「ニューバランスのスニーカーを履くと、歩くたびに“キュッキュッ”と音がする」──そんな経験、ありませんか?
特に室内や静かな通路で響くと、意外と気になってしまうものです。今回は、ニューバランススニーカーで音がする原因と、その対処法をわかりやすく解説します。
音の正体を理解すれば、多くの場合は自分で簡単に解消できます。お気に入りのスニーカーを快適に履きこなすために、ぜひ最後まで読んでみてください。
スニーカーが歩くと音がするのはなぜ?
まず知っておきたいのは、「スニーカーが音を出す」という現象は、決して珍しいものではないということ。
ニューバランスに限らず、多くのスニーカーで「歩くと鳴る音」は発生します。
特に、ゴム製のソールや柔らかいクッション素材を採用したモデルほど、摩擦や空気の逃げ道によって音が出やすい構造になっています。
また、新品や湿度の高い環境、あるいは長期間履いた後など、状況によっても発生のしやすさは変わります。
音の主な原因を大きく分けると、次のようなものがあります。
原因① 靴底と床との摩擦による「キュッキュ音」
最も多いのが、靴底(アウトソール)と床との相性による摩擦音です。
ツルツルしたフローリングやタイルの上を歩くと、ラバーソールが床面に吸いつき、摩擦が一瞬発生します。そのときに「キュッ」と高い音が鳴るのです。
新品のスニーカーで特に多く、溝が深いソールやグリップの強い素材だと摩擦が強くなるため、音が出やすい傾向があります。
また、湿気や水分が床とソールの間に挟まることで吸着力が高まり、さらに音が強調されることもあります。
原因② インソールと中底のズレや摩擦
スニーカーの内部にも音の原因があります。
特に「インソール(中敷き)」と「中底(ソールの内側)」の間で摩擦が起きると、“キュッキュッ”という音が足元の中から聞こえることがあります。
これは、インソールが浮いていたり、汗や湿気で滑りやすくなっている場合に発生します。
また、取り外し可能なインソールを入れ替えた直後や、サイズが少し合っていない場合もズレが生じやすくなります。
歩くたびに「靴の中から音がする」と感じたら、インソールが原因の可能性が高いです。
原因③ 湿気・水分・空気の抜け
「雨の日に履いたら音が鳴るようになった」「乾かしても消えない」――こんな場合は、靴の内部に残った湿気や空気が原因かもしれません。
特にニューバランスのようにクッション性の高いミッドソールを採用しているモデルでは、ソール内部の空気室やフォームの中に微量の空気が溜まり、歩行時に「プスッ」「ペコッ」と鳴ることがあります。
また、内部の接着面が湿気を吸うと、素材同士が吸着・剥離する際に小さな音を出すこともあります。
乾燥不足が続くと、音だけでなくカビや変形の原因にもなりかねません。
原因④ ソールや接着部の劣化・剥がれ
長く履いているスニーカーで音が出る場合、経年劣化も要注意です。
ミッドソールの発泡素材が潰れたり、接着剤が剥がれて内部に空間ができると、歩行時にその隙間で空気が抜ける音や摩擦音が発生します。
特に「ペコッ」「パコッ」という音は、ソールの内部やシャンク(靴の骨格を支えるパーツ)の剥がれが原因のことが多いです。
こうなると、自力での修理は難しく、靴修理専門店に相談するのが確実です。
原因⑤ 新品の硬さ・素材の馴染み不足
購入したばかりのスニーカーで音がする場合、まだ素材が硬いことが理由の一つです。
靴は履いていくうちに足の形に馴染み、インソールやアッパーの動きが安定しますが、最初のうちは部材同士が擦れやすく、音が出やすい状態にあります。
この場合は、数日間軽く履くだけで自然に音が消えることも多いです。
新品のスニーカー特有の「慣らし期間」と考えて、焦らず様子を見ましょう。
原因⑥ サイズ・フィット感・歩き方の影響
意外と見落とされがちなのが、履き方やサイズの問題です。
靴紐が緩い、サイズが少し大きい、歩くときにかかとが浮く――こうした状態では、足と靴の間にわずかな隙間ができて摩擦が生じ、音の原因になります。
特にニューバランスはフィット性を重視して設計されていますが、サイズ選びを誤ると逆にズレが起きやすくなります。
「音が鳴る」と感じたときは、靴紐をしっかり締め直し、足全体が靴と一体化するような感覚を意識してみてください。
ニューバランスで音が出やすいモデルの特徴
ニューバランスにはさまざまなシリーズがありますが、特に音が出やすい傾向があるのは以下のタイプです。
- ソールが厚く、屈曲性が高いモデル(例:ニューバランス 990・ニューバランス 2002R・ニューバランス 327など)
- グリップ力が強いアウトソールを採用しているモデル
- ミッドソールの素材に空気を多く含むクッション構造のタイプ
これらは快適な履き心地を生む一方で、「内部の動きが多い」「床との摩擦が強い」といった特徴もあり、音の発生条件が整いやすいのです。
自分でできる簡単な対処法
「音が気になるけど修理に出すのは大げさかも…」という方に向けて、自宅でできる対処法を紹介します。
ほとんどは安全で、すぐに試せるものばかりです。
1. インソールを外して乾燥させる
湿気が原因の場合、まずはこれだけでも改善することがあります。
取り外して新聞紙を詰め、風通しのよい場所で半日ほど陰干ししてみましょう。
2. ベビーパウダーやタルクを少量振る
インソールを外した状態で、中底の上にベビーパウダーを少しだけまぶすと摩擦が減り、音がしにくくなります。
やりすぎると滑りすぎてフィット感が落ちるので、ほんの薄くでOKです。
3. ソール裏を軽く削る
新品で滑り止めが効きすぎている場合は、靴底のゴムを軽く擦って表面をなじませると効果があります。
紙やすりで軽くこする程度で十分。削りすぎは厳禁です。
4. 履く前に湿気を取り除く
除湿剤のある靴箱で保管する、使用後にしっかり乾かすなど、日常的なケアも音防止につながります。
特に梅雨時期や雨の日の翌日は、必ず乾燥させましょう。
5. 紐を締めてフィット感を調整
靴紐をしっかり結び、足と靴の一体感を高めることで、内部のズレ音を防げます。
少しきつめに締めて歩いてみて、音が減ればフィットの問題だったと判断できます。
それでも改善しない場合のチェックポイント
簡単な対処で改善しないときは、次のポイントを確認してください。
- ソールとアッパーの境目に隙間や剥がれがないか
- ソールの中から空気が抜けるような音がしていないか
- インソールの裏が波打っていたり、浮いていないか
- ソールが極端に硬化・変形していないか
もし「ペコペコ」「ポコポコ」といった空気音が続く場合は、ソール内部の接着や素材が劣化している可能性が高く、修理か買い替えを検討しましょう。
専門店で再接着や補修が可能なこともあります。
ニューバランスを長く快適に履くためのケア習慣
スニーカーの音を防ぐには、日頃のケアも大切です。
簡単なポイントを習慣化するだけで、音の発生を防ぎ、靴自体も長持ちします。
- 使用後は必ず乾燥させる
- インソールを時々取り出して清潔に保つ
- 同じ靴を毎日履かず、数足をローテーションで使う
- 雨の日に履いたあとは、ソールまでしっかり拭いて乾かす
- 底の溝に石やゴミが詰まっていないか定期的に確認
このちょっとした手間が、快適さを大きく変えてくれます。
それでも気になる場合は修理か買い替えを
音が長期間続いたり、歩くたびに大きな異音がする場合は、内部の構造に問題が起きているサインかもしれません。
ニューバランスの公式サポートや販売店では、モデルによって修理対応を行ってくれることもあります。
また、修理専門店ならソールの再接着や中敷きの交換なども可能です。
ただし、長年履いてクッション材がへたっている場合は、思い切って買い替えた方が快適です。
特に毎日履いている方は、1年〜1年半を目安に見直してみましょう。
まとめ:原因を知れば、音は怖くない
ニューバランススニーカーで「歩くと音がする」とき、多くはちょっとした摩擦や湿気が原因です。
構造的な不具合でない限り、乾燥・パウダー・フィット調整など、簡単なケアで改善できます。
お気に入りのスニーカーを長く履くためにも、音が気になったら放置せず、まずは原因を一つずつ確認してみましょう。
ほんの少しの手入れで、また快適な一歩を踏み出せるはずです。


