「せっかく気に入って買った靴なのに、なんだか少しゆるい」「かかとが浮く感じがして歩きにくい」——そんな経験、ありませんか？
ほんのわずかなサイズの違いでも、長時間歩くと疲れやすくなったり、靴擦れが起きたりします。
でも安心してください。実はインソール（中敷）を上手に使うだけで、靴のフィット感をぐっと高めることができるんです。
ここでは、誰でもできるインソールによるサイズ調整のコツや、失敗しないための選び方、調整の具体的な手順をわかりやすく紹介します。
靴のサイズが合わないと何が起きる？
靴が足に合っていないと、歩くたびに足が靴の中で動きます。これが「前すべり」「かかと浮き」「足の疲れ」の原因です。
ゆるい靴では安定感がなく、足が無意識に力んでしまうため、ふくらはぎや腰への負担も増えます。
逆にきつすぎる靴は血流を妨げ、指先のしびれや外反母趾の悪化につながることもあります。
理想は「足と靴が一体化している感覚」。
けれども、靴のサイズ展開はメーカーやモデルによって微妙に違うため、ぴったり合う靴を見つけるのは難しいですよね。
そんなときこそ、インソールによる微調整が役に立ちます。
インソールでできるサイズ調整の基本
インソールを使ったサイズ調整は、靴の中にできた“余裕スペース”を埋めて、足と靴の間のズレを減らす方法です。
大きすぎる靴の場合、1〜3ミリ厚のインソールを入れるだけでも、フィット感が大きく変わります。
ポイントは、靴のどこに余裕があるのかを見極めること。
- かかとが抜ける → かかと周りや甲がゆるい
- 足が前に滑る → つま先に余裕がありすぎる
- 横にズレる → 靴の幅が広すぎる
原因がわかれば、使うインソールの種類も自然と決まります。次の章で詳しく見ていきましょう。
目的別・タイプ別に選ぶインソールのコツ
靴全体が少し大きい場合
足裏全体をカバーする「フルインソール」タイプが最適。
厚みで全体の高さを補い、靴内の“遊び”を減らします。
スニーカーや革靴なら、この方法が一番自然です。
かかとが抜ける・パカパカする場合
「かかとパッド」や「ハーフインソール（つま先寄り）」を使って、足を少し後方にずらします。
特にパンプスやローファーなど、かかと部分が浅い靴で効果的です。
足が前滑りする場合
前足部（つま先下）に薄めのインソールやジェルパッドを入れると、足が前に動きにくくなります。
ヒール靴やパンプスなど、甲の固定が弱い靴にもおすすめ。
クッション性も欲しい場合
立ち仕事や長時間歩く人には、衝撃吸収素材のインソールも有効です。
ただし厚みがありすぎると逆に窮屈になるので、1〜2ミリ厚から試すのがコツです。
インソールを使った調整の手順
「なんとなく入れればいい」では、思うような効果は出ません。
以下の手順で丁寧に調整していきましょう。
- 元の中敷きを外す
取り外し可能な靴なら、まず中敷きを取り出します。これが新しいインソールをカットする“型”になります。 - 新しいインソールを仮合わせ
かかとの位置を合わせ、靴の形に沿うか確認。つま先がはみ出す場合は鉛筆で印をつけましょう。 - 少し大きめにカット
いきなりピッタリ切るのはNG。まずは少し大きめにして、実際に靴に入れてから微調整します。 - 試し履きでチェック
歩いてみて、かかと浮き・前すべり・指の圧迫がないかを確認します。
違和感があれば、再度取り出してカットまたは厚みを調整しましょう。 - フィット感を固定する
靴紐やベルト付きの靴なら、最後にしっかり締めて足を固定。
これでインソールの効果が最大限に発揮されます。
よくある失敗と注意点
インソール調整でありがちな失敗も、知っておくと防ぎやすくなります。
- 厚みを増やしすぎる
つま先や甲が圧迫され、血流が悪くなることがあります。最初は薄いものから試しましょう。 - 靴が根本的に大きすぎる
1cm以上サイズが合わない靴を無理にインソールで詰めるのはおすすめできません。
フィットが取れず、かえって足に負担がかかります。 - インソールがズレる・浮く
歩くたびに動くようなら、サイズが合っていないか、底面が汚れて滑っている可能性があります。
洗って乾かすか、両面テープなどで軽く固定してみましょう。 - 靴自体の劣化
中底が沈んでいたり、かかと芯が潰れている靴は、インソールだけでは解決しません。
靴の状態も定期的にチェックしましょう。
快適さを長持ちさせるためのメンテナンス
インソールは、使っているうちにへたりやすく、素材も劣化します。
目安として半年〜1年に一度は交換するのがおすすめです。
また、汗や湿気で滑りやすくなることもあるので、
1日履いたあとはインソールを外して乾燥させるだけでも快適さが違います。
洗うときは中性洗剤を薄めて軽く手洗いし、陰干しでしっかり乾かしましょう。
どこまでインソールで調整できるのか？
インソールによるサイズ調整は万能ではありません。
靴の大きさを「半サイズ」程度詰めるくらいが現実的な範囲です。
逆に、靴が明らかにブカブカ・形が崩れている場合は、買い替えを検討した方が足には優しいです。
ただし、軽い違和感や少しの緩さなら、インソールで驚くほど快適になります。
特にスニーカーやビジネスシューズでは、厚みの違うインソールを使い分けるだけで「まるでオーダー靴みたい」と感じる人も多いです。
まとめ｜インソールでサイズ調整をして、自分の足に合う靴を楽しもう
靴のフィット感は、ほんの数ミリで変わります。
そして、その微調整を手軽に叶えてくれるのがインソール。
大きめの靴でも、インソールを入れるだけでかかと浮きや前すべりが解消し、歩きやすさが格段にアップします。
ポイントは、「厚みを入れすぎない」「試し履きで感覚を確かめる」「靴の状態も見る」こと。
少しの工夫で、足も靴も気持ちよくフィットします。
今日から、あなたの靴にもぴったりのインソールを見つけて、快適な一歩を踏み出してみてください。
