革靴を選ぶとき、「見た目の高級感」と「履き心地」のどちらを優先するか迷う人は多いですよね。そんな中で両方をバランスよく叶えてくれると評判なのが、スペイン発のブランド「バーウィック（Berwick 1707）」です。
ここでは、実際の履き心地やサイズ感、素材の特徴から、長く快適に履くためのポイントまで詳しく掘り下げていきます。
スペイン発の実力派ブランド・バーウィックとは
バーウィックは「1707」という数字をブランド名に冠していますが、実際の創業は1991年。スペインのアマンザという町に自社工場を構え、企画から製造まで一貫して行う革靴メーカーです。
ブランド名の由来は、1707年に起きた「アルマンサの戦い」で活躍したバーウィック公爵（Duke of Berwick 1707）にちなむもの。伝統を感じさせる名前ですが、製靴技術としては現代的な精度とコストバランスを追求しています。
バーウィックの最大の特徴は、グッドイヤーウェルト製法を採用していること。
これは、アッパー（甲革）・インソール・アウトソールをしっかりと縫い合わせ、中底にコルクを詰めて仕上げる伝統的な製法です。頑丈で長く履ける上に、履くほどにコルクが沈み、自分の足型にフィットしていくという特性を持ちます。
一見クラシックなブランドですが、革の選定や設計は非常にモダン。フランスのアノネイ社などの上質なレザーを使いながら、価格帯を3〜4万円台に抑えている点が、人気の理由のひとつです。
バーウィックの履き心地は「堅牢さ」と「育つ快適さ」
履き心地の特徴を一言で言えば、「初めは硬いが、馴染むと心地よい」。
新品の状態ではしっかりとした革の張りを感じますが、履き続けるうちに中底のコルクが沈み、足裏に沿って形を変えていきます。これがグッドイヤーウェルト製法の醍醐味です。
実際に履いた人のレビューを見ると、最初の数回は「革が固い」「足の甲が当たる」といった声が多い一方で、慣れてくると「吸い付くようなフィット感」「足に馴染んでくる感じが楽しい」という意見が目立ちます。
また、バーウィックはモデルによって履き心地が異なるのもポイント。
例えば「4477ラスト」や「4406ラスト」はヨーロッパ向けの細身設計ですが、「261ラスト」や「262ラスト」は日本人の足型に合わせてやや幅広に設計されています。
足の形に合うラストを選べば、初期の硬さを感じにくく、快適に履き始めることができます。
快適性を支える素材と構造
バーウィックの履き心地を語る上で外せないのが、素材へのこだわり。
アッパーには、フランスやイタリアの名門タンナーでなめされた上質なカーフレザーを使用しています。革の質感がしっとりとして柔らかく、履き込むほどに艶と深みが増していくのが魅力です。
さらに、中底のコルク層がクッションの役割を果たし、長時間の歩行でも疲れにくい構造。
硬めの作りながらも、履くうちに体重や歩き方に合わせて沈み込み、自分専用のインソールのように形が変わっていきます。
また、アウトソールにはレザーだけでなく、ダイナイトソール（ラバーソール）を採用したモデルも多く、滑りにくく耐久性も高いのが特徴です。雨の日やコンクリートの上でも安心感があります。
バーウィックの履き心地が高評価な理由
バーウィックの靴は、見た目の高級感と履き心地の両立ができていると評価されています。その理由をいくつか挙げてみましょう。
- 履き心地の安定感：グッドイヤーウェルト製法によるしっかりした支え。
- コストパフォーマンスの高さ：他の英国製グッドイヤー靴よりも手が届きやすい価格。
- 素材の品質：フランス・イタリア産の高級レザー使用。
- モデルの豊富さ：ストレートチップからローファー、モンクストラップ、ブーツまで展開。
- メンテナンス性の高さ：オールソール交換が可能で、長く履き続けられる。
履き心地に加えて「育てる楽しみ」もあるのがバーウィックの魅力。新品時の硬さがある分、履き慣らす過程で足と靴が一体化していく感覚を味わえます。
注意点とデメリットも理解しておこう
どんな靴にも長所と短所があります。バーウィックも例外ではありません。
購入前に押さえておきたいポイントを紹介します。
- 履き始めは硬い：革が厚くしっかりしているため、慣らし期間は必須。
- サイズ選びが難しい：ラストによって幅や甲の高さが大きく違う。試着は必ず行うこと。
- レザーソールの滑りやすさ：雨の日には注意。ダイナイトソール仕様の方が実用的です。
- 日本人の足に合わない場合もある：甲高・幅広の人は、261や262ラストなどのゆとりある木型がおすすめ。
最初の硬さやフィット感の違いに戸惑うかもしれませんが、これを“革靴が育つ期間”と捉えれば、履き心地がどんどん変化していくのを楽しめます。
快適に履くための慣らし方とケアのコツ
バーウィックを履き始めるときは、いきなり長時間履かないのがポイントです。
最初は1時間程度からスタートし、徐々に履く時間を延ばしていきましょう。厚めの靴下を履いたり、靴擦れ対策のパッドを使うのも効果的です。
また、革靴は日々のケアも大切。履いたあとはブラッシングでほこりを落とし、乾燥が気になるときはデリケートクリームで保湿してあげましょう。
インソールやシューツリーを使うことで型崩れを防ぎ、履き心地を長く保てます。
バーウィックの高級感とデザイン性
履き心地だけでなく、バーウィックが支持される理由は“見た目の上質さ”にもあります。
ラストの造形が美しく、英国靴に通じる端正なフォルムが魅力。プレーントゥやストレートチップなどの王道デザインはもちろん、スエードローファーやサイドゴアブーツといったカジュアルモデルも人気です。
革の質感や艶がしっかり出ており、スーツスタイルにもカジュアルコーデにも馴染みます。
価格を考えると「このクオリティでこの値段？」と驚く人も多く、コストパフォーマンスの高さは圧倒的です。
どんな人にバーウィックはおすすめ？
- 初めて本格革靴を買う人
- 長く履ける靴を探している人
- コスパ重視で質を妥協したくない人
- 足に馴染む過程を楽しめる人
特に「英国靴は高いけど、見た目や品質は妥協したくない」という人にとって、バーウィックは最適解に近いブランドです。
オンオフ両用できるモデルも多く、ビジネスでも休日でも使いやすい点も魅力的です。
バーウィックの靴の履き心地を体感してみよう
バーウィックの靴は、最初の数日は少し硬く感じても、時間とともに足に馴染み、快適さが増していきます。
丁寧な製法と上質な素材によって、価格以上の高級感を感じられる一足。
「長く付き合える革靴を探している」「見た目と履き心地、どちらも妥協したくない」――そんな人には、まさにぴったりのブランドです。
履き心地を“育てる”楽しみを味わいながら、バーウィックの靴と一緒に歩んでみてはいかがでしょうか。
