スニーカーファンの間で永遠の定番といえば、「エアフォース1」と「ダンク」。どちらもナイキを代表する名作ですが、履き心地には意外なほど違いがあります。
この記事では、実際のレビューや構造的な特徴をもとに、両モデルの快適さを徹底比較します。
エアフォース1の履き心地:重厚感と安定性が魅力
エアフォース1は1982年に誕生したバスケットシューズ。ナイキ初の「エア」搭載モデルとして知られています。
ミッドソールには“Air-Soleユニット”が内蔵され、衝撃吸収性と反発性を兼ね備えています。
実際のユーザーレビューでも「安定感が抜群」「立ち仕事でも疲れにくい」と高評価。特に立ち姿勢での快適さに定評があります。
一方で、靴自体の重量は約465g(US9)とかなり重め。ソールも厚く剛性が高いため、履き始めは「硬い」「慣れるまで時間がかかる」という声も目立ちます。
通気性についてはレザーアッパーのため中程度。長時間の着用ではやや蒸れを感じることがありますが、構造的な耐久性や安定感は群を抜いています。
履き心地をまとめると「柔らかいクッション+しっかりした足元の安定感」が特徴です。
ダンクの履き心地:軽快でカジュアルなフィット感
一方のダンクは、同じくバスケットシューズを起源に持つモデルですが、より軽量で街歩きに適した構造。
ミッドソールにはEVAフォームが使われ、エアユニットは非搭載です。そのため「軽快」「スリムで動きやすい」といった印象を持つ人が多い一方、「長時間歩くとクッションが物足りない」という意見も見られます。
実測では約420g(US9)とエアフォース1より40gほど軽く、ソールの硬さも平均的。
足首周りや甲部分にゆとりがあり、開放的な履き心地を好む人にはぴったりです。
一方で、足裏の沈み込みや反発は控えめで、長時間歩行よりも短時間の街歩きやファッション用途に向いています。
クッション性の違い:柔らかさ重視か、安定感重視か
両モデルの最大の違いはクッション構造です。
エアフォース1はナイキエアユニットによって着地衝撃を吸収し、足全体にかかる負担を軽減。一方、ダンクはEVAフォームによるシンプルなクッション設計で、足裏の感触がややダイレクトです。
柔らかさの指標であるデュロメータ値を見ると、エアフォース1が20.9HAと非常に柔らかめ。ダンクは32.0HAでやや硬め。
つまり、クッションの“沈み込み感”を重視するならエアフォース1の方が優位です。
ただし柔らかさ=歩きやすさではありません。
エアフォース1はソールが厚く、構造的に重い分「安定感」が強調され、地面をしっかり踏みしめるような感覚。
対してダンクは軽量で柔軟なため、動きの多い日常シーンでの取り回しやすさが光ります。
フィット感・サイズ感の違い
サイズ感に関しては、どちらも「普段通りのサイズ(True to size)」で問題ないとされています。
ただしワイズ幅に違いがあります。
エアフォース1の幅は約91mmと標準的。足幅が広い人はややタイトに感じることがあります。
ダンクは約94mmとやや広めで、甲高や幅広の人にも馴染みやすい設計。足首周りにもゆとりがあり、全体的にリラックスしたフィットです。
そのため、「包み込まれるようなホールド感が欲しい人」はエアフォース1、「開放的で軽快な履き心地を求める人」はダンクが合う傾向にあります。
通気性・快適性の違い
両モデルともレザーアッパーを採用しているため、通気性は“普通”レベルです。
エアフォース1はパンチング加工が施されており、一定の通気は確保されていますが、夏場や湿度の高い環境では蒸れを感じることもあります。
ダンクも似た傾向で、上質なレザー素材を使っているため通気性は控えめ。ただ、軽量な構造の分、足への熱のこもり方はやや少なめです。
長時間歩く場合は、通気性の高い靴下やインソールを併用することで快適さを保てます。
重さ・剛性・歩行感の比較
エアフォース1は剛性が高く、曲げるために平均の1.6倍ほどの力が必要とされています。
その分「どっしりした安定感」が得られますが、反面「重い」「ソールが硬い」と感じる人も少なくありません。
ダンクは柔軟性が平均的で、足の動きに自然に追従。軽さと動かしやすさを重視する人には快適に感じられるでしょう。
ただ、長時間歩くとEVAソールのクッション性が薄く感じられ、足裏が疲れやすい傾向も見られます。
実際のレビューに見るリアルな体感
SNSやレビューサイトでは、次のような声が多く見られます。
- 「エアフォース1は立ち仕事でも快適。重いけど安定感がある」
- 「最初は硬いが、履き慣れるとしっくりくる」
- 「ダンクは軽くて街歩きに最適。だけど長時間歩くと疲れる」
- 「エアユニットのふかふか感はやっぱりエアフォース1が上」
これらの意見を総合すると、エアフォース1は“安定志向”、ダンクは“軽快志向”。
どちらも完成度は高いものの、快適さの方向性が異なります。
用途別のおすすめ選び方
長時間の外出や立ち仕事が多い人には、衝撃吸収力の高いエアフォース1が向いています。
一方、休日の街歩きやカジュアルなシーンでは、軽くて履きやすいダンクが快適です。
また、足幅や甲の高さによっても選び方は変わります。
幅広・甲高タイプの人はダンクのゆとり設計がフィットしやすく、細身の足の人はエアフォース1の包み込むような構造が安心感をもたらします。
履き心地をさらに良くするコツ
どちらのモデルも新品時は革が硬めで、履き始めに違和感を覚えることがあります。
最初は短時間ずつ履いて馴染ませることがポイントです。
また、カスタムインソールを使うことでクッション性を高めることも可能。
特に長時間歩く人や足裏に負担を感じやすい人には、ソフトタイプのインソールを追加するのがおすすめです。
エアフォース1とダンクの履き心地を比較して分かったこと
最終的にまとめると以下の通りです。
- クッション性:エアフォース1が柔らかく、衝撃吸収に優れる
- 軽さ・動きやすさ:ダンクの方が軽く、柔軟性がある
- 安定感:エアフォース1は重心が低くブレにくい
- 通気性:どちらも中程度。夏場は蒸れやすい
- 長時間使用:エアフォース1は重さに注意、ダンクはクッションに注意
同じナイキの定番でも、履き心地の方向性は大きく異なります。
柔らかいクッションと安定感を求めるならエアフォース1、軽さと動きやすさを優先するならダンク。
自分のライフスタイルや足型に合わせて選ぶことで、どちらのモデルもより快適に楽しむことができます。
エアフォース1とダンクの履き心地を比べると、それぞれの個性が際立ちます。
どちらが優れているかではなく、「どんなシーンで履くか」「自分に合うのはどちらか」を考えることが、スニーカー選びの正解です。


