スニーカー選びで「履き心地」を重視する人にとって、NB（ニューバランス）は外せない存在です。どのモデルにも共通して感じる“包み込まれるようなフィット感”や“長時間歩いても疲れにくい快適性”は、多くの愛用者が口を揃えて評価する理由でもあります。今回は、NBの履き心地がなぜここまで支持されているのか、そして人気モデルごとの違いや特徴を詳しく掘り下げていきます。
NBの履き心地が高く評価される理由
NBが「履き心地のブランド」として確立した背景には、創業当初からの理念と独自技術の積み重ねがあります。1906年、アメリカ・ボストンで矯正靴メーカーとして誕生したNBは、足の構造や動きを科学的に研究し、“より自然な歩行”をサポートする靴作りを続けてきました。
最大の特徴は「木型（ラスト）」設計です。NBは足の形に合わせて複数のラストを用意しており、幅広から細身まで多様な足型に対応します。さらに、ワイズ（足幅）も2Eや4Eなど細かく展開され、日本人特有の足形にもフィットしやすいのが魅力です。
また、ミッドソールの構造もNBの履き心地を語るうえで欠かせません。代表的なテクノロジーには以下のようなものがあります。
- ENCAP（エンキャップ）：クッション性と安定性を両立する構造。EVA素材をポリウレタンで包み込み、長時間歩行でもヘタりにくい。
- C-CAP（シーキャップ）：圧縮成型EVAを使用し、軽さと弾力性を高めたミッドソール。
- ABZORB（アブゾーブ）：衝撃吸収性と反発性を兼ね備えた素材。着地時の衝撃を和らげながら、次の一歩をスムーズに導く。
こうした技術の積み重ねによって、NBは単なる「クッションが柔らかい靴」ではなく、「歩行全体が自然に感じられる靴」として評価を得ています。
NBが「疲れにくい」と言われる理由
NBの履き心地を語るとき、最も多く挙がるのが“疲れにくさ”です。これは、クッション素材や構造だけでなく、足全体の動きを考慮したバランス設計によるものです。
NBのスニーカーは、かかと部分のホールド感が強めに設計されています。着地時のぐらつきを抑え、足裏全体で体重を受け止める構造になっているため、足や膝、腰への負担を軽減します。さらに、軽量性にも配慮されており、クッションが厚くても“重い”と感じにくいのが特徴です。
また、NBは「履いた瞬間から馴染む」スニーカーとしても知られています。スエードやメッシュなど柔軟性のある素材を使用することで、足を包み込むような感覚を実現。街歩きや旅行、立ち仕事でも快適さが続くと評判です。
定番人気モデル別に見る履き心地の違い
同じNBでも、モデルによって履き心地の方向性は微妙に異なります。ここでは、特に人気の高い代表モデルを取り上げ、それぞれの特徴を比較してみましょう。
NB 574 ― バランスの取れた万能モデル
NB 574の定番中の定番といえば「574」。日常使いにぴったりなベーシックモデルです。ENCAPミッドソールを採用し、クッション性と安定感のバランスが非常に優れています。アッパーにはスエードとメッシュ素材を組み合わせ、柔らかく通気性も抜群。
履き始めから違和感が少なく、「包み込まれるような感覚」「足裏が守られている安心感」を感じる人が多いモデルです。デザインもカジュアルに合わせやすく、初めてNBを選ぶ人にもおすすめの一足です。
NB 996 ― 履き心地とデザインの両立
NB 996はNBの中でも特に人気の高い定番モデル。1988年に登場して以来、長く愛され続けています。
ミッドソールにはC-CAPとENCAPの両方を採用。軽量でありながら安定感のあるクッション性を実現しています。
履いた瞬間に感じる「足に吸い付くようなフィット感」は、細めの木型（SL-1）によるもの。スリムなフォルムでスタイリッシュに見える一方、ホールド感が強く、足がぶれにくい設計です。
ただし、幅広の人にはややタイトに感じることもあるため、0.5〜1cm大きめを選ぶとより快適に履けます。
NB 993 ― 究極のクッション性を誇る上位モデル
NB 993は“スニーカー界のロールスロイス”と呼ばれるほど履き心地が上質なモデル。
ABZORB DTSというクッションシステムを搭載し、着地時の衝撃を吸収しながら反発力で次の一歩をサポートしてくれます。
USA製らしいしっかりとした造りで、スエードとメッシュの組み合わせが高級感を演出。ソールも厚めで、長時間立っていても疲れにくい設計です。
実際のユーザーからは「歩くだけで気持ちいい」「他のスニーカーには戻れない」といった声も多く、NBの履き心地を象徴するモデルと言えるでしょう。
NB 2002R ― トレンドと快適性を両立した現代モデル
近年注目を集めているのがNB 2002R。復刻デザインでありながら、現代的な履き心地を追求したモデルです。
ABZORBとN-ergyと呼ばれる衝撃吸収システムを組み合わせ、足への負担を最小限に抑えながら弾むような歩行感を実現しています。
ボリュームのあるフォルムでファッション性も高く、ストリートからカジュアルまで幅広く対応。
「厚底なのに軽い」「10km歩いても疲れなかった」というレビューも多く、デザインと実用性の両方を求める層から高い支持を集めています。
モデル選びで迷ったときのポイント
NBの履き心地は全モデルに共通して高評価ですが、用途や足型によって最適なモデルは変わります。選ぶときは以下のポイントを意識すると失敗しにくいです。
- 用途を明確にする
街歩き中心ならNB 574やNB 996、長時間移動や旅行にはNB 993やNB 2002Rのようなクッション重視モデルが適しています。 - 足幅・サイズ感を確認する
NBはワイズ展開が豊富ですが、細め木型のモデルもあるため、サイズチャートを確認して自分の足に合うものを選びましょう。 - 製造国や仕様の違いに注目
同じNB 996でもUSA製とアジア製でソールの厚みや素材が異なる場合があります。履き比べると違いが分かることも。 - 素材とデザインのバランス
スエード素材は柔らかく足に馴染みますが、メンテナンスが必要。ナイロンやレザーは耐久性が高く、シーンを選びません。
NBの魅力は、「どのモデルにも自分にぴったりの履き心地が見つかること」。実際に履き比べて、自分の足が心地よく感じる一足を選ぶのが理想です。
NBの履き心地を長く保つためのコツ
どんなに履き心地の良いスニーカーでも、メンテナンスを怠ると性能が落ちてしまいます。NBを快適に履き続けるために、次のポイントを押さえておきましょう。
- 履いた後は風通しの良い場所で乾燥させる
汗や湿気を放置すると、クッション素材が劣化する原因になります。 - 中敷きを定期的に交換する
使用頻度にもよりますが、半年〜1年を目安に交換することでフィット感を維持できます。 - 防水スプレーを活用する
スエード素材のモデルは雨や汚れに弱いため、出かける前に軽くスプレーしておくと安心です。 - ローテーション履きをする
同じ靴を毎日履くとソールのクッションが早くへたるため、2〜3足を交互に使うのがおすすめです。
日々のちょっとしたケアを習慣化すれば、NBの履き心地を長く楽しむことができます。
NBの履き心地の魅力を再確認
NBの履き心地が高く評価される理由は、単なるブランドイメージではなく、長年の技術研究と設計思想に基づいた確かな機能性にあります。
足の形や歩行の癖を研究し、衝撃吸収・安定性・フィット感を高いレベルで融合させた結果、「一度履くと他に戻れない」と言われるほどの快適さを実現しているのです。
NB 574のバランスの良さ、NB 996の万能性、NB 993の高級感、NB 2002Rのモダンな履き心地――。どのモデルも個性がありながら、共通して“歩くことが楽しくなる”という体験を提供してくれます。
NBのスニーカーを選ぶときは、ぜひ自分の足やライフスタイルに合わせて、最も心地よい一足を見つけてみてください。きっとその瞬間、「NBの履き心地はやっぱり違う」と実感できるはずです。
