スニーカー好きの間で長く愛されている「ニューバランスM1500」。1989年に登場して以来、英国製モデルとして職人の手で丁寧に仕立てられ、今もなお名品と呼ばれ続けています。
今回はそのニューバランスM1500を実際に履いて感じた履き心地、フィット感、そして英国製ならではの上質さについて、リアルな視点でお伝えします。
M1500はどんなスニーカー？英国製の魅力を知る
ニューバランスの1000番台シリーズの中でも、ニューバランスM1500は特別な存在です。
MADE in UKラインとしてイングランド・フリンビー工場で生産され、使用される素材や仕上げの精度は他モデルと一線を画しています。
アッパーにはスウェードやヌバックなどの上質な天然素材が贅沢に使われ、履いた瞬間から「これはただのスニーカーじゃない」と感じられるほど。
一方で、見た目はシンプルでスタイリッシュ。ジャケットスタイルやカジュアルな休日コーデにも自然に溶け込みます。
価格帯は3〜4万円前後と安くはありませんが、その分、造りの精密さや耐久性が際立っています。長く履ける靴としての信頼感が、ファッション感度の高い大人から支持される理由のひとつです。
英国製ニューバランスならではの上質な素材と造り
ニューバランスM1500の第一印象は「質感の高さ」。
スウェードの起毛や色合いの深み、パネルごとのステッチの正確さ、どれを取っても丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。
履き心地を語る上で素材は欠かせない要素ですが、このモデルは足を包み込むような感覚を自然に生み出してくれます。
また、英国製らしい堅牢さも魅力です。ソールやアッパーがしっかりしていて、履き込むほどに足に馴染み、年月とともに味わいを増していきます。
いわば「育てるスニーカー」。新品時のパリッとした印象から、少しずつ柔らかく、自分の足に合った形に変わっていく過程も楽しみのひとつです。
履き心地の核心：ENCAPソールがもたらす安定感
ニューバランスM1500の履き心地を支えるのが、ニューバランス独自の「ENCAP（エンキャップ）」構造のミッドソール。
硬めのポリウレタン素材で安定性を確保しつつ、内部のEVAフォームが適度なクッション性を発揮します。
実際に履いてみると、柔らかすぎず、かといって硬すぎない絶妙なバランス。
足を地面にしっかりと支えてくれる感覚があり、長時間歩いてもブレない安心感があります。
「ふかふかのスニーカーが好き」という人にはやや硬めに感じるかもしれませんが、歩き心地の安定感を求める人にはベストマッチです。
足裏に伝わる着地の安定感が、疲労を感じにくくしてくれるのがニューバランスM1500の強みです。
フィット感：足を包み込むようなホールド力
実際に足を入れてまず感じるのは、アッパーのフィット感。
Fantom Fit構造により、縫い目を最小限に抑えた軽量デザインで、足を柔らかく包み込むようにホールドしてくれます。
つま先にかけてやや傾斜がある形状のため、最初は少しタイトに感じるかもしれません。特に足幅が広めの人は、0.5サイズ上を選ぶと余裕が出て快適です。
逆に、細身の足の人にはジャストサイズで心地よくフィットし、靴の中で足が遊ぶことがありません。
また、履き口やヒールカウンターの当たりも優しく、くるぶし周りの擦れを感じにくい点も好印象。
履き込むうちに素材が柔らかくなり、自分の足型に自然に馴染んでいく過程も楽しめます。
実際の歩行感：しっかり支えるのに軽い履き味
ニューバランスM1500は見た目の重厚感とは裏腹に、実際に歩くと軽やかです。
ENCAPソールの構造により足取りが安定していて、地面をしっかり踏みしめながらもスムーズに前へ進める感覚があります。
長時間歩いた後も、足裏やふくらはぎに余計な疲れを感じにくいのが印象的。
通勤や立ち仕事、週末の街歩きなど「長く履くシーン」にこそ真価を発揮します。
実際に立ち仕事をしている知人も、「これに変えてから足が疲れにくくなった」と話していました。
その理由は、クッション性に頼りすぎず、構造的に体重を分散させる設計にあると感じます。
サイズ選びのコツと日本人の足型に合うか？
ニューバランスM1500は基本的にDウィズ（標準幅）で設計されています。
日本人によくある「甲高・幅広」タイプの足型だと、少し窮屈に感じるケースもあります。
購入時は、普段のサイズよりも0.5cm上げて試着するのがおすすめ。
特に厚めのソックスを履く人や、長時間着用を前提とする場合は、ゆとりを持ったサイズのほうが快適です。
逆に、細身の足の人であれば通常サイズで問題ありません。
「ホールド感を重視したい」「スニーカーでもしっかりした履き心地を求めたい」人には、ぴったりのフィット感になるはずです。
長く履くほど馴染む、育つスニーカー
英国製のニューバランスM1500は、時間とともに表情を変えていくのも魅力です。
スウェードの色合いが深まり、履きジワが味わいを増していく。そうした“経年変化”が楽しめるのは、本格的な素材と製法ならでは。
中敷（インソール）を交換することで、さらに快適に履き続けられるという声もあります。
実際に、長年履いて中敷がヘタってきたタイミングで新しいものに替えると、クッション性が復活し、また新しい靴のような履き心地を取り戻せます。
手入れをしながら長く付き合える一足。それがニューバランスM1500の真骨頂です。
コーディネートにも馴染む万能デザイン
ニューバランスM1500は履き心地だけでなく、ファッション性も高いスニーカーです。
クラシックなシルエットに落ち着いたカラーリングが多く、大人のカジュアルスタイルにぴったり。
ジャケットやチノパン、デニムなど、どんなスタイルにも自然に溶け込みます。
“きちんと見えるスニーカー”として、ビジネスカジュアルにも違和感なく使える点も人気の理由。
シンプルながらも存在感があり、他のスニーカーにはない上品さを足元から演出してくれます。
ニューバランスM1500の履き心地を選ぶ価値
ニューバランスM1500は、柔らかく包み込むようなフィット感、ENCAPソールによる安定感、そして英国製ならではの上質な素材感が融合した一足です。
ふかふかのスニーカーとは違い、「しっかりと支えてくれる」「長く履ける」「足に馴染む」という方向の快適さを求める人に向いています。
足幅が広い人はサイズ選びに注意が必要ですが、自分の足に合えば、他のスニーカーでは得られない“安心して歩ける履き心地”を実感できるでしょう。
見た目の美しさと履き心地の両立。その完成度の高さこそが、30年以上愛され続けている理由です。
英国製の上質なスニーカーを探しているなら、ニューバランスM1500は間違いなく一度試す価値があります。
履き心地と品質のバランスを極めた、まさに“大人のニューバランス”です。
