ニューバランスのスニーカーを履いたことがある人なら、「ABZORB（アブゾーブ）」という言葉を一度は耳にしたことがあるかもしれません。
これはニューバランスを代表するクッション技術のひとつで、履き心地を語るうえで欠かせない存在です。では、このABZORBとは実際どんな素材で、どれほど快適な履き心地をもたらすのか。この記事では、衝撃吸収性や反発性の仕組みから、実際の履き心地、向いているシーンまで徹底的に掘り下げます。
ABZORBとは？ニューバランスのクッション技術の核心
ABZORB（アブゾーブ）は、ニューバランスが独自に開発した衝撃吸収と反発弾性を両立させたクッション素材です。
着地時に足へかかる衝撃を効率よく吸収し、その一部を反発エネルギーとして蹴り出し動作へ返す設計になっています。柔らかすぎず、沈み込みすぎず、安定感のある履き心地を追求しているのが特徴です。
公式サイトでは「衝撃吸収性に加え、反発弾性も備えたクッショニング素材」と説明されています。つまり、単なる“柔らかいソール”ではなく、「衝撃を和らげながら推進力を生み出す」バランス型のテクノロジーなのです。
ABZORBがもたらす履き心地の特徴
1. 着地衝撃を吸収し、足への負担を軽減
ABZORBの最大の特徴は、ヒールや前足部にかかる着地衝撃をしっかり吸収してくれる点です。
歩行やランニングでは、体重の数倍の負荷がかかるといわれていますが、ABZORBはそのエネルギーを分散させ、足・膝・腰へのダメージを最小限に抑えます。
特に長時間歩く日や立ち仕事など、足裏に負担が集中するシーンで真価を発揮します。
2. 適度な反発性で自然な歩行リズム
クッション性が高いだけでなく、程よい反発性を持つのもABZORBの魅力です。
柔らかすぎると沈み込んで疲れやすくなりますが、ABZORBは着地の衝撃を吸収したあと、自然に前方へのエネルギーを返すように設計されています。
そのため「歩くたびに自然と足が前に出る」「着地から蹴り出しまでがスムーズ」と感じるユーザーが多くいます。
3. 安定感のある履き心地
ABZORBはふわふわとした柔らかいクッションではなく、ややしっかりした踏み心地が特徴です。
足が地面に接地したときにブレが少なく、足首や膝の動きが安定しやすい設計になっています。
そのため、通勤・通学、買い物など日常的に歩くシーンでも疲れにくく、足元に安心感を感じる人が多いのです。
ABZORBの派生バージョンと進化
ABZORBには、モデルや用途に合わせた派生バージョンも存在します。代表的なものを紹介します。
- ABZORB FL：ミッドソール全体にABZORB素材を使用し、よりマイルドで均一なクッション性を実現。足裏全体を包み込むような柔らかさが特徴です。
- ABZORB SBS：かかと部分に搭載される高反発クッションポッド。衝撃吸収と反発弾性をさらに強化し、踵からの着地をよりスムーズにします。
- ABZORB 2000：最新世代のフルレングスABZORBとSBSポッドを組み合わせ、安定性とクッション性の両立を図ったアップデート版です。
こうした派生技術が組み合わさることで、モデルごとに微妙に異なる履き心地が生まれています。
クラシックモデルでは「しっかり感」、最新モデルでは「包み込むような柔らかさ」と、時代ごとに進化している点も注目です。
ABZORB搭載モデルの履き心地レビュー
■ 長時間でも快適に歩ける
多くのユーザーが口を揃えて挙げるのが「長く歩いても疲れにくい」という点。
BEAMSのスタッフブログでも「ふかふかとした弾力のある履き心地で、見た目の重厚感とは裏腹に軽やか」と紹介されています。
ヒールに搭載されたABZORBが着地の衝撃を和らげ、足の負担を軽減しているのがその理由です。
■ 柔らかさと安定性のバランスが絶妙
一方で、「柔らかすぎず、しっかり支えてくれる」という評価も目立ちます。
特に他の柔らかめ素材（Fresh Foamなど）と比較すると、ABZORBはやや硬めの印象。
しかしその分、足首のブレが少なく、膝や腰への衝撃を吸収しながらも安定した歩行が可能です。
■ ランニングよりも日常使い向き
ランニングシューズとして使えなくはありませんが、どちらかといえば「通勤・ウォーキング・長時間の外出」などの用途に適しています。
跳ねるような弾みよりも、自然な体重移動と安定したクッションを求める人にフィットする履き心地です。
ABZORB搭載スニーカーのおすすめシーン
- 通勤・通学：毎日履く靴として最適。歩き続けても足が疲れにくい。
- 立ち仕事：クッションがしっかりしているため、立ちっぱなしでも足裏への負担を軽減。
- 旅行・観光：長時間歩いても快適さを維持。軽快で安定した歩行が続きます。
- ウォーキング：反発と安定性のバランスが良く、自然な歩行リズムをサポート。
特に「柔らかすぎる靴だと不安定に感じる」「長時間履いても疲れにくい靴がいい」という人には、ABZORB搭載モデルがぴったりです。
代表的なABZORB搭載モデル例
- New Balance 530：クラシックな見た目とABZORBソールの快適性が融合。日常履きとして人気。
- U2010 / U2000：フルレングスABZORBとSBSポッドで安定性と衝撃吸収性を強化。長時間の移動にも最適。
- M1700 / M998：ABZORBをミッドソール全体に搭載した初期モデル。しっかりとした踏み心地と柔軟性を両立。
どのモデルも「履いて初めて違いがわかる」と言われるほど、ニューバランスらしい快適さを感じられます。
ABZORBの履き心地を最大限に引き出すポイント
- 正しいサイズ選びをする
モデルによっては幅が狭めに作られていることもあるため、ワイズ（足幅）を確認し、試着してから購入するのがおすすめです。 - 履き慣らし期間を設ける
新品時はやや硬く感じる場合もありますが、数回の着用でクッションが足に馴染み、柔らかさが増します。 - 使用目的に合わせて選ぶ
長時間歩くならフルレングスABZORB搭載モデル、軽い運動なら反発性重視のSBS入りモデルを選ぶと良いでしょう。 - インソールとの相性も確認する
厚手インソールや高反発タイプを組み合わせると、クッション性が強くなりすぎる場合もあります。純正インソールでのバランスをまず確認しましょう。
ABZORBと他素材の違い
ニューバランスには他にも「Fresh Foam」や「FuelCell」といったクッション素材があります。
それぞれの特徴を簡単に比較すると次の通りです。
- Fresh Foam：非常に柔らかく、沈み込むようなクッション感。軽量でランニング向き。
- FuelCell：弾むような反発力があり、スピードラン向け。
- ABZORB：やや硬めで安定感があり、日常使い・ウォーキング・立ち仕事に最適。
このようにABZORBは、柔らかさよりも“疲れにくさ”“安定感”“長時間の快適性”を重視する人に選ばれています。
ニューバランスABZORBの履き心地まとめ
ABZORBは、ニューバランスが誇る定番のクッション技術であり、衝撃吸収性と安定性を両立した万能素材です。
ふかふかすぎず、硬すぎず、長時間履いても快適に過ごせる絶妙なバランスが魅力。
特に立ち仕事や通勤・ウォーキングなど、日常生活での“疲れにくさ”を求める人にとって理想的な一足となるでしょう。
ABZORBの履き心地は、数字やスペック以上に“体感してわかる快適さ”です。
ニューバランスのラインナップの中でも、履くたびに足に優しく馴染み、日々の暮らしを支えてくれる存在。
ぜひ次にスニーカーを選ぶときは、「ニューバランス ABZORB 履き 心地」をキーワードに、自分に合ったモデルを探してみてください。
