ランニングシューズの定番といえば、ナイキの「ペガサス」シリーズを思い浮かべる人も多いでしょう。長年にわたって愛され続けるこのシリーズに、ついに最新作「ナイキ ペガサス41」が登場しました。
今回はその進化ポイントを中心に、前作「ナイキ ペガサス40」との違いや履き心地、どんなランナーにおすすめなのかまで、実際のレビューや技術情報をもとにわかりやすく解説します。
ペガサス41はどんなランニングシューズ？
ナイキ ペガサス41は、2024年に登場したペガサスシリーズの第41代モデルです。ペガサスといえば「毎日のランにちょうどいい万能シューズ」として知られ、初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。
今回のナイキ ペガサス41は、単なるマイナーアップデートではなく、クッション素材の刷新と安定性の強化によって大きく生まれ変わりました。特に注目すべきは、ミッドソールに新しく採用された「ReactXフォーム」。従来のReactフォームよりも柔らかく、エネルギーリターンが約13％向上したとされています。これにより、走行中の衝撃吸収力が高まり、長距離でも疲れにくい履き心地が実現しました。
ReactXフォームによるクッション性の進化
ナイキ ペガサス41の最大の特徴は、何といってもこのReactXフォームの採用です。
従来のReactフォームは反発力と耐久性に優れた素材でしたが、ReactXでは環境負荷の軽減と同時に、より快適なクッション性を追求。ナイキの試験では、エネルギーリターン性能が13％向上し、走り出しの軽快さが増しているとされています。
実際に履いたランナーの声でも「長距離でも脚が軽い」「かかと着地の安定感が高い」といった評価が多く見られます。一方で、前作よりも柔らかく感じるため、地面の反発を強く感じたいスピードランナーには少しマイルドに感じるかもしれません。
それでも、リカバリーランやジョグ中心のランナーにとっては、この“優しいクッション”こそが魅力と言えるでしょう。
スタックハイトが増して安定感アップ
ミッドソールの厚み（スタックハイト）は、前作ナイキ ペガサス40よりも約4mm増加しています。
ヒール部分で約37mm、フォアフット（つま先側）でも厚みが加わり、全体としてふかふかとした感触が強まりました。
この厚みアップは、単にクッションを増やすだけではなく、安定性の向上にも寄与しています。ミッドソールの幅も広げられ、接地時のぐらつきが少なくなりました。特にヒール着地寄りのランナーにとっては、安定した足運びをサポートしてくれる構造です。
ヒールカウンター（かかとのホールド部分）も強化されており、かかとがしっかり固定される安心感があります。
アッパー素材の改良で通気性とフィット感が向上
アッパーには新しいエンジニアードメッシュが採用されています。
これまでのモデルよりも柔らかく、足当たりが優しくなった印象です。さらに、通気性も高まり、夏場のランニングでもムレにくくなりました。内部にはソックライナー構造が採用され、靴下のように足を包み込むフィット感があります。
フィット感については、「以前より幅にゆとりが出た」と感じるランナーが多く、特に足幅が広めの方にも履きやすい設計となっています。一方で、足幅が狭い方はやや緩く感じる場合もあるため、試し履きで確認するのがおすすめです。
重量はやや増加、それでも快適さを優先した仕上がり
改良によってミッドソールの厚みが増した分、重量はわずかに増えています。
メンズの標準サイズ（US10）で約303gと、前作より8gほど重くなりました。数字だけ見ると微増ですが、実際に履いてみるとクッション性と安定感の向上によって、重さはほとんど気にならないという意見が多く見られます。
「軽快さよりも安定性を重視したモデル」という印象で、日々のジョグや長距離トレーニングに向いた落ち着いた履き心地です。
テンポ走やインターバルトレーニングよりも、疲労を抑えながら距離を積みたいランナーに最適です。
ペガサス40との違いを徹底比較
ナイキ ペガサス41を語る上で欠かせないのが、前作ナイキ ペガサス40との比較です。違いを整理すると以下のようになります。
- フォーム素材：React → ReactXへ変更（クッション性アップ）
- スタックハイト：約4mm増（厚みが増して安定性向上）
- アッパー：より柔らかく通気性の高いメッシュに改良
- フィット感：幅がやや広くなり、足入れがゆったり
- 重量：わずかに増加（約8g程度）
- 安定性：ヒールカウンターの剛性強化で安定感が向上
このように、ナイキ ペガサス41は「快適性」「安定性」「ゆとり」の3つが大きく進化したモデルといえます。
逆に、軽量性やスピード感は前作のほうが若干上回るため、テンポアップ用途ではナイキ ペガサス40を好むランナーもいるでしょう。
実際の走行レビューと使用感
実際にナイキ ペガサス41を履いて走ったランナーからは、以下のような意見が多く寄せられています。
- 「足を入れた瞬間から柔らかくて気持ちいい」
- 「長距離を走っても脚へのダメージが少ない」
- 「安定して着地できるので初心者でも安心」
- 「気温が低いとややソールが硬く感じる」
特に最後の「気温による硬さ変化」については、ReactXフォームの特性上、寒冷時にやや硬くなる傾向があるようです。冬場のランニングでは最初の数キロで少し固く感じるかもしれませんが、体温と気温の上昇で馴染んでいきます。
全体としては「万能で使いやすいトレーニングシューズ」として高評価。
ジョグ、LSD（ロングスローディスタンス）、リカバリーランなど、毎日のベース練習に最適な1足です。
どんなランナーにおすすめ？
ナイキ ペガサス41は、以下のようなランナーに特におすすめです。
- 週に数回、5km〜20km程度を走るランナー
- サブ4〜サブ5クラスのマラソンランナー
- ケガを防ぎながら日々の練習を積みたい方
- 安定感と快適性を重視したい初心者〜中級者
- 足幅がやや広めで、窮屈なシューズが苦手な方
逆に、「軽さ」「反発力」「スピード感」を重視する上級者には、ズームフライやヴェイパーフライなど、カーボンプレート入りのモデルのほうが向いているでしょう。
注意点と購入前にチェックしたいポイント
購入前に知っておくべき点として、いくつかの注意事項を挙げておきます。
- 重量はやや増加しているため、スピード練習中心の人には不向き。
- 冬場はソールが硬く感じる可能性がある。
- 足幅が狭い人は、フィット感にゆるさを感じる場合がある。
- スピードレースや自己ベスト更新用のシューズではない。
これらを踏まえて、自分のランニングスタイルに合っているかを確認して選びましょう。
トレーニングシューズとして1足持っておくと、どんなシーンでも対応できる“安心の存在”になります。
ナイキ ペガサス41のまとめ
ナイキ ペガサス41は、日々のランニングを快適に支えてくれる万能シューズです。
ReactXフォームによる柔らかなクッションと安定感のある設計で、初心者から中級者まで幅広く使えます。
派手なスピード感こそありませんが、「走ることを習慣にしたい」「長く快適に走りたい」というランナーにとっては理想的な1足です。
ナイキが長年磨き続けてきた「ペガサス」の伝統は、41代目にしてさらに成熟しました。
ランニングシューズ選びで迷っている方は、まずこのナイキ ペガサス41を試してみると、その安心感と走りやすさを実感できるはずです。
