ランニングシューズを買うとき、デザインやブランドにばかり目がいっていませんか?
実は、ランニングシューズの「フィッティング(履き心地・サイズ感)」こそ、走りの快適さやパフォーマンスを大きく左右する重要なポイントなんです。
ほんの数ミリの違いで、疲れ方や足の痛み、フォームの安定性まで変わってしまうこともあります。
ここでは、ランニングをもっと気持ちよく続けるために知っておきたい「正しいフィッティング方法」と「サイズ選びで走りが変わる理由」を、わかりやすく解説します。
なぜフィッティングが重要なのか
ランニングシューズは単なる「靴」ではなく、走るたびに全身の衝撃を支える“ギア”です。
足に合わないシューズを履き続けると、次のようなトラブルが起こりやすくなります。
- 爪が黒くなる、指先が痛い
- マメや靴ずれができる
- 足首や膝、腰に痛みが出る
- 長く走るとすぐに疲れる
これらの多くは、シューズのサイズや幅、形が足に合っていないことが原因です。
逆に、フィッティングがしっかりしていれば、走行時の足の安定感が増し、フォームもブレにくくなります。
走りが軽く感じたり、疲れにくくなったりするのは、正しいフィットがもたらす自然な変化です。
サイズ選びの基本は「長さ」と「幅」
ランニングシューズのサイズを選ぶとき、多くの人が“足の長さ”だけに注目しがちです。
しかし、快適なフィット感を得るには「足長(レングス)」と「足幅(ウィズ)」の両方を意識する必要があります。
足長(レングス)
かかとから一番長い指の先までの長さです。
立った状態で、つま先に1cm前後の余裕があるのが目安。
走るときには足が少し膨張するため、ピッタリよりも「ややゆとりがある」サイズを選ぶのがポイントです。
足幅(ウィズ)
日本人は欧米人に比べて幅広・甲高の傾向があります。
同じサイズでも「E・2E・4E」など幅の違いがあるので、メーカー表記を確認しましょう。
店頭で試す際は、足が圧迫されていないか、横方向に痛みが出ないかもチェックします。
自分の足を正しく知ることが第一歩
正しいフィッティングを目指すなら、まず自分の足を測ることが大切です。
家でも簡単に測れるので、一度やってみましょう。
- A4用紙を床に置き、素足で立つ
- かかとと一番長い指の先をマークして距離を測る(足長)
- 親指の付け根と小指の付け根の出っ張り部分を通るようにメジャーで一周測る(足囲)
この2つの数値をもとに、自分の足型とサイズを把握します。
可能なら、スポーツショップの計測器やスタッフによる“足型測定”を受けるのもおすすめです。
左右で微妙にサイズが違うことも多く、正確なフィッティングの参考になります。
試し履きでチェックすべきポイント
店舗や通販で購入する前に、試し履き時に確認したいポイントを整理しておきましょう。
感覚に頼るだけでなく、次のような項目を意識して履くのがコツです。
- つま先の余裕:指先が圧迫されず、少し動かせるか
- かかとのホールド感:浮いたり脱げそうな感じがないか
- 足幅・甲のフィット:締めつけが強すぎないか
- ソックスとの相性:普段のランニングソックスを着用して確認する
- 歩行・軽いランでの動き:足が靴の中でズレたりしないか
特に「かかとが浮く」状態は、ランニング中の安定性を損ない、フォームの崩れや疲労の原因になります。
また、試し履きは夕方以降が理想的。
日中の活動でむくんだ状態の足に合わせると、実際のラン時のサイズ感に近づきます。
フィッティングが悪いと何が起こる?
合わないシューズを履いていると、最初は小さな違和感でも、距離を重ねるうちに大きなトラブルへ発展します。
- つま先が当たって爪が黒くなる
- マメや靴ずれで走るのが苦痛になる
- 足裏が疲れやすくなる
- 膝や腰にまで負担がかかる
こうした症状はすべて“フィット不良”のサイン。
もし走行中に痛みや圧迫を感じたら、すぐにサイズやモデルを見直すべきです。
逆に、ぴったり合ったシューズは足がシューズと一体化し、着地から蹴り出しまでの動作がスムーズに行われます。
これが「フィットが良いと走りが変わる」と言われる理由です。
走りの目的に合わせたフィッティングの考え方
同じランニングでも、目的や距離によって理想的なフィット感は少し異なります。
- ジョギング・通勤ラン:快適性重視。ややゆとりをもたせたサイズが◎
- マラソン・ロング走:長時間走るため、つま先の余裕とホールド感のバランスが重要
- スピード練習・レース用:足とシューズが一体化するようなタイトめフィット。ただし圧迫しすぎはNG
特にレース用シューズは軽量で反発性が高い分、ホールド感も強めです。
その分、少しでも合わないと疲労や痛みにつながるため、事前にしっかり慣らしておきましょう。
ブランドごとのラスト(足型)にも注目
同じサイズ表記でも、ブランドによって足型設計が異なります。
たとえば、アシックスやミズノは日本人向けのやや幅広設計が多く、ナイキやアディダスは細めのラストが中心です。
そのため、「いつもと同じサイズを買ったのにきつい/ゆるい」と感じるのは珍しくありません。
初めてのブランドを試すときは、必ず実際に履いて感触を確かめましょう。
フィッティングを成功させるコツ
ランニング初心者からベテランまで、誰にでも実践できるフィッティングのコツがあります。
- 足を測る習慣をつける
年齢や体重変化で足のサイズは微妙に変わります。半年〜1年に一度の計測が理想です。 - 必ず両足で履いて立ち上がる
片足だけで判断せず、体重をかけてバランスを確認すること。 - 靴紐をしっかり締めて確認
ゆるい状態で履くと正確なフィット感が分かりません。 - 数分歩く・軽く走る
実際に動くことで、かかとの浮きや足指の詰まりを確認できます。 - 直感を信じる
どこかに違和感がある場合、その感覚はほぼ間違いではありません。
買った後も油断せず「履き慣らし」を
新しいランニングシューズは、最初から長距離に使うのではなく、短時間のジョグやウォーキングで慣らすのがおすすめです。
アッパーやソールが少しずつ足になじみ、より自然なフィット感が得られます。
また、シューズは走行距離500〜700kmほどでクッションがへたり始めるので、定期的に買い替えのサイクルを意識しておきましょう。
フィッティングで走りが変わる理由
「正しいサイズ選びをしただけで、走るのがこんなに楽になるのか」と感じる人は多いです。
これは単なる気のせいではなく、物理的にも理にかなった変化です。
- 足が靴の中で動かないことで、力の伝達効率が上がる
- 指先の自由度が増し、蹴り出しがスムーズになる
- かかとのホールドが安定して、着地時のブレが減る
- 摩擦や圧迫が減って、疲労や痛みが起きにくい
結果的に、フォームが安定し、走りが軽く感じられる。
これこそ「正しいフィッティング」がもたらす最大の恩恵です。
ランニングシューズのフィッティングを見直して、理想の走りを手に入れよう
ランニングを続けるうえで、シューズのフィッティングは“最初に整えるべき基礎”です。
合わない靴で我慢して走るよりも、自分にぴったりの一足を見つけるほうが、ずっと快適で長続きします。
足のサイズを測り、試し履きのコツを意識しながら、自分の走り方や目的に合うモデルを選んでみてください。
正しいフィッティングを意識するだけで、走ることがもっと楽しく、もっと自然になります。
今日からぜひ、自分の足とじっくり向き合ってみましょう。


