ランニングシューズを選ぶとき、サイズは意識しても「足幅（ワイズ）」までは気にしていない人も多いですよね。
でも実は、この“幅”こそが履き心地や走りやすさを左右する重要なポイントなんです。特に「2E（ツーイー）」という表示は、多くのランナーが自分の足に合うかどうかを判断する目安として知っておくべき要素。ここでは、2Eの意味や測り方、ブランドごとの違い、そして自分に合った選び方をわかりやすく解説します。
そもそも「2E」とは？足幅・足囲の基本を知ろう
靴のサイズ表記には「26.5cm」などの“長さ”だけでなく、「E」「2E」「3E」「4E」といった“ワイズ（幅）”の指標があります。
この「2E」は、JIS規格で定められた“足囲（足の周囲の長さ）”を基準にした幅表記のひとつ。
男性では「E」が標準、そこから6mmずつ広がるごとに「2E」「3E」「4E」と段階的に広くなります。
女性の場合は「D」や「E」が標準で、「2E」はやや幅広とされています。
とはいえ、このワイズ表記はあくまで目安。ブランドやモデルによってラスト（木型）が異なるため、同じ2Eでも実際のフィット感には差があります。
つまり、「2Eだから広い」「2Eだから標準」とは一概に言えないのです。
足のサイズは“足長”だけでなく“足囲”を測るのが基本
自分に合うランニングシューズを見つけるには、まず足の実測を知ることが大切です。
測るべきポイントは主に2つ。
- 足長：かかとから最も長い指先までの長さ
- 足囲（ワイズ）：親指の付け根と小指の付け根を通る位置をぐるりと一周測る長さ
メジャーを使い、立った状態で体重を均等にかけながら測定しましょう。
夕方や運動後など、足がむくみやすい時間帯に測ると、より実際の着用感に近い値が出ます。
測定結果をワイズ表と照らし合わせ、自分の足囲がどの幅に近いかを確認すれば、2Eが適しているかどうかがわかります。
もし足囲が2Eより大きければ3E以上、逆に小さければEやDが合う可能性があります。
2Eは標準？それとも幅広？ブランドによる違い
多くの日本メーカー（アシックス、ミズノなど）は、2Eを“標準的な幅”として設計しています。
一方で、ナイキやニューバランスなど海外ブランドの多くは「D」が標準で、「2E」が“ワイドモデル”扱い。
同じ2Eでも、国内メーカーと海外メーカーでは位置づけが逆になるのです。
例えば、
- アシックス・ミズノ：2E＝標準、3E＝ワイド、4E＝スーパーワイド
- ニューバランス・ナイキ：D＝標準、2E＝幅広
この差を理解しておくことで、「いつも2Eを履いているのに、このブランドの2Eはきつい」といった失敗を防げます。
ランニングシューズ2Eを選ぶときのチェックポイント
足幅が合わない靴を履くと、マメや外反母趾、膝や腰の痛みにつながることもあります。
特にランニングでは着地と蹴り出しを繰り返すため、足幅のフィット感が非常に重要です。
2Eモデルを選ぶときは、以下のポイントを意識しましょう。
- つま先に5mm〜1cmの余裕があるか
走ると足が前に滑るため、適度なゆとりが必要です。 - 親指・小指の付け根が当たらないか
横方向の圧迫はマメや痛みの原因になります。 - 甲やアッパーの締めつけ具合を調整できるか
紐やストラップでしっかりホールドできるか確認しましょう。 - アッパー素材の柔軟性
硬い素材は窮屈に感じやすいため、ニットやメッシュ素材のモデルは幅に柔軟性がありおすすめです。 - ブランドのラスト形状
甲高・幅広向けに設計された日本ブランドは2Eでもゆとりを感じやすく、欧米ブランドはフィット重視でタイトな傾向があります。
用途別に見る2Eシューズの適正
街歩き・普段使い
通勤や街歩きにランニングシューズを使うなら、2Eは最もバランスの取れた幅です。
締めつけ感が少なく、長時間履いても疲れにくい一方で、ホールドもしっかり。
むくみやすい夕方の足でも快適なフィットを得やすいでしょう。
立ち仕事・長時間着用
立ち仕事では足のむくみや広がりが起きやすく、2Eでは窮屈に感じる人もいます。
その場合は、同モデルの3Eや4E展開を検討するのがおすすめ。
特にミズノやニューバランスなどは複数の幅を展開しており、試し履きの際に比較しやすいです。
長距離ランニング
マラソンや長距離ランでは、足の動きやむくみに対応できる余裕が必要。
足幅が標準〜やや広めなら2Eで十分ですが、指の動きが制限される感覚がある場合はワイドモデルが快適です。
逆に、フィット感を重視する短距離ランやスピードトレーニングでは、2Eの軽いホールド感が走行安定性を高めてくれます。
2Eの靴が「きつい・ゆるい」と感じる理由と対処法
「2Eの靴なのに横がきつい」「逆に緩くてブレる」──そんな経験をしたことはありませんか？
これは多くの場合、“足型と木型の相性”が原因です。
きついと感じる場合
- ブランドによって実際の幅設計が狭め
- 足囲が2Eより大きい
- アッパー素材が硬く伸びにくい
→ 対処法：3E以上のワイドモデルを試す、柔らかい素材のモデルを選ぶ、シューレースを少し緩めて調整。
ゆるいと感じる場合
- 足囲が実はEやDに近い
- アッパーが柔らかすぎてホールドが弱い
→ 対処法：DやEワイズを試す、中敷きや厚手ソックスでフィット感を調整。
同じ2Eでも「ブランド」「設計」「素材」の三要素によって履き心地が変わるため、試着やレビュー情報の確認は欠かせません。
2Eに強いブランドと人気モデルの傾向
日本人の足型に合いやすい2Eモデルを展開しているのは、やはり国内ブランドが中心です。
- アシックス（ASICS）
標準モデルが2E設計。初心者から上級者まで幅広く対応。ゲルシリーズなどは安定性とクッション性が高い。 - ミズノ（Mizuno）
2Eを基準に、3E・4Eも選べるラインナップ。ウェーブライダーやウェーブリベリオンは人気定番。 - ニューバランス（New Balance）
ワイズ展開が豊富で、D〜6Eまで揃う。2Eは“標準〜やや幅広”の位置づけで、多くの日本人に合いやすい。 - ホカ（HOKA）・ブルックス（Brooks）
海外ブランドの中でもワイド展開が充実。2Eや4Eの設定があり、クッション性重視派に人気。
どのブランドも共通して言えるのは、「2E＝最も汎用的な幅」ということ。
まずは2Eを試し、必要に応じてワイド・ナローモデルを比較するのが失敗しない選び方です。
ランニングシューズ2Eの選び方まとめ
2Eワイズは、多くのランナーにとって“標準的で快適な幅”。
しかし、同じ2Eでもブランドによって感覚が異なるため、単に表記だけを見て選ぶのは危険です。
シューズを選ぶときは、
- 足長と足囲を正確に測る
- ブランドごとの基準を知る
- 試着時のフィット感を確認する
- 用途（走る・歩く・立つ）に応じて選ぶ
この4点を意識するだけで、快適さとパフォーマンスが大きく変わります。
自分の足に合った2Eモデルを見つければ、長距離も街歩きも軽やかに楽しめます。
サイズだけでなく「幅」にも目を向けて、理想のランニングシューズ選びをしてみてください。
ランニングシューズ2Eで快適な走りを手に入れよう
ランニングシューズ2Eは、「標準的な幅」ながらも幅広い足型に対応できる万能タイプ。
足の測定とブランド特性を理解すれば、きっと自分の足にぴったりな1足に出会えるはずです。
毎日のランやウォーキングをもっと快適にするために、次に選ぶ1足は“2Eのフィット感”から見直してみましょう。
