インソールには、さまざまなタイプがあります。ここでは、機能別に注目のアイテムをいくつかピックアップします。
morito 超極厚フェルトインソール（厚さ10mm）
冬の寒い時期や底の硬い靴にぴったりな、超極厚タイプ。フェルト素材で保温性が高く、冷たい床でも快適に過ごせます。
K+WORKS 極厚クッションインソール
クッション性を重視した設計で、立ち仕事や長時間歩行に最適。スニーカーやカジュアルシューズとの相性が良く、履いた瞬間にふわっと沈むような柔らかさが特徴です。
極厚インソール ハードタイプ
かかとをしっかり支えるハードタイプ。安全靴や作業靴に入れても沈みすぎず、安定した立ち姿勢をキープできます。
不動化学 極厚インソール（女性用）
女性の足形に合わせた設計で、パンプスやブーツなどにも使いやすい。厚みがありながら軽く、足の疲れを軽減します。
羊毛フェルト保温インソール
防寒目的で選ぶならこれ。冬の通勤や雪道でも暖かく、長時間履いても快適。厚手ながら通気性も確保されています。
注意したいポイントとよくある失敗
厚手インソールを使うときに起こりやすい失敗例もあります。ここを押さえておくと安心です。
- 靴がきつくなる
→ 特に甲高や幅広の人は要注意。靴の中敷きを外す、または少し大きめの靴で使うのがおすすめです。 - 足がムレやすくなる
→ 通気性の悪い素材を避け、抗菌・吸湿タイプを選びましょう。使用後はしっかり乾かすことも大切です。 - 厚みのバランスが崩れる
→ 前後の厚さが極端に違うと、歩行時の重心がずれやすくなります。前足部と踵部の高さが均等なものを選ぶと安定します。 - 靴の中でズレる
→ かかとにカップ形状があるタイプ、または裏面に滑り止め加工が施されたものを選びましょう。
厚手インソールで足の快適さを取り戻そう
厚手インソールは、歩く距離が多い人、立ち仕事の人、そして靴の硬さに悩んでいる人にとって頼れるサポートアイテムです。
「靴が少しきつくなりそう」と心配な人も、サイズや厚みを選べば快適に使えます。
足の疲れは、日常の快適さに直結します。自分の足と靴に合った厚手インソールを選んで、歩くことそのものをもっと心地よく。今日から“厚手インソール”で、長時間歩いても疲れにくい毎日を手に入れましょう。
