ランニングシューズ選びで「軽さ・クッション性・安定感」のすべてを求める人にとって、プーマの「ディヴィエイト ニトロ3」は注目の一足です。シリーズを重ねるごとに進化を遂げてきたこのモデルは、日常のジョグからテンポ走、さらにはレースまで対応できる汎用性を持ちながら、履き心地の快適さでも高く評価されています。この記事では、その最新モデル「ニトロ3」の進化ポイントや特徴、実際の使用感までを詳しく紹介します。
ニトロシリーズの中での位置づけ
プーマの「NITRO」シリーズは、同社が展開する本格ランニングラインの中核を担うモデル群です。その中で「ディヴィエイト ニトロ3」は、レース用の高反発モデルとトレーニング用の安定モデルのちょうど中間に位置づけられています。
つまり、スピード練習にも日常ランにも使える「万能型」。上級者のセカンドシューズとしても、サブ4〜サブ3.5を目指すランナーのメインシューズとしても活躍できるポジションです。
進化したミッドソール構造 ― NITROフォームとPWRPLATEの融合
「ニトロ3」の最大の魅力は、改良されたミッドソール構造にあります。
まず、ミッドソールの中核となるのが「NITROフォーム」。窒素（ナイトロジェン）を注入して発泡させた素材で、軽量性と反発力の両立を実現しています。さらに、その上層には「NITRO ELITEフォーム」を重ね、よりソフトでレスポンシブな感触をプラス。
そして、この2層のフォームの間に「PWRPLATE（パワープレート）」と呼ばれるプレートを内蔵。これが着地のエネルギーを前方への推進力に変換し、ランニング時の安定性とスピードを両立させています。
前モデルよりもミッドソールの厚みが増しており、長時間のランでも脚への負担を軽減できる仕様にアップデートされました。
履き心地 ― 柔らかさと反発の絶妙なバランス
履いてまず感じるのは、柔らかすぎず硬すぎない「絶妙なクッション感」。
走り出しはふんわりとした衝撃吸収を感じながらも、踏み込みのたびに前へ押し出されるような推進力があります。これはNITRO ELITEフォームの反発性と、プレートの安定した屈曲が生み出す自然な推進感の賜物。
特にテンポ走やビルドアップ走など、スピードを上げた際の安定感が際立ちます。重心移動がスムーズで、蹴り出しにムダがなく、着地から次のステップまでの流れが非常に自然。
一方で、ゆっくり走るジョグペースでも違和感がなく、汎用性の高さがこのモデルの強みと言えるでしょう。
改良されたアッパーとフィット感
ニトロ3ではアッパー素材にも改良が加えられました。
新しいニット素材に加えて、部分的に「PWR TAPE」という補強が施されており、足を包み込むようなホールド感があります。シューズ全体の剛性が高まったことで、足のブレを抑え、長距離でも安定したフィットを維持できます。
一方で、アッパーは比較的タイトな設計。特にトウボックス（つま先部）がやや浅めに作られているため、足幅が広めの方はハーフサイズアップを検討しても良いかもしれません。
かかとのホールドはしっかりしており、踵抜けの不安はほとんど感じません。フィット性重視の設計が、テンポ走時の安定した着地に貢献しています。
グリップ性能 ― PUMAGRIPの安定したトラクション
アウトソールには、プーマ独自の「PUMAGRIPラバー」を採用。
このラバーは、濡れた路面やアスファルト、トラックなど、さまざまな地面で安定したグリップを発揮するのが特徴です。
実際のユーザーからも「雨の日でも滑らない」「マンホールの上でも安定感がある」といった声が多く、全天候型の信頼感が伺えます。
耐久性にも優れており、500km以上の走行でもアウトソールの摩耗が少ないというレビューも見られます。日々の練習で酷使しても安心できる設計です。
前モデルとの比較 ― より“使いやすい”方向への進化
前作の「ディヴィエイト ニトロ3」と比べると、ニトロ3では明確な進化が見られます。
まず、ヒールスタック（かかと部の厚さ）が約5mmほど増加。これにより、より厚底感が増し、衝撃吸収性能がアップしました。
また、アッパーの素材も刷新され、通気性とフィット感のバランスが向上。前作ではやや硬さが目立った履き心地が、今作ではより柔らかく、自然な足入れ感になっています。
反発力そのものは前作の方が強めでしたが、ニトロ3では安定性とのバランスを重視。トランポリンのような「跳ねる」感覚から、より「前へ転がる」ような自然な推進感に変化しています。
結果として、スピード練習にも、ジョグにも、どちらにも使える万能型シューズに仕上がりました。
実際の使用レビューと評価の傾向
海外のランナーによるレビューでも高評価が目立ちます。
「テンポ走からレースまで使える万能性」「グリップの安定感」「ミッドソールのバランスの良さ」などが特に評価されており、総合点の高いモデルです。
一方で、「幅が狭く感じる」「夏場は通気性がもう少し欲しい」といった声も見られます。
特にクッション性と反発力の“中間点”を狙った設計のため、「柔らかすぎるのが苦手」「プレートシューズに慣れていない」というランナーにも扱いやすい点が評価されています。
長距離走では脚への疲労が少なく、30km走でも快適に走れたという声もあり、フルマラソンの練習用シューズとしても信頼されています。
どんなランナーにおすすめか
・普段はジョグ中心だけれど、テンポ走にも挑戦したい人
・スピード練習とロング走を1足でこなしたい人
・厚底系シューズの安定感が好きだが、柔らかすぎるのは苦手な人
・雨の日も安定して走りたい人
逆に、トウボックスの広さや通気性を最重視する方には合わない場合もあります。
その場合は、同シリーズの「ヴェロシティ ニトロ3」や「マグニファイ ニトロ3」など、用途に合わせたモデルを選ぶのも一つの手です。
日本での価格・入手状況
国内では「メンズ／ウィメンズ」両モデルが販売中で、価格はおおむね13,000円台〜16,000円前後。
公式オンラインストアやAmazonなどの主要通販サイトでも取り扱いがあり、サイズ展開も豊富です。
モデル名は「Deviate Nitro 3（ディヴィエイト ニトロ3）」で統一されているため、購入時は類似モデル（ヴェロシティやマグニファイ）と混同しないよう注意が必要です。
総評 ― 進化したクッション性がもたらす快適な走行体験
プーマのランニングシューズ「ディヴィエイト ニトロ3」は、軽量性・反発力・安定性のバランスが取れた完成度の高いモデルです。
特に、改良されたミッドソール構造によるクッション性の向上と、プレートの安定感が際立ち、長距離ランやテンポ走でも脚への負担を軽減してくれます。
厚底ブームが続く中でも、ニトロ3は“扱いやすいプレートシューズ”として幅広いランナーにフィットします。
走り心地のバランスと万能性を求める人にとって、間違いなく今季の有力候補となる一足でしょう。
プーマランニングシューズニトロ3の魅力を再確認してみよう
「プーマ ランニング シューズ ニトロ3」は、最新技術と快適性を融合させた進化系モデル。
走りやすさ・安定感・クッション性のどれをとっても高いレベルでまとまっており、日々の練習から本番レースまで頼れる存在です。
自分の走りに合うシューズを探しているなら、ぜひ一度このモデルを試してみてください。
