作業現場で足元の安全を守るために欠かせない安全靴。中でも「ロングタイプ」と呼ばれる長めのモデルは、足首からすねにかけてしっかり保護できる点が魅力です。動きやすさや快適さを保ちながらも、より高い安全性を求める人に選ばれています。この記事では、ロングタイプ安全靴の特徴や選び方、そしておすすめモデルを紹介します。
ロングタイプ安全靴とは?一般的な安全靴との違い
ロングタイプ安全靴は、通常のくるぶし丈の安全靴に比べて丈が長く、すね付近まで脚を覆う構造になっています。形状としては「ハイカット」「ブーツタイプ」とも呼ばれることが多く、見た目はワークブーツやミリタリーブーツに近い印象です。
一般的な安全靴との違いは、保護範囲の広さ。つま先や足底だけでなく、足首やすね周辺まで守れるため、衝撃や引っ掛かり、泥・水の侵入といったトラブルを防ぎやすいのが特徴です。特に、建築・解体・保線・土木などの現場では、ロングタイプの需要が高まっています。
ロングタイプの安全靴が活躍するシーン
ロングタイプが真価を発揮するのは、脚部への負担や危険が多い環境です。
- 高所作業や足場の上:足首をしっかり固定することで、ねんざ防止や安定性の向上に役立ちます。
- 土木・解体・建築現場:すね部分までカバーするため、落下物や飛来物から脚を守ります。
- 雨天・泥・油の多い現場:防水性や耐油性を備えたロングタイプなら、靴内への浸水や滑りの危険を減らせます。
- ズボンの裾を収納できる作業服:ブーツの中に裾を入れられるため、裾の引っ掛かりや巻き込みリスクを軽減します。
つまり、保護性能だけでなく、作業効率や安全意識を高める意味でも、ロングタイプは現場の信頼を集めています。
ロングタイプ安全靴のメリットとデメリット
メリット
- 足首からすねまで広く保護できる
- 裾を靴内に入れられ、引っ掛かりや巻き込み防止に有効
- 水や泥の侵入を防ぎやすく、屋外作業でも安心
- 足首のホールド感があり、安定した姿勢を保ちやすい
デメリット
- 一般的な安全靴より重量があり、長時間の歩行では疲れやすい
- 丈が長いため、屈伸動作やしゃがみ作業では動きづらさを感じる場合がある
- 夏場は蒸れやすく、通気性が課題になることも
- 脱ぎ履きにやや時間がかかる
このように、作業環境や動作内容によっては「過剰な保護」になるケースもあります。用途に合わせて、軽量・屈曲性に優れたモデルを選ぶのがポイントです。
ロングタイプ安全靴の選び方ポイント
1. 規格を確認する
安全靴には「JIS規格」や「JSAA認定」などの基準があります。重作業・高危険度の現場では、JIS T8101の規格品を選ぶのが安心。軽作業や倉庫業ならJSAA認定のプロテクティブスニーカーも選択肢になります。
2. アッパー素材で快適性と耐久性を両立
- 本革:耐熱性・耐久性に優れ、溶接や鉄工などの現場に最適。
- 合成皮革:軽量で扱いやすく、倉庫や工場など汎用作業向け。
- ゴム・高分子素材:防水性が高く、屋外・雨天・泥濘地帯に最適。
丈が長い分、足首の屈曲性や履き口の当たりも重要です。長時間履くなら、柔軟性や軽さを重視しましょう。
3. ソール構造で滑りやすさや疲れやすさを防ぐ
耐滑・耐油・耐摩耗性を備えたラバーソールを選ぶと、濡れた床や油面でも安全です。また、ミッドソールにクッション素材を採用したモデルは、衝撃吸収性が高く疲れにくい傾向があります。
4. 履き口・脱ぎ履きのしやすさ
マジックテープやジップタイプは脱ぎ履きが簡単。反対に、紐タイプはフィット感を調整しやすいメリットがあります。脱着頻度が多い現場なら、ファスナー付きのロングブーツ型が便利です。
5. 防水・防塵・通気性などの機能面
屋外では防水性、屋内では通気性が快適性を左右します。防水加工されたゴムブーツ型や、通気メッシュ素材を組み合わせたハイブリッドタイプも登場しています。
6. サイズ感とフィット性
ロングタイプは筒部分の締め付け感も考慮が必要です。ふくらはぎの太さに合ったモデルを選び、屈伸しても突っ張らないかを確認しましょう。
ロングタイプ安全靴おすすめ10選
ここでは、人気ブランドや定番メーカーの中から、性能と快適性を両立したおすすめモデルを紹介します。
1. アシックス ウィンジョブ CP305 BOA
BOAダイヤルで素早くフィット調整できる高機能モデル。足首までしっかりホールドしながらも、軽量性を実現。耐滑ソールと反射材で夜間作業にも対応。
2. ミドリ安全 MW600シリーズ
JIS規格適合の本格ロングタイプ。耐油底とクッションインソールを採用し、土木や建築現場で人気。裾を中に収納できる長編上タイプです。
3. プーマ セーフティ エレメントミッド
スポーティなデザインと快適なクッション性が魅力。軽量なミドル〜ロング丈で、動きやすさを重視する方におすすめ。
4. タルテックス AZ-51653
リーズナブルながらデザイン性も高い人気モデル。防水性に優れ、屋外作業にも最適。ベルト仕様で脱ぎ履きもスムーズです。
5. シモン WS38L 長編上靴
伝統ある国内ブランドの定番。JIS認定品で、耐熱・耐油性ともに高水準。溶接現場などハードな作業にも対応します。
6. KEEN UTILITY リッジフレックスブーツ
防水透湿素材を採用したアウトドア寄りの設計。山間部や屋外での長時間作業にぴったりのタフネスモデル。
7. ドンケル ダイナスティブーツ D-800
耐滑性に優れたソールと衝撃吸収構造を備えたロングタイプ。安全性と履き心地のバランスがよく、長時間の現場にも強いです。
8. バートル セーフティシューズ 8081
カジュアルな見た目ながら安全性能が高いワークブーツ。軽量でクッション性があり、現場から普段使いまで対応できます。
9. 弘進ゴム ブーツタイプ安全靴 JIS対応
完全防水の総ゴム製。雨・泥・水の多い現場で絶大な安心感。底の滑り止め設計も優秀です。
10. ジーベック 85114 ハイカット安全靴
ソフトな合皮とクッションインソールで快適な履き心地。ハイカットながら軽量で、倉庫・配送など動きの多い現場にも適しています。
ロングタイプ安全靴を快適に使うコツ
- 靴下選びも重要:厚手のワークソックスで足首を保護し、擦れを防ぎましょう。
- 定期的に乾燥させる:筒内部に湿気がこもりやすいため、使用後は風通しの良い場所で陰干しを。
- 靴底の摩耗をチェック:耐滑性が低下すると転倒リスクが高まります。ソールがすり減ったら早めの交換を。
- 用途ごとに使い分ける:屋外は防水タイプ、屋内は軽量メッシュなど、環境に合わせて選ぶのがおすすめです。
まとめ|ロングタイプの安全靴で足首までしっかり守ろう
ロングタイプの安全靴は、足首やすねを保護しながら、安定した姿勢と安心感を提供してくれます。
重量や動きやすさの課題はありますが、最近では軽量化や屈曲性に優れたモデルも増えています。
安全性と快適性を両立した一足を選び、足元から安心して作業に臨みましょう。
現場の条件に合わせて選べば、「ロングタイプの安全靴」はきっと頼れる相棒になってくれるはずです。


