Onのロジャーシリーズとは？テニスの発想から生まれた日常スニーカー
スイス発のプレミアムブランド「On（オン）」が展開するTHE ROGER Advantageシリーズは、テニス界のレジェンド、ロジャー・フェデラーとの共同開発によって誕生したスニーカーだ。
2019年にフェデラーがOnに参画し、テニスシューズで培った技術と経験をライフスタイルシューズに応用する――そんなコンセプトから生まれたのが「THE ROGER」シリーズである。
「テニスのコートで求められる俊敏さや安定性を、街でも快適に感じられる靴にしたい」というフェデラーの想いが、設計思想の根底にある。テニスシューズらしい安定感や軽快な反発力を残しつつ、カジュアルに履けるデザインが特徴だ。
驚くほどの快適性を支えるOn独自のテクノロジー
ロジャーシリーズの履き心地を語るうえで欠かせないのが、Onの代名詞ともいえる「CloudTec（クラウドテック）」と「Speedboard（スピードボード）」の二つの技術だ。
CloudTecによる柔らかく弾むようなクッション性
ソールに並ぶ“雲”のような空洞が着地時の衝撃を吸収し、体重移動の際に反発力を生み出す。
硬すぎず、柔らかすぎず――まさに雲の上を歩くような感覚だ。街歩きや長時間の移動でも疲れにくく、履き心地の軽さを実感しやすい。
Speedboardがもたらすスムーズな推進力
中足部に内蔵されたSpeedboardは、足のエネルギーを効率的に前方へと伝える役割を担う。
歩くたびに自然と一歩が出るような流れる感覚があり、立ち仕事や移動の多い日でも足が重くなりにくい。
これらの技術は、もともとテニスの激しい動きに対応するために開発されたが、日常生活の「歩く」「立つ」といった動作でも大きな恩恵をもたらす。まさに“競技の快適性を日常に”というコンセプトを体現している。
履き心地の核心：安定感と軽快さの絶妙なバランス
ロジャーシリーズの履き心地は、単に「柔らかい」「軽い」といった単語では片付けられない。
安定感、反発力、そして包み込むようなフィット感――この三拍子が絶妙なバランスで調和している。
ヒール部分にはクッション性の高い素材が使われ、着地の衝撃をやわらげながら足首をしっかりサポートする。
一方でアッパーは柔軟で足に沿うように設計されており、締め付けすぎず、それでいて緩すぎない。
テニスシューズ由来の構造がそのまま日常の快適さに変換されているのだ。
「長時間歩いてもかかとが痛くならない」「ホールド感があるのに軽い」――レビューサイトでもこのような声が多い。
街歩きや通勤だけでなく、旅行などでも頼れる一足といえる。
モデル別の特徴と履き心地の違い
ロジャーシリーズにはいくつかのバリエーションがあり、それぞれに履き心地の個性がある。
- THE ROGER Advantage：シリーズの中でも最も汎用性が高く、軽量でクッション性が高い。柔らかな履き心地で普段使いに最適。
- THE ROGER Clubhouse：クラシックなテニスシューズのデザインを踏襲。ややしっかりめのホールド感があり、足首周りの安定感を重視する人におすすめ。
- THE ROGER Pro 2：より競技的な設計で、反発力と剛性感が強め。長時間のウォーキングよりも、軽快な動きを求める人に向いている。
どのモデルにも共通しているのは、「軽量さと安定性の両立」だ。Onのランニングシューズに比べるとややクッションは控えめだが、そのぶん地面との一体感があり、バランスの取れた履き心地が得られる。
実際のレビューから見るリアルな使用感
ユーザーレビューを見ても、「履き心地が快適」「一日中履いていても疲れない」といった評価が目立つ。
中には「ボストンの街を一日歩いたけれど、足の疲れを感じなかった」という具体的な体験談もある。
一方で、「足幅が広い人には少しタイトに感じる」という声もある。
ロジャーシリーズはテニスシューズのフィット感を引き継いでいるため、包み込むような設計になっているのだ。
そのため、ゆったり履きたい人や甲高の人は、サイズ選びや試着を慎重に行うと良い。
また、「クッション性は十分だが、ランニング用ほどの厚底感はない」というレビューも散見される。
これは本来の用途が“歩くための快適性”に重点を置いているためで、ランニングシューズのような弾むような反発を求める人にはやや物足りなく感じるかもしれない。
デザイン性と素材の心地よさ
ロジャーシリーズのもう一つの魅力が、テニスシューズ由来の上品なデザインだ。
クリーンなシルエットと上質な素材感は、スニーカーでありながらフォーマルな服装にも合わせやすい。
アッパーには滑らかな合成レザーやメッシュが使用され、通気性と質感のバランスが取れている。
履いた瞬間に「高級感がある」「足を包み込むようにフィットする」と感じるのは、この素材の選定と仕上げの精度によるものだ。
デザイン面でも「スポーティすぎない」「どんな服にも合う」といった評価が多く、スーツスタイルからカジュアルまで幅広く使える。
履き心地を最大限に引き出すコツ
ロジャーシリーズの快適性を最大限に感じるためには、いくつかのポイントを意識するといい。
- 自分の足型に合うサイズを選ぶ
幅が狭めに感じる場合は、ハーフサイズアップも検討。 - 慣らし期間を設ける
テニスシューズ由来の構造のため、最初の数回は硬めに感じることもある。数日履くと自然に足に馴染む。 - 用途を意識して使い分ける
長時間歩くならTHE ROGER Advantage、動きの多い日にはTHE ROGER Pro 2といったように、場面に合わせて選ぶとより快適。
これらを意識するだけで、履き心地の印象がぐっと変わる。
どんな人に向いているか
ロジャーシリーズは「歩くことが多い」「長時間立つ」「デザイン性も重視したい」という人に特におすすめだ。
履き心地が軽く、足裏への負担が少ないため、通勤・旅行・買い物などのシーンで重宝する。
また、スニーカーに上品さを求める人にも好相性。テニスコート由来の構造を持ちながらも、スポーティすぎず、シンプルで洗練された印象がある。
年齢や性別を問わず、幅広い層にフィットする万能スニーカーといえる。
Onのロジャーシリーズの履き心地まとめ
Onのロジャーシリーズは、テニスシューズの機能性をベースに、日常に必要な快適性を見事に融合させたスニーカーだ。
CloudTecとSpeedboardによる独自のクッション構造が、歩行時の衝撃をやわらげながら、自然な一歩を後押しする。
また、包み込むようなホールド感、軽さ、安定性、そしてデザインの美しさ――そのすべてが「履いていて気持ちいい」と感じさせる要素になっている。
走るための靴ではなく、“毎日を快適に歩くための靴”。
それが、Onのロジャーシリーズが多くのファンを惹きつける理由だ。
日常の中で「ちょっといい一足」を探しているなら、このシリーズの履き心地をぜひ体験してほしい。
