雨の日のランニングや、朝露の残る時間帯に走るとき。靴がびしょびしょになって重くなった経験、ありませんか？
そんなときに頼りになるのが「防水スプレー」です。
ただ、防水スプレーにもいろいろな種類があって、どれを選べばいいのか分からないという人も多いはず。この記事では、ランニングシューズに適した防水スプレーの選び方と、実際に使ってみて評判の良いアイテムを紹介します。
ランニングシューズに防水スプレーは必要？
「防水スプレーって本当に必要なの？」という疑問はよく聞きます。
実際、晴天の舗装路だけを走る人にとっては、必須というほどではありません。でも、少しでも雨や湿った路面を走る機会があるなら、防水スプレーを使う価値は十分あります。
なぜなら、防水スプレーは“靴を完全防水にする”ものではなく、“水を染み込みにくくする”ものだから。
メッシュ素材のランニングシューズでも、水が入り込みにくくなり、靴の中がぐっしょり濡れるのを防いでくれます。さらに、泥や油汚れを弾く防汚効果もあるので、見た目をきれいに保つというメリットもあります。
つまり、防水スプレーは「快適さを長持ちさせるメンテナンスアイテム」として活用するのが正解です。
防水スプレーの基本：フッ素系とシリコン系の違い
市販の防水スプレーには、大きく分けて「フッ素系」と「シリコン系」があります。どちらも撥水効果を発揮しますが、特徴と適性が異なります。
フッ素系スプレー
フッ素系は、繊維の1本1本をコーティングして水や油を弾きます。
通気性を保ちやすく、素材の風合いを変えないのがポイント。メッシュやナイロンなどのランニングシューズ素材との相性が良く、ランニング用には最もおすすめのタイプです。
また、フッ素系は汚れも付きにくく、防汚効果も期待できます。唯一の弱点は、シリコン系に比べてやや持続時間が短いこと。ただ、こまめにスプレーすれば問題ありません。
シリコン系スプレー
シリコン系は繊維の表面に薄い膜を作り、水を強力にはじきます。撥水力が高く、雨や雪にも強い反面、通気性を損ないやすいというデメリットがあります。
ランニングシューズに使う場合は、蒸れやすさを考えて注意が必要。特に夏場や長距離を走るときは、フッ素系のほうが快適に使えることが多いです。
ハイブリッドタイプ
最近では、フッ素とシリコンのいいとこ取りをした「ハイブリッド系」も登場しています。速乾性・撥水力・通気性のバランスが良く、スポーツ用として人気が高まっています。
素材との相性を確認しよう
ランニングシューズには、メッシュ・ナイロン・合成皮革など、さまざまな素材が使われています。防水スプレーは素材との相性を見誤ると、せっかくのシューズを傷めてしまうこともあります。
- メッシュ素材：通気性重視のため、フッ素系を選ぶのが安心。
- 合成皮革：もともと水を弾く性質があるので、軽めのスプレーで十分。
- スエードやヌバックなどの起毛素材：専用スプレーを使わないとシミになることがあるため注意。
購入前に「対応素材」を必ずチェックしてから使いましょう。
効果を長持ちさせる正しい使い方
防水スプレーは、ただ吹きかければいいというものではありません。効果を最大限に引き出すには、正しい手順を守ることが大切です。
- 靴をきれいにする
泥やホコリがついたままスプレーすると、汚れの上に膜が張られ、かえって汚れを閉じ込めてしまいます。ブラシや濡れタオルで表面を軽く拭いておきましょう。 - 風通しの良い場所でスプレー
防水スプレーの多くは可燃性のガスを使っているため、屋外または換気の良い場所で行うのが基本です。火気厳禁です。 - 20〜30cm離して均一に吹きつける
近すぎるとムラやシミの原因に。全体をまんべんなく覆うように、軽く2〜3回に分けてかけるのがコツです。 - しっかり乾燥させる
使用後すぐに履くのはNG。最低でも10〜15分、できれば1時間程度置いて完全に乾かしましょう。
この手順を守ることで、防水効果が安定し、シューズの素材も長持ちします。
防水スプレーの効果を維持するためのコツ
防水効果は永久ではありません。雨の中を走ったり、摩擦が多い環境で使用したりすると、撥水膜は徐々に落ちていきます。
目安としては、週1回程度の再スプレーが理想的。雨の日が続く季節なら、走るたびに軽く吹き直すのもおすすめです。
また、効果が薄れてきたサインとしては、
- 水が染み込みやすくなった
- 表面のツヤがなくなった
- 汚れが付きやすくなった
といった変化が挙げられます。これらを感じたら再スプレーのタイミングです。
注意したい点と失敗例
防水スプレーは便利ですが、使い方を間違えると逆効果になることもあります。
- 通気性を損なう
特にシリコン系は膜が厚く、メッシュ素材に使うと蒸れやすくなります。通気性を重視するならフッ素系を選びましょう。 - 色ムラ・シミ
濃い色のシューズや起毛素材に近距離で吹きかけると、白く跡が残ることがあります。目立たない部分で試してから使うと安心です。 - 乾燥不足
完全に乾いていない状態で履くと、汚れが付着しやすくなったり、撥水膜がすぐ剥がれたりします。焦らずしっかり乾かしましょう。 - 屋内使用
換気が悪い場所で使うと、ガスがこもり危険です。必ず屋外で使用するのが鉄則です。
ランニングシューズにおすすめの防水スプレー
ここでは、ランニングシューズとの相性が良いと評判の防水スプレーをいくつか紹介します。どれも国内外で人気が高く、ランナーの口コミ評価も上々です。
- コロニル ウォーターストップ
フッ素系スプレーの定番。通気性を保ちながら高い撥水・撥油効果を発揮します。革・布・合成素材など幅広く対応。 - アメダス420
日本製で信頼性が高いロングセラー。軽い霧状のスプレーがムラになりにくく、乾燥も早い。メッシュ系のランニングシューズに特に人気です。 - ジェイソンマーク リペル
スニーカー専用ブランドが作った防水スプレー。水性タイプで臭いが少なく、室内でも扱いやすいのが特徴。素材へのダメージも少なめです。 - スコッチガード シューズ用撥水スプレー
手軽にドラッグストアでも買える定番商品。コスパが良く、初心者でも扱いやすい万能タイプです。
どの商品も「防水性・速乾性・通気性・安全性」のバランスが取れており、ランニングシューズにも安心して使えるものばかりです。
こんな人には防水スプレーがおすすめ
- 雨の日も走りたい人
- 朝や夜の湿った路面でトレーニングする人
- シューズを長くきれいに保ちたい人
- 雨天の大会・マラソンに出場する人
一方で、晴天の舗装路しか走らない人や、防水素材（ゴアテックスなど）のシューズを使っている場合は、必ずしも必要ではありません。
自分のランニング環境を考えて、使う・使わないを判断しましょう。
ランニングシューズに使える防水スプレーで快適な走りを
ランニングシューズに防水スプレーを使うことで、雨の日の不快感を減らし、シューズの劣化も防げます。
ただし、成分や素材、使い方を誤ると逆効果になることも。フッ素系を中心に、素材やシーンに合ったスプレーを選び、正しい手順で使うことが大切です。
防水スプレーはあくまで“サポート役”ですが、そのひと手間でランニングの快適さはぐっと変わります。
お気に入りのシューズを長く使うために、ぜひ今日からケアの習慣を取り入れてみてください。
