雨の日の現場や、水を扱う仕事をしていると、足元が濡れるのは避けられませんよね。
そんな時に頼れるのが「防水仕様の安全靴」。足をしっかり守りながら、濡れやすい環境でも快適に働けるよう設計された心強い相棒です。
この記事では、防水性能の仕組みから選び方のポイント、そして人気モデルまでをまとめて紹介します。
防水安全靴が必要とされる理由
雨天の屋外作業や洗浄作業、食品工場、建設現場など、足元が濡れやすい環境では、通常の安全靴では水がしみ込みやすく、不快感や冷え、さらには集中力の低下にもつながります。
また、水や油が混ざった床面では滑りやすくなるため、転倒リスクを防ぐ滑り止め性能も欠かせません。
防水仕様の安全靴なら、
- 靴内部への浸水を防止
- 滑りにくいソールで安全確保
- 長時間履いても快適な透湿素材採用モデルも多い
といった特徴があります。
つまり、「濡れにくさ」と「快適さ」の両立こそ、防水安全靴の真価といえます。
防水安全靴の基本構造と性能
防水仕様の安全靴は、一般的な安全靴に比べて、構造にも工夫があります。
1. 防水素材と透湿構造
代表的なのが GORE-TEX(ゴアテックス) に代表される防水透湿素材。
水を通さずに、内部の蒸れを逃がす構造で、雨の日でもムレずに快適に過ごせます。
また、合成皮革や防水ラミネート加工などを施したアッパー素材を使うモデルもあります。
2. 縫い目・シーム処理
縫い目から水が染み込みやすいため、シームを減らす設計や防水テープ加工が施されています。
この構造により、靴の中に水が入りにくくなります。
3. ソール(靴底)の滑り止め性能
防水靴では「滑りにくさ」も重要。
耐滑性(F表示)があるモデルは、濡れた床や油混じりの床でもグリップを保ちます。
深い溝を持つソールや水抜け構造の底面など、滑り対策が強化されたタイプを選ぶと安心です。
4. 規格適合
安全靴としての基本性能を満たしているかも確認が必要。
- JIS T8101:日本工業規格で、耐衝撃・耐圧迫・耐滑など厳格な基準を設定。
- JSAA認定:軽作業向けで、軽量性と安全性のバランスが取れた基準。
「W(耐水)」「F(耐滑)」などの表示があるモデルは、防水性と滑りに強い証です。
防水安全靴を選ぶときのポイント
1. 作業環境を考える
- 屋外・建設・雨天時作業:防水+耐滑+ミドル〜ハイカット
- 食品・水産・清掃現場:防水+透湿性+滑りにくい短靴タイプ
- 雪や寒冷地:防水+保温+防寒インソール
使用シーンを明確にすることで、最適な仕様が見えてきます。
2. 靴の丈(カット)で選ぶ
- ローカット:軽快で脱ぎ履きしやすい。軽作業や室内向け。
- ミドルカット:雨天や多少のぬかるみでも安心。
- ハイカット:足首までカバー。泥・水・雪に強く、屋外現場に最適。
ハイカットタイプは雨の侵入を防ぎ、足首のサポート力も高いのが特徴です。
3. 透湿性・快適性を確認
防水=密閉、というイメージがありますが、透湿構造を持つ靴なら蒸れを軽減できます。
また、クッション性の高いミッドソールや抗菌・防臭インソールを採用しているモデルも増えています。
4. サイズ・ワイズ(足幅)にも注目
安全靴は長時間履くことが多いため、サイズ感も大切。
幅広設計(EEE、4Eなど)やフィット感を調整できるBOAダイヤル式なども便利です。
防水安全靴の主なブランド・特徴
ミドリ安全(MIDORI ANZEN)
国内最大手の安全靴メーカー。
JIS規格対応モデルも豊富で、防水・耐滑・耐油を兼ね備えたシリーズが多いです。
屋外現場や食品加工など、用途別に選べるラインナップが魅力。
アシックス(ASICS)
スポーツシューズ由来の快適性とデザイン性を両立。
「GORE-TEX採用モデル」や「BOAフィットシステム搭載」など、履き心地にこだわった製品が人気です。
動きやすく、疲れにくい点も評価されています。
TULTEX(タルテックス)
コスパ重視で人気のブランド。
防水仕様でありながら軽量なモデルが多く、5,000円前後で購入できるものもあります。
「防水透湿」「滑りにくいソール」「デザイン性の高さ」が特徴。
シモン(Simon)
JIS・JSAA両対応モデルを展開する老舗メーカー。
防水・耐滑・耐油など、機能性を重視した設計が特徴で、重作業現場でも信頼性があります。
プーマセーフティ(PUMA SAFETY)
ドイツ発のブランドで、デザイン性が高く、作業現場以外でも履きたくなるスタイル。
防水+クッション性を兼ね備えた高機能モデルが揃っています。
防水安全靴おすすめ9選(タイプ別紹介)
ここでは、防水性・滑りにくさ・履き心地を総合的に評価した人気モデルをタイプ別にピックアップします。
1. ミドリ安全 MWJシリーズ
完全防水設計で、水場作業や雨天時にも対応。
ソールは耐油・耐滑仕様で、厨房や食品加工にもおすすめ。
2. アシックス ウィンジョブ CP304 BOA GORE-TEX
GORE-TEX搭載の高機能モデル。
防水透湿性に優れ、BOAダイヤルで着脱もスムーズ。
屋外建設現場での使用にも人気です。
3. TULTEX 56382 防水安全靴
コスパ最強モデル。
防水構造+滑りにくいソールで、日常の軽作業や雨天対応にもぴったり。
4. シモン WS38R 防水ハイカット
ハイカットで足首をしっかり保護。
防水加工に加え、耐滑性能も高く、ぬかるみ環境にも強い設計です。
5. プーマセーフティ Elevate Knit Waterproof
スポーティな見た目と防水性能を両立。
柔らかいニット素材ながら水を通さず、スタイリッシュな作業靴として人気。
6. ミズノ オールマイティ LSⅡ GORE-TEX
軽量設計+透湿防水。
全天候対応の万能タイプで、足ムレを軽減し快適な作業をサポート。
7. ドンケル 完全防水ラバー安全靴
総ゴム製の完全防水。
水槽作業や農作業など、水に強い環境で活躍。
8. アシックス CP209 BOA 防水モデル
BOA搭載でフィット感抜群。
防水透湿素材とグリップ力のあるソールで、滑りやすい床でも安心。
9. ミドリ安全 防水長靴タイプ
長時間の屋外作業や雪道に最適。
防寒ライナー付きモデルもあり、冬季にも対応可能。
防水安全靴のメンテナンスと注意点
どんなに高性能でも、使い方次第で寿命は変わります。
- 使用後は泥や水を拭き取り、風通しの良い場所で乾燥させる
- 乾燥機や直火はNG(接着剤や素材の劣化原因)
- ソールや防水層のひび割れが見えたら交換時期
特にGORE-TEXなどの透湿防水素材は、定期的な撥水スプレーで性能を維持できます。
防水仕様の安全靴で雨の日も快適に!
防水仕様の安全靴は、ただ濡れないための靴ではありません。
安全性、快適性、滑りにくさなど、現場でのパフォーマンスを高めるための重要な装備です。
ミドリ安全やアシックスをはじめ、各ブランドから多様なモデルが登場している今、
自分の作業環境に合った一足を選ぶことが、快適で安全な仕事につながります。
濡れた床でも安心して動ける。
それが「防水安全靴」の最大の魅力です。


