滑りにくい安全靴を探している人は多いと思います。
油や水が床にこぼれる現場、傾斜のある足場、雨天の屋外作業など、滑りやすい環境での転倒事故は後を絶ちません。そんな中で注目されているのが、耐滑性能を備えた安全靴です。この記事では、耐滑性能の仕組みや選び方のポイント、そして人気ブランドのおすすめモデルを紹介します。実際に作業環境で役立つ一足を見つける参考にしてください。
滑りにくい安全靴が重要な理由
「滑りにくさ」は、安全靴の中でも最も基本的で、かつ事故防止に直結する性能のひとつです。
特に工場・倉庫・厨房・建設現場などでは、水・油・粉塵などが床に付着し、足元が滑りやすい状態になることが多く、グリップ力の弱い靴では転倒や捻挫につながります。
実際、労働災害の原因の中でも「転倒」は常に上位にあり、その多くは滑りによるものです。
耐滑性能の高い安全靴を履くことで、油床面や濡れたコンクリート上でも安定した足運びができ、結果として作業効率や安心感が大きく向上します。
また、滑りにくい靴は単に転倒を防ぐだけではありません。
滑りにくい=接地が安定するため、姿勢やバランスも保ちやすく、長時間の作業での疲労軽減にもつながります。
つまり、「滑らない安全靴」は安全面と快適性の両立を支える重要な装備なのです。
耐滑性能とは?数字で見る「滑りにくさ」の基準
安全靴の耐滑性能は、JIS(日本工業規格)で明確に基準が定められています。
たとえば「JIS T 8101」では、靴底と床面の摩擦力を測定し、動摩擦係数によって耐滑性を評価します。
- F1区分:動摩擦係数 0.20以上
- F2区分:動摩擦係数 0.30以上
この数値が大きいほど、滑りにくいことを意味します。
製品によっては「JIS F合格」「耐滑ソール」などと明記されており、これが信頼できる耐滑基準の目安になります。
また、メーカーによっては独自の耐滑試験や開発ソールを採用している場合もあります。
「超耐滑ソール」「排水溝構造」「油面対応ソール」といった表記があれば、より滑りやすい環境での使用を想定して設計されていると考えてよいでしょう。
耐滑安全靴を選ぶときのポイント
1. ソールの構造をチェック
滑りにくさを決める最大の要素は靴底(ソール)です。
ゴム素材のグリップ力、溝の形状、排水性が滑り防止に大きく影響します。
油や水が多い現場では、溝が深く、液体を逃がす「排水溝付きソール」が有効です。
2. 作業環境に合った素材を選ぶ
厨房や食品工場のように水や油が多い場所では、ゴムソールが最適。
一方、屋外での建設・運搬作業では、耐摩耗性の高いウレタンソールやEVAソールもおすすめです。
3. 規格・認証を確認
「JIS規格」「JSAA認定」などの表示があると、耐滑性能だけでなく、安全性や強度面でも信頼できます。
とくに先芯入りで「JSAA A種」認定の靴は、つま先保護・滑り止めの両方に優れています。
4. 履き心地と疲れにくさ
耐滑ソールはグリップ力を重視する分、やや重くなりがちです。
そのため、クッション性のあるインソールや軽量設計のモデルを選ぶと快適です。
近年では、スポーツシューズ技術を取り入れた軽量・高反発タイプも増えています。
5. メンテナンスも忘れずに
靴底にゴミや油が詰まると、どんな靴でも滑りやすくなります。
使用後はブラシや水洗いで溝を清掃し、ソールの摩耗を定期的にチェックすることも大切です。
滑りにくさで選ぶおすすめ安全靴10選
ここからは、耐滑性能が高く人気のあるモデルを紹介します。
作業内容や環境に応じて選べるよう、各ブランドの特徴もあわせて解説します。
1. ミドリ安全 超耐滑ゴム底シリーズ
耐滑性に定評があるミドリ安全の代表モデル。
油や水の多い床面でも高いグリップ力を発揮し、厨房・倉庫・工場作業に最適。JIS F規格合格の信頼性も魅力です。
2. アシックス ウィンジョブシリーズ
スポーツシューズの技術を応用した軽量安全靴。
足の動きに追従するソール設計で、滑りにくく動きやすい。フィット感が高く、長時間作業でも疲れにくいのが特徴です。
3. ジーベック 85612 耐滑セフティ
通気性と耐滑性を両立したモデル。
耐滑ラバーソールに加えて、かかと衝撃吸収材を内蔵し、ハードな現場でも安定した履き心地を実現しています。
4. シモン WS33SX3 層底Fソール
3層構造のFソールで抜群のグリップ力を発揮。
柔軟性とクッション性にも優れ、足裏の安定感が抜群。建設現場や製造業の定番モデルです。
5. バートル セーフティスニーカー 8081
カジュアルなデザインながらJIS基準の耐滑性能を備えたスニーカータイプ。
街履きにも違和感がなく、職場から移動まで快適に過ごせます。
6. TULTEX AZ-51649 超耐滑タイプ
軽量かつソフトな履き心地で人気。
ゴム底のトレッドパターンが油面でも強力なグリップを発揮し、飲食業や物流にも向いています。
7. ミズノ オールマイティ VSシリーズ
スポーツブランドらしい軽さとクッション性に、耐滑性能をプラス。
滑りにくさと快適性を両立した万能タイプです。
8. ノサックス 耐滑プロテクトスニーカー
医療・介護・食品など清潔環境向けの耐滑モデル。
白を基調にしたデザインで、衛生的かつ安全性を両立しています。
9. アイトス 安全スニーカー 51607
幅広設計で足指がラク。
滑りにくいEVAラバーソールとクッションインソールを採用し、長時間の立ち仕事でも快適です。
耐滑安全靴の落とし穴と注意点
耐滑性能が高い靴でも、使用環境や状態によっては滑ることがあります。
たとえば、油や粉塵が厚く堆積した床、凍結面、極端な傾斜などではグリップ力が低下します。
また、ソールが摩耗してトレッド(溝)が浅くなると、本来の耐滑性能を発揮できません。
「滑りにくい靴だから大丈夫」と過信せず、
- 定期的な靴底チェック
- 床面清掃の徹底
- 作業中の姿勢・歩き方の工夫
といった“総合的な滑り対策”を心がけることが大切です。
自分に合った滑りにくい安全靴を選ぼう
滑りにくい安全靴を選ぶときは、**「環境」「履き心地」「規格」**の3点を基準にすると失敗しません。
油床や水場ならゴムソール、屋外なら耐摩耗ソール、長時間作業なら軽量クッションモデルといったように、用途に合わせて選ぶのがポイントです。
また、最近の安全靴はデザイン性も向上しており、スニーカーのようにスタイリッシュなタイプも増えています。
見た目・機能・快適さを兼ね備えた一足を選べば、毎日の作業がぐっと快適になります。
まとめ:滑りにくい安全靴で安心と快適を手に入れよう
滑りにくい安全靴は、転倒や怪我を防ぐだけでなく、作業全体の安心感を高める重要なアイテムです。
耐滑性能を重視しつつ、自分の職場環境や動き方に合った靴を選ぶことが、安全で快適な働き方への第一歩になります。
油や水に強く、安定感のある靴を選んで、足元から安全を守りましょう。
滑りにくい安全靴は、あなたの毎日の仕事を確実に支えてくれる“頼れる相棒”です。


