陸上部に入ってまず最初に悩むのが、「どんなランニングシューズを選べばいいのか？」ということですよね。
毎日の練習に使う靴と大会で履く靴、同じでいいのか。軽いシューズのほうが速く走れそうだけど、脚を痛めないか。
そんな疑問を持つ人に向けて、今回は陸上部で頑張る中高生・大学生にぴったりのランニングシューズ選びを、練習用から大会用まで分かりやすく解説します。
陸上部のランニングシューズ選びでまず知っておきたいこと
陸上部の練習は、長距離走・インターバル・スプリント・補強トレーニングなど、メニューが幅広いのが特徴です。
毎日走る分、シューズへの負担も大きく、使い方を間違えるとケガやフォーム崩れの原因になります。
そこで重要なのが「用途に応じた履き分け」。
つまり、練習用と大会用でシューズを分けることです。
練習ではクッション性や安定性を重視し、脚を守るタイプ。
大会では軽量で反発力のあるタイプを使い、スピードを引き出す。
この2足体制が、陸上部では理想的なシューズ運用といえます。
練習用ランニングシューズの選び方
毎日の練習で履くシューズは、どれだけ脚を守れるかが大事です。
長距離のジョグや距離走、フォームづくりの基礎練習では、クッション性と安定感のあるモデルを選びましょう。
選ぶときのポイント
- クッション性：衝撃を吸収して膝や足首を守る。厚めのミッドソールが安心。
- 安定性：足のブレを抑え、フォームを安定させる。初心者や成長期の部員にもおすすめ。
- 耐久性：毎日使うことを前提に、ソールが減りにくく頑丈な素材を選ぶ。
- フィット感：アッパー（甲部分）がしっかりホールドしているものを。大きすぎると摩擦で靴ずれの原因に。
成長期の中学生や高校生は、サイズ選びも慎重に。
夕方など、足が少しむくんだ時間帯に試し履きするのがおすすめです。
足幅が広めなら「ワイドタイプ」を選ぶと圧迫感が減ります。
練習用で人気のタイプ
ASICSの「GTシリーズ」や「GELシリーズ」、MIZUNOの「ウェーブライダー」などは、クッション性が高く部活練習に定番。
NIKEなら「ペガサス」シリーズが長距離練習にも対応できる万能タイプです。
どのブランドも“脚を守る”ことを意識した設計になっており、長く走る部活生には心強い存在です。
スピード練習・トラック練習に適したシューズ
部活の中でも、週に数回はスピード練習やインターバル走が入ります。
このときに使うシューズは、練習用の中でも少し軽めで反発力のあるものが理想です。
ポイント
- 軽量性：足の回転が上がりやすく、スピード感を出しやすい。
- 反発性：蹴り出しのエネルギーを推進力に変えてくれる。
- グリップ力：トラックやロードでもしっかり接地できるソールを選ぶ。
たとえば、adidasの「アディゼロ」シリーズや、ASICSの「ターサー」シリーズは軽量で反発性が高く、ポイント練習にも使いやすいモデルです。
このタイプのシューズを履くと、スピード感のある走り方を体に覚えさせることができ、フォーム改善にもつながります。
大会・記録会向けランニングシューズの選び方
いよいよ大会シーズン。勝負レースや駅伝、記録会などで履くシューズは、軽量性と反発性が最重要ポイントになります。
ただし、軽ければ軽いほど良いというわけではありません。
大会用シューズで意識したい点
- 軽量性＋反発性のバランス：軽さに加え、蹴り出し時の推進力があるモデルを。
- フィット感の高さ：足とシューズが一体化するような密着感が、力の伝達をスムーズにします。
- 使用回数の管理：大会専用として使い、普段の練習では履かない。新品に近い状態で本番を迎えるのが理想。
NIKEの「ズームフライ」シリーズや「ヴェイパーフライ」、ASICSの「メタスピード」シリーズなど、厚底かつ反発力のあるモデルは、駅伝やトラックレースでも人気です。
ただし、こうしたカーボンプレート入りのモデルは脚力がないと扱いが難しいため、上級者や大学生向けと考えておくと良いでしょう。
陸上部員に多いシューズの失敗例
部活動では「つい同じ靴を毎日使ってしまう」ケースが多いです。
しかし、これは脚を痛める原因になりやすいです。
よくある失敗と対策を知っておきましょう。
- 1足しか持っていない
→ 毎日履くとソールが偏ってすり減り、フォームに癖がつく。最低2足のローテーションを。 - 軽量モデルを練習でも使う
→ 脚への衝撃が大きく、疲労骨折や膝痛を招くことも。練習はクッション性重視で。 - サイズ選びを誤る
→ 成長期はサイズ変化が早い。半年ごとに測り直すのがおすすめ。 - ソールの摩耗に気づかない
→ 外見はきれいでもクッションは劣化しています。600〜800kmが買い替え目安です。
このあたりを意識するだけで、パフォーマンスの安定度もぐんと上がります。
顧問・保護者が押さえておきたいポイント
陸上部では、練習量が多く、靴の消耗が早いのが現実です。
保護者や顧問の立場からは、以下の点を意識すると、部員のケガを防ぎやすくなります。
- シューズの寿命や消耗を定期的に確認する
- 部員全員に“練習用と大会用の2足体制”を推奨する
- チームでモデルを統一する場合は、在庫・廃番情報を早めにチェック
- 成長期の生徒にはサイズに余裕を持たせる
また、シューズを使い分けることで「練習時は筋力・持久力を養い」「大会時に最高のパフォーマンスを出す」という流れが作れます。
これは部活動全体の効率アップにもつながります。
陸上部でのランニングシューズ運用術
部活動で長く走り続けるためには、シューズの“管理”も実力の一部です。
練習用・大会用の2足をそろえたら、それぞれの役割を明確にしましょう。
- 練習用シューズ：日常練習・ジョグ・距離走・アップ・クールダウン
- スピード練習用シューズ：インターバル・トラック練習
- 大会用シューズ：記録会・駅伝・インターハイなどの本番
このように使い分けると、靴の寿命を延ばしながら常に脚を良い状態に保てます。
また、週ごとに履くシューズをローテーションすれば、フォームの偏りも防げます。
ランニングシューズでパフォーマンスを伸ばすために
シューズはただの道具ではなく、パフォーマンスを支える重要な“相棒”です。
部活の仲間と同じ練習をしても、履いている靴が合っていなければ成果に差が出ます。
自分の脚に合ったモデルを見つけ、練習内容や大会スケジュールに合わせて使い分けること。
それが、長く速く走り続けるための第一歩です。
陸上部の練習はハードですが、正しいランニングシューズ選びができれば、ケガを防ぎつつ着実に成長できます。
今日から自分の足元を見直して、“勝てる1足”を選んでいきましょう。
陸上部におすすめのランニングシューズを見つけよう
陸上部のランニングシューズ選びは、練習と大会で使い分けることがカギです。
練習では脚を守り、大会では反発力で記録を伸ばす。
たったそれだけで、走りの感覚が驚くほど変わります。
部活動の努力を支えるのは、毎日履いているその一足。
あなたの目的と脚に合ったランニングシューズを選んで、次のレースに最高のコンディションで挑みましょう。
