安全靴は何ゴミに分類される？自治体ごとの処分方法と正しい捨て方を解説
仕事や作業で使っていた安全靴。もうボロボロになって履けなくなったけど、「これって何ゴミで出せばいいんだろう？」と迷った経験はありませんか？
見た目は靴だけど、金属が入っていたり、素材が特殊だったりして、普通のスニーカーと同じようにはいきません。この記事では、安全靴の正しい捨て方や自治体ごとの違いをわかりやすく整理していきます。
安全靴は「靴」だけど構造が特殊
安全靴は、工場や建設現場などで足を守るために設計された靴です。つま先に金属や樹脂の「先芯」が入っていて、重いものが落ちたときにも足を保護できるようになっています。
また、耐滑性の高いソールや耐油・耐摩耗素材など、一般的なスニーカーよりもずっと頑丈なつくりです。
この「頑丈さ」こそが、処分の際に分別を迷わせるポイント。特に金属先芯入りの安全靴は、自治体によっては可燃ごみではなく「不燃ごみ」扱いになるケースが多いのです。
一般的な靴と安全靴の違い
一般的な靴（スニーカー・革靴・長靴など）は、多くの自治体で「可燃ごみ（燃やせるごみ）」に分類されています。
素材が布や革、ゴム中心なら、燃やしても処理しやすいためです。
一方、安全靴は以下のような理由で分別が変わります。
- つま先の先芯が金属製（スチールやアルミなど）
- 底材が厚く、金具や補強パーツが多い
- 構造が複合素材で分解しづらい
このような構造のため、可燃ごみではなく「不燃ごみ」または「粗大ごみ」として扱う自治体が増えています。
自治体によって分別が違うのはなぜ？
日本ではごみの分別ルールが市町村単位で決められています。そのため、同じ「安全靴」でも地域によって扱いが変わるのが現実です。
たとえば静岡市では、
- 金属ありの安全靴 → 不燃・粗大ごみ
- 金属なしの安全靴 → 不燃または可燃ごみ
と区分されています。金属の有無で明確にルールが分かれているのが特徴です。
富士宮市では、「まだ履ける靴」は回収ボックスへ、「履けないもの」は不燃物の日に出すよう定められています。浜松市も同様に「安全靴・スパイクシューズ＝燃やせないごみ」としています。
つまり、見た目では判断できない部分もあるので、お住まいの自治体の「ごみ分別早見表」や「ごみカレンダー」を確認することが大切です。
処分の前に確認したいポイント
いきなりゴミ袋に入れる前に、いくつかのチェックポイントを確認しておきましょう。
1. 先芯の素材を確認
金属先芯か、樹脂先芯かで大きく分別が変わります。
金属先芯 → 不燃ごみ・粗大ごみ扱いが多い
樹脂先芯 → 可燃ごみで出せる自治体もあり
2. 金具・金属パーツの有無
バックルやスパイクなど、金属パーツが多ければ「不燃」扱いの可能性が高いです。
取り外せるものは外して、金属類として別に出すと処理がスムーズです。
3. 再利用できる状態かどうか
左右がそろっていて、まだ履ける状態なら「靴回収ボックス」や「リユース回収」も選択肢です。
富士宮市などでは、再利用できる靴を専用ボックスで回収しています。
4. 家庭用か事業用か
家庭でDIYや趣味に使った靴は「家庭ごみ」でOKですが、事業所で使っていた安全靴は「事業系一般ごみ」や「産業廃棄物」として扱われる場合があります。
企業でまとめて処分する際は、自治体や回収業者への相談が必要です。
安全靴の正しい捨て方ステップ
「何ゴミかわかったけど、実際にどう捨てればいいの？」という人向けに、一般的な流れを紹介します。
- 素材を確認する
先芯や金具が金属なら「不燃」側へ。樹脂だけなら「可燃」に分類されることも。 - 汚れを落とす
泥や油汚れを軽く拭き取っておくと、回収作業がスムーズです。 - 金具やバックルを外す
取り外しできる金属パーツは分けて処分。外せない場合はそのまま不燃へ。 - 袋に入れる・縛る
長い靴ひもはまとめて結び、自治体指定の袋に入れます。 - 自治体指定の日に出す
「燃やせないごみの日」や「不燃ごみの日」など、指定された日を確認して出しましょう。
まだ履ける安全靴はリユースも検討
「汚れてはいるけど、壊れてはいない」という安全靴なら、リユースや寄付も視野に入れられます。
最近では、靴のリユースを行う自治体や団体も増えており、店舗回収ボックスやフリマアプリなどで再利用する人もいます。
ただし、安全靴の保護機能（先芯やソールの耐久性）は劣化していることが多いので、再利用する場合は“安全靴として”ではなく“普通の作業靴・ガーデニング靴”として使うのが無難です。
事業所で出る安全靴は「産業廃棄物」の可能性も
企業や工場、建設現場で使用した安全靴は、家庭ごみとして出すことはできません。
この場合は「事業系一般ごみ」または「産業廃棄物」として、業者回収が必要です。
自治体によっては登録業者を通さないと処分できない場合もあるため、社内でまとめて廃棄する際は必ず確認しましょう。
安全靴を捨てるときに避けたいNG行為
- 金属入りの靴を可燃ごみに混ぜる
→ 処理施設で破損や火花事故の原因になります。 - リユース対象外の汚れた靴を回収ボックスへ入れる
→ 回収ルートに混乱を招く恐れがあります。 - 大量の安全靴を一度に出す
→ 事業系扱いとなり、回収されない可能性があります。
小さな手間でトラブルを防げるので、ルール確認を怠らないようにしましょう。
まとめ：安全靴は何ゴミか？迷ったら自治体に確認を
安全靴は見た目は靴でも、「金属の先芯」や「複合素材構造」によって、分別ルールが一般の靴と違います。
多くの自治体では 金属入り＝不燃ごみ／金属なし＝可燃または不燃ごみ が基本ですが、必ずお住まいの地域のごみ分別表を確認してください。
履ける状態のものはリユースや寄付へ。
汚れや破損がひどい場合は、自治体ルールに従って安全に廃棄しましょう。
「安全靴は何ゴミ？」と迷ったときは、最寄りの環境センターや清掃課に問い合わせるのが一番確実です。
