ジョーダンシリーズの中でも、クラシックな人気を誇る「エア ジョーダン3」。1988年に登場して以来、ファッションとバスケットカルチャーの象徴として愛され続けてきたモデルです。
今回は、この「ジョーダン3 “Pure Money 2025”」を実際に履いて感じた履き心地や快適性を、レビューと共に詳しく解説します。
ジョーダン3 “Pure Money 2025”とは？エア搭載スニーカーの原点
ジョーダン3 “Pure Money 2025”は、ティンカー・ハットフィールドがデザインを手掛けた初のジョーダンモデル。シリーズで初めて「ビジブルエア（可視エア）」を搭載した記念碑的な一足です。
ヒールの透明なウィンドウ越しに見えるエアユニットは、当時としては革新的でした。
ミッドソールはポリウレタン（PU）素材で、ヒールとフォアフットの両方にエアソールを内蔵。履き心地の要となる部分で、ジョーダンらしい「しっかりした支えと柔らかさ」を両立しています。
ただし、現代の軽量フォームソールに比べるとやや密度が高く、重量感があるのも事実です。
履き心地の第一印象：安定感とクラシックな硬さ
履いた瞬間に感じるのは「足首まわりの包み込み感」。
厚めのパッドが足首を柔らかくホールドし、歩くたびに“守られている”ような安心感があります。カジュアルに履く場合でも、アクティブな動きでも安定性が高い印象です。
一方で、ソールのクッション性は現代的なスニーカーほど柔らかくありません。
初日はやや硬く感じることが多く、履き始めて数時間は「昔ながらのバスケットシューズ」のような密度の高さを感じます。
ただ、履き慣れるとエアユニットが足の動きに馴染み、沈み込みが自然になっていきます。
サイズ感とフィット：幅広の人も履けるのか？
ジョーダン3 “Pure Money 2025”は基本的に「標準的なサイズ感」で設計されています。
ナイキ特有の細めフィットを想像してハーフサイズアップを検討する人もいますが、多くの場合は通常サイズ（TTS）で問題ありません。
トゥボックス（つま先）は比較的ゆとりがあり、幅広の足型でも窮屈さを感じにくい構造です。
ただ、足の甲が高い人や、厚めのソックスを合わせたい場合は、ハーフサイズアップを選ぶと快適です。
履き口は柔らかく、アンクル部分のパッドも豊富。足首のホールド感が高いため、締め付けではなく“包み込む”ような感触です。
クッション性と歩き心地：一日履いたリアルな体感
「エアジョーダン＝ふかふか」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、エア ジョーダン3は“程よい反発感”という表現が近いです。
ヒールに内蔵されたエアユニットが着地時の衝撃を吸収し、跳ね返すようなバウンド感を生みます。
ただし、ミッドソールの素材がPU（ポリウレタン）であるため、最新のReactやZoomXのような柔らかさは期待できません。
長時間の街歩きでは、少し足裏の疲れを感じることがあります。特に慣れないうちは、インソールを少し厚めのものに交換すると、より快適に過ごせます。
とはいえ、履き慣れるにつれて足の動きに馴染み、エアの弾力が感じやすくなります。
「最初は硬いけど、慣れるとちょうどいい」という声が多いのも、このモデルならではです。
アッパー素材の質感と通気性
ジョーダン3 “Pure Money 2025”の魅力のひとつが、上質なレザーアッパー。
高級感のある質感はもちろん、履くほどにシワが入り、独特の味わいが増していきます。
ただし、通気性に関してはあまり得意ではありません。
パンチングホール（通気穴）は飾り程度で、内部の熱が抜けにくい構造です。夏場や湿度の高い日は、やや蒸れを感じることがあります。
一方、ライニング（内張り）は柔らかく、足あたりはとてもスムーズ。
履き口周辺のクッションが厚いため、足首を優しく支えながらもストレスを感じにくいのが特徴です。
改良版モデルとの違い：最新ジョーダン3 “Pure Money 2025”はより柔らかい？
近年の復刻版や新色（例：ジョーダン3 “Pure Money 2025”など）は、ミッドソール素材がやや改良されています。
レビューでは「旧モデルよりも柔らかく、長時間履いても疲れにくい」という声も増えています。
素材そのものの密度が微妙に変わり、足裏の反発がマイルドになったことで、クラシックなデザインを保ちながらも快適性がアップ。
そのため「昔のジョーダン3 “Pure Money 2025”は硬かった」という印象を持つ人でも、最新モデルを試すと意外に履きやすいと感じるはずです。
長時間履いてわかる疲労感と経年変化
ジョーダン3 “Pure Money 2025”を半日〜1日履いてみると、足裏や小指のあたりに少し疲労を感じることがあります。
特にコンクリートの上を歩き続けるような日には、ソールの反発よりも「硬さ」が先に来る印象です。
これはポリウレタンミッドソールの特性によるもので、経年とともに素材が硬化していく点も無視できません。
長年履き込むと、ミッドソールが黄ばみやすくなり、柔軟性もやや落ちます。定期的にメンテナンスを行い、保管環境を整えることで劣化を抑えられます。
一方で、レザーアッパーは履き込むほど足に馴染み、当初の硬さが柔らかく変化していきます。
「ソールは硬くなるけど、アッパーは柔らかくなる」――そんな経年のバランスも、ジョーダン3 “Pure Money 2025”の面白さのひとつです。
他モデルとの比較：最新スニーカーとの違い
ジョーダン3 “Pure Money 2025”の履き心地を理解するには、他のスニーカーと比べるのが早いでしょう。
たとえば「ジョーダン1」よりはクッション性が高く、足裏の負担も軽め。
しかし「ジョーダン11」や「ジョーダン36」といった現代的なモデルと比べると、軽さや反発力では明らかに差があります。
つまり、ジョーダン3 “Pure Money 2025”は“最新機能を求めるスニーカー”ではなく、“程よいクッションとデザインを楽しむ一足”です。
その重みやレトロな質感こそが、履く人にとっての魅力になっています。
履き心地の総評：ジョーダン3 “Pure Money 2025”は快適さよりも“味わい”
結論から言えば、ジョーダン3 “Pure Money 2025”の履き心地は「クラシックで安定感があり、時間とともに愛着が深まるタイプ」です。
柔らかさや軽さを求めるなら他モデルが向いていますが、安定した支えと確かな存在感を求めるなら、このモデルは間違いありません。
初めは硬く感じても、数回履けば足に馴染み、重さも気にならなくなります。
街履きにも、少しの運動にも対応できる万能型。エアユニット特有の弾力と、厚めのパッドがもたらす安心感が絶妙です。
ジョーダン3 “Pure Money 2025” 履き心地まとめ
- ミッドソールはPU＋エアユニットで程よい弾力
- クッションはやや硬めだが、安定感抜群
- サイズはTTS（通常サイズ）でOK、足幅広めでも履きやすい
- 通気性は低め、夏場はやや蒸れやすい
- 履き込むほどにアッパーが馴染み、味わいが増す
履き心地を一言で表すなら、「履くほどに愛着が深まるスニーカー」。
ジョーダン3 “Pure Money 2025”は、快適さを追求するよりも“歴史と存在感を楽しむ”一足です。
エア搭載スニーカーの原点にして、今もなおファンを魅了し続ける理由は、まさにその独特の履き心地にあります。
