スケーターの間でじわじわと人気を集めている「Last Resort AB（ラストリゾートAB）」。
ミニマルなデザインとスケーター発の設計思想で注目を集めていますが、実際の履き心地はどうなのでしょうか。今回は、代表的なモデルを中心に「クッション性」「安定性」「ボードフィール」など、スケートシューズとしての実力を徹底的に掘り下げます。
Last Resort ABとは？スケーターが作ったスケーターのためのブランド
Last Resort ABは、スウェーデン出身のスケーターPontus Alvによって立ち上げられたブランド。
彼は「Polar Skate Co.」の創設者としても知られ、スケートボードを知り尽くした人物です。そんな彼が作ったこのブランドは、派手なロゴや装飾を排した“スケートボードの本質に立ち返る”姿勢が特徴。
量産型スニーカーにはない、シンプルで無駄のないデザイン。そして何より、スケート時に求められる“機能性と履き心地”が最優先されています。
素材選びやソールの形状に至るまで、実際にスケーターが現場でテストを重ねて改良されているのが大きなポイントです。
モデルごとの履き心地を徹底検証
ラストリゾートABのスニーカーは主に「VM001（ヴァルカナイズド）シリーズ」と「CM001（カップソール）シリーズ」に大別されます。
それぞれの特徴と履き心地の違いを、実際の使用感をもとに見ていきましょう。
VM001シリーズ：軽快さとボードフィールを重視した定番
VM001やVM003などのヴァルカナイズド構造モデルは、薄めのソールで地面やデッキの感覚をしっかりと足裏で感じ取れるのが魅力。
履いた瞬間から「軽い」「足と板が一体化するような感覚」と感じる人が多く、街履きにもスケートにも両立しやすい作りです。
一方で、インソールはやや硬めで、長時間の歩行や高い衝撃を受けるトリックでは疲れを感じやすいという声もあります。
クッション性を重視する人には少し物足りないかもしれませんが、「足裏でデッキを感じたい」スケーターには理想的な仕様です。
サイズ感は「バンズと同程度」ですが、やや細め。幅広の人は0.5サイズ上げるとちょうど良いフィットになります。
CM001シリーズ：安定性とクッション性を両立したカップソール構造
CM001やCM002といったカップソール構造のモデルは、より本格的なスケートパフォーマンスを意識した作り。
厚みのあるソールと「Cloudy Cush」インソールを組み合わせることで、着地時の衝撃をしっかりと吸収してくれます。
特にヒール部分が高めに設計されており、足全体を包み込むような安定感が特徴。激しいトリックや連続ジャンプでも、ブレを最小限に抑えてくれます。
実際にスケーターの間でも「カップソールなのに板の感覚が残っている」と評され、クッションとボードフィールのバランスが非常に良いと評価されています。
ただし、革素材を多く使っているため通気性はやや劣り、夏場や長時間の使用では蒸れを感じることも。重さもヴァルカナイズド系よりはありますが、安定性を求めるならこのシリーズが最適です。
実際の履き心地レビュー：良い点と気になる点
ラストリゾートABのシューズは、見た目のミニマルさとは裏腹に、履き心地に多くのこだわりが詰まっています。
実際のユーザーレビューを踏まえ、長所と短所を整理してみましょう。
履き心地の良い点
- 足裏感覚が鋭い：薄めのソールがデッキの動きを正確に伝え、トリックの感覚を掴みやすい。
- 安定性が高い：カップソールモデルではヒールカウンターがしっかりしており、足首がブレにくい。
- 素材の質感が良い：スエードやレザーが厚めで、摩耗しにくく長く履ける。
- デザインがシンプル：ロゴを控えめにしたデザインで、街履きにも自然に馴染む。
改善点・注意点
- サイズ感が小さめ：特にカップソール系は「ハーフサイズ上げ推奨」という声が多い。
- インソールが硬め：慣れるまでは足裏に疲れを感じやすい。柔らかめのインソールに交換するのも一案。
- 通気性が低い：革素材を使うモデルでは蒸れやすく、夏場のスケートにはやや不向き。
- 重めの印象：耐久性の高さと引き換えに、軽快さではヴァルカナイズド系に劣る。
スケートボードでの実力：履き心地とパフォーマンスの関係
履き心地の良し悪しは、スケート中のパフォーマンスにも直結します。
ラストリゾートABは、その点でスケーターから高い信頼を得ています。
ボードフィールの精度
特にVM001シリーズでは、ソールが薄く柔軟なため「足裏でデッキを感じながら細かくコントロールできる」と評判。
トリックの精度を高めたいスケーターにはうってつけです。
一方で、CM001シリーズはやや厚みがある分、着地時の衝撃を吸収しつつも十分な感度を維持しており、「カップソールの中では屈指のボードフィール」と評価されています。
クッション性と衝撃吸収
カップソール構造に搭載された「Cloudy Cush」インソールは、中〜高インパクトのトリックに対応。
オーリーやキックフリップなどを繰り返しても足裏が痛くなりにくい設計です。
ただし、ブランド自体が「大きなギャップを飛ぶために作っているわけではない」と明言している通り、超ハイインパクトの滑りには不向き。
街中やミニランプなど、日常的なスケート環境で最も真価を発揮します。
耐久性の高さ
カップソールモデルでは、スエードやレザーを摩耗しやすい箇所に配置し、縫い目を補強。
実際のテストでは10時間以上の使用でも摩耗が最小限に抑えられていたという報告もあります。
ヴァルカナイズドモデルもフォクシングテープが厚く、キャンバスシューズとしては上位クラスの耐久性を持ちます。
サイズ選びと快適性を左右するポイント
履き心地を最大限に引き出すには、サイズ選びが重要です。
- 細めの作り：多くのモデルがスリムなシルエット。特に足幅が広い人はハーフサイズアップが無難。
- 履き慣らし期間が必要：革素材モデルは最初硬めに感じるが、数回履くと足に馴染む。
- ソックスやインソールで調整可能：薄手の靴下や別売インソールを使うと、フィット感を自分好みに調整できる。
- 季節による使い分け：夏場は通気性の高いキャンバス系、冬場は安定感のあるスエード系を選ぶと快適。
スケート用としてだけでなく、街歩きや普段履きとして使うなら、軽めのVM001シリーズを選ぶとバランスが良いでしょう。
ラストリゾートABを選ぶ理由
ラストリゾートABの魅力は、単なるスケートブランドではなく「スケーターの哲学」が形になっているところ。
余計なロゴを排したデザイン、機能性重視の素材選び、実際のスケーターによるテスト。
そのすべてが“滑るために作られた靴”という実感につながっています。
また、シンプルなルックスはファッション的にも合わせやすく、デニムやチノ、ワークパンツとの相性も抜群。
スケートだけでなく、普段使いでも「履いていて心地いい」と感じる人が多いのも頷けます。
Last Resort ABの履き心地まとめ：スケーターも日常使い派も満足できる一足
ラストリゾートABのシューズは、「スケート時の操作感」と「日常の履き心地」の両立を目指した完成度の高いスニーカーです。
それぞれの特徴を理解し、自分の足や使い方に合ったモデルを選ぶことで、履き心地の満足度は格段に上がります。
スケートだけでなく、日常のスタイルにも自然に馴染む一足。
機能とデザインのバランスを求める人にとって、Last Resort ABはまさに「長く履ける相棒」と言えるでしょう。
