鳶職の仕事は、まさに「足元が命」。高所や足場の上で長時間動き続ける鳶職人にとって、安全靴の選び方ひとつで安全性も作業効率も大きく変わります。
この記事では、鳶職におすすめの安全靴を「耐久性」と「動きやすさ」という2つの軸から徹底的に掘り下げていきます。
鳶職の現場で求められる安全靴とは?
鳶職の現場は、足場の上や鉄骨の上など、常に危険と隣り合わせです。滑りやすい鉄板や、工具・資材の落下など、足を守るための靴は欠かせません。
しかし、ただ頑丈なだけでは不十分。鳶職は足場を移動したり、鉄骨を跨いだり、梯子を上り下りしたりと、常に動き続けています。そのため「安全性」と「動きやすさ」の両立が最も重要になります。
具体的には以下のような環境が多いでしょう。
- 鉄骨・足場上での高所作業
- 油や雨で滑りやすい地面や板の上
- 重い資材や工具の持ち運び
- 長時間立ちっぱなし・昇降の繰り返し
このような条件下で使う安全靴には、耐滑性・耐油性・屈曲性・足首ホールド・軽量性が求められます。
鳶職に必須の安全靴機能5つ
1. 先芯入りでつま先を守る
鉄骨や資材の落下は鳶職にはつきもの。先芯(せんしん)が入っていない靴では、つま先を骨折してしまうリスクがあります。
鋼製先芯や軽量の樹脂先芯入りタイプがあり、前者は頑丈、後者は軽くて疲れにくいのが特徴です。作業内容に合わせて選びましょう。
2. 滑りにくいソール
鉄骨や足場板の上での滑りは命取り。アウトソール(靴底)は耐滑性の高いゴム素材や、深めのラグパターンが刻まれたタイプが安心です。
さらに油・水に強い耐油ソールを選べば、雨天や油まみれの現場でも滑りにくくなります。
3. 屈曲性と軽さ
鳶職の動きは非常に多様。しゃがむ・伸ばす・跳ねるといった動作を繰り返すため、ソールが硬いと足の動きを妨げます。
屈曲性の高いソール、軽量設計のミッドソールを採用している安全靴は、動きやすさを大幅に高めてくれます。
4. 足首のホールド性
足場の上では、足首をひねったり、バランスを崩すこともあります。
ミドルカットやハイカットタイプは足首をしっかり固定し、安定感を高めます。特に高所作業では、ハイカットタイプの安全靴が安心です。
5. 通気性・防水性のバランス
夏は蒸れ、冬は冷え、雨の日は濡れる。鳶職は季節や天候の影響を大きく受けるため、通気性や防水性もチェックポイントです。
メッシュ素材の靴は軽くて快適、雨天が多い現場なら防水加工タイプを選びましょう。
鳶職に人気の安全靴タイプ
ハイカットタイプ
足首まで守ってくれるハイカットは、鳶職の定番。安定感と安心感があり、転倒や捻挫を防ぎます。
代表的なモデルには「ノサックス 高所作業用安全靴 ロング鳶 LT-700」などがあり、ロング丈で足元をしっかり固定します。
ミドルカットタイプ
動きやすさとホールド感のバランスを取りたい人に人気。足首の自由度を保ちつつ、一定のサポートも得られます。
「港鳶 N4000 マジックテープタイプ」など、マジックテープで脱ぎ履きがしやすいタイプも便利です。
ローカットタイプ
軽快に動けるローカットタイプは、移動や昇降が多い現場におすすめ。
ただし足首の保護力は弱いため、比較的安定した現場や短時間の作業に向いています。軽量性重視の「Simon S028 Professional Sneakers」などが代表例です。
鳶職が安全靴で「差をつける」ポイント
動きやすさ=屈曲性+軽量化
足場や鉄骨を渡る鳶職では、足の動きを妨げない柔軟性が重要。
最近のモデルではスポーツシューズの技術を取り入れた安全靴も登場しています。クッション性が高く、足への衝撃を和らげてくれるタイプは、長時間作業でも疲れにくいのが魅力です。
耐久性=素材と製法の信頼性
鳶職の靴は毎日酷使されるため、靴底の剥がれや摩耗が早いと危険です。
インジェクション製法(ソールとアッパーを一体成型)や、耐摩耗素材を採用したモデルを選ぶことで、長く使える靴になります。
「丸五 高所高鳶 極」などは、こうした耐久性の高さでも評価されています。
着脱のしやすさ
現場と休憩所を行き来することが多い鳶職にとって、脱ぎ履きのスピードも大切です。
マジックテープやファスナータイプ、またはBOAダイヤル式の靴なら、時間をかけずに素早くフィットを調整できます。
鳶職の現場でよくある失敗例
- 「重い安全靴を選んでしまい、長時間作業で足が痛くなった」
- 「防滑性能を軽視して、雨の日に滑ってヒヤリとした」
- 「安い靴を選んだら、数ヶ月でソールが剥がれた」
こうした失敗を避けるためには、値段だけで選ばず、実際の使用環境と作業内容を想定して選ぶことが大切です。
初期費用は少し高くても、耐久性のある靴を選ぶ方が結果的にコスパが良くなります。
鳶職におすすめの安全靴モデル
ノサックス 高所作業用安全靴 ロング鳶 LT-700
ロング丈で足首をしっかり固定し、高所での安定感を重視したモデル。耐滑性にも優れ、鳶職の定番と言われる一足です。
港鳶 N4000 マジックテープタイプ
マジックテープで着脱がしやすく、現場と休憩を行き来する鳶職にぴったり。軽量で屈曲性も高く、長時間作業に向いています。
丸五 高所高鳶 極
老舗ブランド「丸五」の人気モデル。屈曲性と耐久性を両立させた設計で、足裏のグリップ感が抜群。滑りやすい足場にも強い仕様です。
Simon S028 Professional Sneakers
軽量でスポーティーな履き心地が特徴。動きやすさを重視する鳶職や若手職人に人気。見た目もスマートで、作業後の移動にも使えます。
安全靴を長持ちさせるメンテナンスのコツ
どんなに良い安全靴でも、手入れを怠ると寿命が短くなります。
特に鳶職は泥・油・砂・鉄粉などが付きやすい現場なので、次の点を意識しておきましょう。
- 使用後はブラシで汚れを落とす
- ソールの溝に異物が詰まっていないか確認する
- 濡れたまま放置せず、風通しの良い場所で乾燥させる
- インソールや紐は定期的に交換する
定期的なチェックで、安全性と快適性を長く保つことができます。
鳶職に最適な安全靴を選ぶために
鳶職にとって、安全靴は単なる仕事道具ではなく「命を預ける装備」です。
動きやすく、耐久性があり、自分の足にしっかりフィットする一足を選ぶことが、日々の作業を支える第一歩になります。
現場で差がつくのは、結局のところ足元の快適さと安全性。
高所で自信を持って動ける靴を選び、日々の作業をより安全に、そして誇りを持ってこなしていきましょう。
鳶職におすすめの安全靴で、現場のパフォーマンスを最大化しよう
安全靴は、鳶職の命を守ると同時に、仕事の質をも左右するアイテムです。
耐久性と動きやすさを兼ね備えた一足を選び、足元から安全と信頼を築いていきましょう。


