「インソールって、値段の幅が広すぎて正直よく分からない…」そんなふうに感じたことはありませんか？
ドラッグストアで1,000円くらいのものもあれば、専門店では数万円のオーダーメイドもあります。
同じ“インソール”なのに、なぜこんなに価格が違うのか――この記事では、市販品とオーダーメイドの値段相場を整理しながら、それぞれの特徴や選び方のポイントをわかりやすく紹介していきます。
市販インソールの値段相場は？
まずは、誰でも手軽に購入できる「市販インソール」から見ていきましょう。
一般的な価格帯は 1,000円〜3,000円前後。
この範囲に入る商品が、ドラッグストアやAmazon、ABCマートなどで最も多く見られます。
1,000円台のものは、主に「クッション性重視」「消臭・抗菌機能付き」「通勤・立ち仕事向け」など。
2,000円〜3,000円クラスになると、「衝撃吸収」「アーチサポート」「ランニング専用」といった機能性モデルが増えます。
スポーツブランド（ミズノ、アシックス、ザムスト、ソルボなど）の既製インソールも、このあたりの価格帯に集中しています。
市販タイプのメリットは、やはり手軽さとコスパ。
足の疲れが気になる、靴のフィット感を少し改善したい、そんな軽い悩みなら、まずこの価格帯から試すのが現実的です。
実際、靴専門家の多くも「まずは3,000円以下のインソールで十分」とコメントしています。
一方で、デメリットもあります。
既製品はサイズ・形状があくまで“平均的”に作られているため、足の変形や歩行癖に個別対応できません。
「外反母趾」「扁平足」「かかとの傾き」「長時間の足痛」など、具体的な症状がある場合には、既製インソールだけでの改善は難しいケースもあります。
オーダーメイドインソールの値段相場は？
次に紹介するのが、「オーダーメイドインソール」と呼ばれる特注タイプ。
こちらの相場は一気に上がり、1万円〜2万円前後がボリュームゾーンです。
足の形や歩き方を計測して、一人ひとりに合わせて作るため、費用の中には「測定」「成形」「調整」の技術料が含まれます。
また、素材のグレードや製作方法によって価格が変わります。
具体的には以下のような価格レンジが一般的です。
- ライトオーダー（半カスタム）：8,000円〜12,000円程度
→店頭で簡易測定し、既製ベースを個人仕様に微調整 - 本格オーダー（完全カスタム）：15,000円〜25,000円前後
→足型採取や歩行分析をもとに設計。競技者や足の悩みがある人に最適 - 医療・補装具扱いタイプ：3万円〜4万円台
→整形外科や義肢装具士による作製。保険適用になる場合もあり - 高級仕様・特殊素材モデル：5万円〜10万円以上
→競技用・プロアスリート用・特殊カーボン素材など
つまり、「オーダー＝すべて高額」というわけではなく、利用目的に応じて段階的に選べるのが特徴です。
例えば、立ち仕事が多い方なら1万円前後のライトオーダーでも十分効果を感じられる場合がありますし、マラソン選手や登山家なら3万円クラスを選ぶ人もいます。
市販とオーダーメイド、何が違うの？
値段の差を理解するために、両者の違いを簡潔に整理してみましょう。
市販インソール
- 価格：1,000〜3,000円程度
- 特徴：既製サイズ、手軽に交換可能
- 目的：疲労軽減・靴内快適化・簡易クッション補助
- 向いている人：立ち仕事・軽い足の痛み・靴の履き心地改善を求める人
オーダーメイドインソール
- 価格：1〜3万円程度（医療用はさらに高価）
- 特徴：個人の足型・歩行データに合わせて設計
- 目的：姿勢補正・痛み軽減・競技パフォーマンス向上
- 向いている人：外反母趾、扁平足、膝・腰痛持ち、スポーツ愛好者
価格差の最大の理由は「個別設計かどうか」。
オーダーメイドは足裏のアーチ構造や荷重バランスを正確に再現し、左右非対称まで調整します。
一方、市販インソールは「平均的な足」に合わせて設計されており、フィット感より汎用性を優先しています。
高いインソールほど“良い”とは限らない
ここで気をつけたいのは、「値段が高ければ必ず効果がある」という誤解。
実際に10万円を超えるオーダーインソールを購入したものの、「期待ほど変わらなかった」という口コミもあります。
その理由は、インソールだけでは解決できない問題もあるからです。
靴そのもののサイズが合っていない、歩き方の癖が強い、姿勢にゆがみがある――これらを無視して高額インソールを入れても、本来の効果を発揮できません。
また、人によっては「柔らかすぎる素材で逆に疲れる」「硬すぎて痛い」と感じることもあります。
つまり、自分に合ったインソールを選ぶには、価格よりも“足との相性”が重要です。
オーダーメイドが高い理由
では、オーダーメイドインソールの価格が高くなるのはなぜでしょうか。主な要因は以下の通りです。
- 測定と分析の工程が多い
足長・足幅・足裏の圧分布、歩行中の荷重バランスを測定します。
店舗や医療機関では3Dスキャンや圧力センサーを使うことも。 - 熱成形や真空成形などの加工
素材を加熱し、足型に合わせて成形。作業時間や技術力が必要です。 - 素材の質と耐久性
高反発EVA、カーボン、衝撃吸収ゲルなど、長期使用を前提とした素材が使われます。 - 調整・メンテナンスサービス
使用後に再調整やリカットを行うショップも多く、その分人件費がかかります。
これらの工程を含めると、3万円前後の価格も納得です。
つまり「製作そのものがサービス」であり、単なる“中敷き”ではなく“体の一部を支える医療的ツール”という位置づけに近いのです。
コスパで考えるならどう選ぶ？
「そんなに差があるなら、結局どっちを選べばいいの？」
迷ったときは、以下のように考えると分かりやすいです。
- まず試すなら：市販の2,000〜3,000円台インソール
→ ランニング・立ち仕事・通勤など、幅広く対応 - 足に違和感や痛みがあるなら：1〜2万円台のオーダータイプ
→ 足のアーチや姿勢補正を考慮した設計が有効 - 長期的な健康・競技パフォーマンスを重視するなら：専門家監修のカスタムモデル
→ カウンセリング＋定期調整があるブランドを選ぶと安心
また、オーダーを検討する前に「靴が正しいサイズか」をチェックしておくことも大切。
靴が合っていなければ、どんな高価なインソールも効果が半減してしまいます。
インソールの値段と満足度のバランス
価格が高いものほど満足度が高いわけではありません。
自分の足や使用目的に合ったものを選ぶことが、結果的にコスパの良い選択になります。
例えば、1,500円のインソールでも足の疲れが軽減されれば、それは十分“良い買い物”。
一方、3万円のインソールを買っても足に合わなければ、その価値は感じられません。
大切なのは「価格」ではなく「効果を実感できるかどうか」です。
インソールの値段相場まとめ
最後にもう一度、相場の目安をまとめます。
- 市販インソール：1,000円〜3,000円
- ライトオーダー：8,000円〜12,000円
- 本格オーダー：15,000円〜25,000円
- 医療用・補装具タイプ：3〜4万円
- 特殊素材・高級仕様：5万円以上
これらを踏まえると、まずは「市販タイプから始めて、自分に合う方向性を探す」のが現実的です。
もし足の痛みや姿勢の問題が続くようなら、専門店や整形外科でのオーダーメイドを検討してみましょう。
インソールの値段相場はいくら？市販品とオーダーメイドの価格を比較（まとめ）
インソールの値段は、使う人の目的によって大きく変わります。
数千円の市販品でも十分役立つこともあれば、精密なオーダーが必要な人もいます。
大切なのは「どんな足で」「どんな生活をしているか」を知ること。
自分の足を理解し、最適なインソールを選ぶことが、快適な毎日への近道です。
そして、価格はあくまで“目安”。
「高い＝良い」ではなく、「自分に合っているか」を基準に選ぶことを忘れないようにしましょう。
