スニーカーの世界で「履き心地がいい」と評判のモデルはいくつもありますが、その中でも長年トップクラスの評価を受けているのが、ニューバランスM990シリーズです。
1982年の誕生以来、世代を超えて愛されてきたこのモデルは、見た目のクラシックさと最新テクノロジーを融合させた“完成形スニーカー”。では、実際の履き心地はどこがそんなに優れているのか。長年愛用される理由を、実際のレビューや構造から掘り下げていきます。
M990とは?ニューバランスを象徴する名作の背景
ニューバランスM990は「1000点満点中990点の完成度」というキャッチコピーで登場した、ニューバランスを代表するモデルです。
もともと矯正靴の製造からスタートしたブランドらしく、履き心地の追求を徹底してきた歴史があります。初代990が発表された当時は、高価格スニーカーの先駆けでしたが、その分“足に優しい履き心地”が話題となり、アスリートから日常使いのユーザーまで幅広く支持されてきました。
以降、v2、v3、v4、ニューバランスM990v5、ニューバランスM990v6と改良を重ね、現在は6代目のM990v6が登場。進化を続けながらも「長時間履いても疲れにくい」というコンセプトは変わらず、スニーカー好きなら一度は通る“定番中の定番”となっています。
M990の履き心地を支える3つの要素
履き心地の良さを語るには、構造の理解が欠かせません。M990は、アッパー・ミッドソール・アウトソールの3要素が高次元でバランスしており、それぞれが快適性を支えています。
1. アッパー:包み込むようなフィット感と通気性
M990のアッパーは、上質なスエードとメッシュを組み合わせた構造。
スエードが生むしなやかさと高級感、メッシュがもたらす通気性が見事に調和しています。
履いた瞬間に感じるのは、足全体をやさしく包み込むフィット感。ワイズ(幅)展開も豊富なので、幅広や甲高の足でも無理なく馴染みます。
「しっかりホールドされるのに、窮屈じゃない」「1日履いても足が痛くならない」といった声が多く、長時間履く人ほどその良さを実感できる作りです。
2. ミッドソール:反発と安定を両立したクッション構造
M990の履き心地を決定づけるのが、ソールに採用されたテクノロジー。
旧モデルでは「ENCAP」や「ABZORB」といった定番の衝撃吸収素材を使用していましたが、最新のニューバランスM990v6では「FuelCellフォーム」を採用。これはランニングシューズにも使われる素材で、反発力と軽量性が特徴です。
歩くたびに“前に進む感覚”が得られる反発性と、足裏全体に感じる柔らかいクッション性。これが「歩いていて疲れない」「自然に足が出る」と評される理由のひとつです。
3. アウトソール:グリップと安定感のバランス
アウトソールは耐久性の高いラバー素材を使用。ヒール部分にはTPUストラップが組み込まれ、足のブレを防ぎながら安定性を高めています。
舗装路から室内フロアまで、あらゆる地面でしっかりとしたグリップを発揮。重心がブレにくく、長時間の立ち仕事や移動でも足が疲れにくい構造です。
サイズ・フィット感へのこだわりが“快適”を生む
ニューバランスが支持される最大の理由のひとつは、「サイズとワイズの選びやすさ」です。
日本国内の多くのスニーカーが1ワイズ展開なのに対し、M990はD・2E・4Eなど幅広いワイズが用意されています。
そのため、幅広の足や甲高の人でも自分にぴったりのサイズを選びやすく、履いた瞬間からフィット感が違います。
一般的には「いつものサイズより0.5cm大きめ」が推奨されることが多く、初めて購入する場合は試着がおすすめです。
フィット感が合えば、足と一体になるような安定した履き心地を体感できるでしょう。
歴代モデルで変化した履き心地の特徴
M990シリーズは世代ごとに改良が施されており、履き心地にも微妙な違いがあります。
- v3・v4:しっとりしたクッションと重厚な安定感。
- v5:高級感のある柔らかさとサポート性のバランスが優秀。
- v6:ニューバランスM990v6採用で軽量化と反発力アップ。より軽快でスポーティな履き心地。
たとえばv5が“高級セダンの後部座席”のような上質な安定感だとすれば、v6は“スポーツカーの運転席”のようなキレのある推進力。
どちらも快適ですが、求める感覚によって選ぶバージョンが変わってきます。
実際のレビューから見るM990の評価
国内外のレビューを見ても、M990は「履き心地」「安定性」「疲れにくさ」で非常に高い評価を得ています。
- 「立ち仕事でも膝が痛くならない」
- 「1日1万歩以上歩いても疲れにくい」
- 「包まれるような安心感がある」
一方で、「FuelCellは軽いけどサポート感が少し弱い」といった声もあり、モデルによって好みが分かれる部分もあります。
ただ、全体的には“高い快適性と信頼感”を評価する意見が圧倒的です。
耐久性と経年変化の魅力
M990は履き心地だけでなく、長期間使える耐久性の高さでも定評があります。
スエードやメッシュといった素材は、手入れをすれば何年も美しく保てるのが魅力。
「数年履いても型崩れしにくい」「ソールのヘタリが少ない」といった声も多く、長く履くほど足に馴染んでいく感覚を楽しめます。
ただし、FuelCellフォームは従来より柔らかいため、激しい使用ではやや寿命が短いと感じるケースもあります。
普段履きと兼用する場合は、ローテーションして使うのがおすすめです。
どんな人にM990は向いている?
M990は、以下のような人に特におすすめです。
- 毎日よく歩く・立ち仕事が多い人
- 足への負担を減らしたい人
- 幅広・甲高など既製スニーカーが合いにくい人
- 一足でどんな場面にも対応したい人
- 高品質なスニーカーを長く使いたい人
見た目もシンプルなので、カジュアルからジャケットスタイルまで幅広く合わせられます。
“1足で完結するスニーカー”を探しているなら、M990は間違いなく候補に入るでしょう。
M990の履き心地をさらに引き出すポイント
- サイズ選びを妥協しないこと
必ず試着し、自分の足幅と合うワイズを選ぶ。これだけで快適性が大きく変わります。 - 履き慣らし期間を設ける
新品時は少し硬さを感じることがありますが、数日履けば自然に足に馴染みます。 - 定期的なケア
スエード素材には防水スプレーやブラッシングを。これで見た目も履き心地も長持ちします。 - 使用シーンに応じてモデルを選ぶ
長時間歩くならニューバランスM990v6、安定感を求めるならニューバランスM990v5、と目的に合わせて選ぶのがコツです。
ニューバランスM990の履き心地まとめ
M990の履き心地は、「包み込まれるような安定感」と「前に進む軽快さ」が見事に融合したもの。
それを支えるのは、上質な素材・精密なフィッティング・高度なクッション技術の三拍子です。
「高いけれど、その価値がある」と多くのユーザーに支持される理由は、履いてみればすぐに実感できるはず。
足への優しさを最優先した設計は、日常の歩行を心地よいものに変えてくれます。
スニーカーに“快適さ”を求めるなら、ニューバランスM990は間違いなくその基準になる一足。
ニューバランスM990の履き心地を知れば、あなたのスニーカー選びの基準が変わるかもしれません。


