安全靴を履くうえで、意外と見落とされがちなのが「靴紐の通し方」。
実はこの通し方ひとつで、見た目の印象はもちろん、ホールド感や安全性まで大きく変わります。
毎日履く作業靴だからこそ、紐の通し方を少し工夫するだけで、快適さも安全性もアップします。
ここでは、安全靴の靴紐を正しく通す方法や、おしゃれで機能的なアレンジ術までわかりやすく紹介します。
靴紐の通し方を見直すだけで変わる!安全靴の機能性
安全靴の靴紐は、単なる飾りではありません。
足をしっかり固定し、動きの中で靴と足の一体感を生む大切な役割を担っています。
もし靴紐が緩んでいたり、間違った通し方をしていると、足が靴の中でずれたり、転倒や滑りの原因にもなります。
特に現場作業では「ほどけやすい靴紐」は大きなリスク。巻き込み事故につながる恐れもあるため注意が必要です。
一方で、正しい通し方をマスターすれば、足全体を均等に締め付けられ、長時間の作業でも疲れにくくなります。
見た目にも清潔感が出て、「きちんとした印象」に変わるのも大きなメリットです。
平紐か丸紐か?安全靴に合う靴紐の選び方
靴紐の通し方を学ぶ前に、まずは“どんな紐を選ぶか”が大切です。
- 平紐(ひらひも)
平たい形状で面全体で靴を押さえるため、ホールド力が高く緩みにくいのが特徴。
足をしっかり固定したい現場作業にはぴったりです。 - 丸紐(まるひも)
滑りやすく結び目が解けやすい反面、締め付けがソフトで履き心地は柔らかめ。
動きの多い職種や、脱ぎ履きの多い人に向いています。
また、ロウ引き加工された紐は耐久性が高い反面、滑りやすい傾向もあるので、結び方を工夫すると安心です。
作業内容や使用環境に応じて、自分に合った素材を選びましょう。
基本の靴紐の通し方3パターン
安全靴の通し方にはいくつか種類があります。
見た目やフィット感が異なるので、自分の足型や作業スタイルに合った方法を選びましょう。
1. アンダーラップ(下から通す)
紐を下の穴から上へ交互に通す方法。
締め付けが柔らかく、足全体に自然にフィットします。
長時間の作業で足がむくみやすい人や、締めすぎたくない人におすすめです。
2. オーバーラップ(上から通す)
上の穴から下に通す方法。
しっかりとしたホールド感が得られ、紐が緩みにくいのが特徴です。
足首をしっかり固定したい場合や、重い荷物を扱う作業に向いています。
3. パラレル(平行通し)
表面に紐が平行に並ぶ通し方。
見た目がすっきりしていて、職場でも清潔感を与えます。
締め加減を微調整しやすく、甲の圧迫感を軽減できるのもポイントです。
通し方ひとつで“疲れにくさ”が変わる理由
靴紐の通し方は、単に見た目の違いだけではありません。
通し方によって「どこに力がかかるか」「どこを支えるか」が変わります。
たとえば、足の甲が高い人はアンダーラップにすることで圧迫を和らげられます。
逆に甲が低い人はオーバーラップにしてしっかり締めると、靴の中で足が動きにくくなります。
さらに、靴紐の最後の穴(最上段ハトメ)を“内側から外に通す”ことで、抜けにくくなり、踵の浮きを防ぐ効果もあります。
小さな工夫ですが、これだけでフィット感がぐっと上がります。
見た目もおしゃれに!安全靴の靴紐アレンジ術
安全靴=地味、そんなイメージを変えるのが“靴紐アレンジ”。
ちょっとした通し方や色選びで、印象は驚くほど変わります。
- カラー紐で差をつける
黒やグレーが多い安全靴に、赤・青・蛍光色などの紐を合わせると一気に個性が出ます。
視認性が上がるため、暗い現場でも安全性に一役買います。 - 反射素材入り紐で安全性アップ
夜間作業や屋外現場では、リフレクター素材入りの紐がおすすめ。
車両ライトを反射して存在をアピールできるので、視認性が格段に上がります。 - パラレル通しで“清潔感”を演出
平行に通すことで、きちんとした印象に。
事務所と現場を行き来するような仕事にもぴったりです。
おしゃれと安全は両立できます。
「見た目を整える=意識の高さ」を示すサインにもなります。
ほどけにくくする靴紐の結び方
安全靴で一番避けたいのは“作業中に靴紐がほどけること”。
ほどけた紐は転倒や巻き込みの原因になり、思わぬケガにつながります。
ここでは、簡単かつ解けにくい代表的な結び方を紹介します。
- 二重結び(ダブルノット)
最も基本で確実な方法。通常の蝶結びをしたあと、もう一度輪を結んで固定します。
見た目は少しボリュームが出ますが、安心感は抜群です。 - イアン結び
世界最速の靴紐結びとも言われる方法で、素早く結べてほどけにくいのが特徴。
慣れると一瞬で結べるため、忙しい朝にも最適です。 - ラッセル結び
引っ張るだけで固定され、ほどけにくく、靴のベロのズレを防げます。
強い締め付けが必要な作業靴にも向いています。
これらの結び方を習得しておけば、現場での安心感が違います。
結び目を靴のベロ(舌)の下に入れておけば、紐が引っかかる心配もありません。
安全靴の靴紐を通すときの注意点
靴紐を通すときは、単に穴に通すだけではなく、次のポイントを意識しましょう。
- 左右対称に通す
テンションが偏るとフィット感が変わり、片足だけ緩くなる原因になります。 - 最上段は裏から通す
外側から通すよりも緩みにくく、踵が安定します。 - 余った紐は必ず処理する
長すぎる紐は踏んだり絡まったりする危険があるため、短めに結んで内側へ収納します。 - 作業内容に合わせて調整する
立ち仕事ではやや緩めに、重作業ではしっかり締めるなど、状況に合わせて調整しましょう。
この4つを守るだけで、靴のフィット感も安全性も大きく変わります。
よくある靴紐トラブルとその対策
安全靴を毎日履いていると、どうしても靴紐にまつわるトラブルが起きがちです。
- すぐにほどける
→ 二重結び・イアン結びを採用。滑りやすい素材の場合は平紐に変える。 - 足首が浮く
→ 最上段までしっかり通し、ヒールロック(かかと固定)型の通し方を試す。 - 紐が長すぎる
→ 適切な長さ(ハトメ6個なら約90〜120cm)に調整する。
余りは靴の中に収納。 - 見た目が乱雑
→ 平行通しで揃える。紐を一度外して、左右対称に通し直すと改善。
小さな工夫の積み重ねが、靴全体の印象や快適性を大きく変えます。
通し方を変えて、毎日の安全靴をもっと快適に
安全靴の靴紐の通し方は、単なる“作業前の準備”ではなく、
「安全」「快適」「見た目」のすべてを左右する大切な要素です。
足に合った紐を選び、正しく通して結ぶだけで、
靴がまるで自分専用のようにフィットし、一日の疲れ方まで変わります。
通し方や結び方をほんの少し工夫するだけで、
安全靴はもっと快適で、もっとかっこよくなる。
今日からぜひ、自分の安全靴の紐を見直してみてください。
安全靴の靴紐の通し方で快適さと安全性を両立しよう
靴紐の通し方を変えることは、単なる見た目のアレンジではありません。
それは「安全への意識」そのもの。
正しく通して結ぶことが、あなたの足を守り、作業を支える第一歩になります。
自分に合った通し方を見つけて、見た目も機能もワンランク上の安全靴を楽しみましょう。


