赤ちゃんがよちよちと歩き始める姿は、親にとって何よりもうれしい瞬間。
そのときに考えるのが「ファーストシューズをどう選ぶか」ではないでしょうか。
そして、候補として多くの人が思い浮かべるブランドのひとつが「ニューバランス」。
でも一部では、「ニューバランスはファーストシューズに良くない」との声も耳にします。
本当にそうなのでしょうか？ ここでは専門家の意見や実際の口コミをもとに、選び方のポイントと注意点を丁寧に解説します。
ファーストシューズとは？赤ちゃんの足の発達を理解しよう
まず知っておきたいのは、赤ちゃんの足は大人とまったく違うということです。
生まれたばかりの足は、骨がまだ柔らかい軟骨の状態で、アーチ（土踏まず）も形成途中。
指先で地面をつかむように歩くため、指先が自由に動かせる靴でなければ自然な歩行を妨げてしまいます。
さらに、成長がとても早いのも特徴です。
たった数か月で足のサイズが変わることもあり、「今ちょうどいいサイズ」はすぐに合わなくなることも。
だからこそ、ファーストシューズ選びでは「成長を支える靴」を選ぶ意識が欠かせません。
ファーストシューズに求められる条件
ファーストシューズは単なる“靴”ではなく、歩行を支える“道具”です。
専門家が共通して挙げる条件は、次のようなものです。
- 靴底が柔らかく、指の付け根あたりでしっかり曲がること
- 地面の感覚が伝わる厚すぎないソール
- つま先に5〜10mmほどの余裕があり、指が自由に動かせること
- かかとがしっかり固定されること（ホールド感）
- 足幅・甲の高さにフィットする設計であること
- 脱ぎ履きしやすく、足を入れやすい開口構造であること
- 通気性・軽さ・肌触りなど、素材の快適性があること
これらを満たしていれば、ブランドを問わず赤ちゃんの足を正しく支えられます。
逆に、靴底が硬い・重い・足首が固定されすぎて動かない靴は、歩く練習には向きません。
ニューバランスのファーストシューズはどんな靴？
ニューバランスには、歩き始めの赤ちゃん向けに「NEW-B FIRST」などの専用ラインがあります。
このシリーズは「よちよち歩きのサポート」を目的に設計されており、以下のような特徴があります。
- 屈曲性の高いアウトソールで足の動きに自然に沿う
- 面ファスナー（マジックテープ）仕様で、開口部が大きく履かせやすい
- かかとがしっかりしており、ブレにくい構造
- 軽くて柔らかい素材を使用
- 幅広（Wワイズ）も選べるラインアップ
さらに、サイズ展開が0.5cm刻みで細かく設定されており、成長段階に合わせて調整しやすい点も好評です。
「親子でお揃いコーデができるデザイン」という点も、ニューバランスならではの魅力といえます。
「ニューバランスは良くない」と言われる理由
とはいえ、ネット上では「ニューバランスはファーストシューズに向かない」と感じたという意見もあります。
その理由は主に次のような点にあります。
1. モデルによって足首のサポートが弱い
ニューバランスのベビーラインはローカットタイプが多く、足首のホールド感を求める人には物足りなく感じることもあります。
特に、歩き始めの初期で足首がぐらつきやすい子には、もう少し高さのあるミッドカットやハイカットが安心です。
2. 生地がやや硬いと感じる人も
一部の保護者からは「生地が少し硬めで、柔らかい靴のほうが履かせやすかった」という声も。
ただしこれは個人差があり、足型や歩行の状態によって評価が分かれます。
3. 日本人の足型に完全フィットとは限らない
ニューバランスはアメリカ発のブランドであり、海外仕様の設計がベース。
日本人特有の幅広・甲高の足には合わない場合もあります。
このため、国内ブランド（スクスク、イフミー、ミキハウスなど）の靴と比較検討する人も多いです。
4. デザイン重視で機能を軽視するケース
「かわいいから」「ブランドだから」という理由だけで選ぶと、足に合わないケースも。
赤ちゃんの靴は“履けるかどうか”より“歩きやすいかどうか”が最重要です。
専門家が教えるニューバランスの選び方
「ニューバランスを選びたいけど、失敗したくない」という人は、次のポイントを意識しましょう。
- 足のサイズを計測し、つま先に5〜10mmの余裕を確保する
- 足幅・甲の高さに合わせてワイズを選ぶ（Wワイズ推奨）
- 足首がぐらつきやすい子は、ホールド力のあるモデルを選ぶ
- 靴底の柔らかさをチェック。親指の付け根で軽く曲がるか確認
- かかとを指で押してみて、適度な硬さと安定感があるか確認
- 脱ぎ履きのしやすさをチェック（両開きや広い面ファスナーが便利）
店頭で試し履きをするのが理想ですが、通販で購入する場合もサイズ交換可能なショップを選ぶと安心です。
ニューバランスと他ブランドをどう比較する？
ファーストシューズ市場には、ニューバランス以外にも多くの選択肢があります。
たとえば、アシックスの「スクスク」シリーズや、イフミーの「ベビーシューズ」は日本人の足型に特化した設計で知られています。
それぞれ一長一短があるため、ニューバランスが絶対に劣るわけではありません。
ニューバランスは「軽くて柔らかい、履かせやすい靴」が得意。
一方、アシックスなどは「安定性とホールド力」が強みです。
お子さんの足がしっかりしてきた後半期ならニューバランスも選びやすく、歩き始め初期にはサポート力のある靴を選ぶとバランスが取れます。
ファーストシューズ選びで失敗しないために
ファーストシューズは、見た目よりも「その子に合っているか」がすべてです。
ありがちな失敗を防ぐために、次の点を意識しておきましょう。
- まだしっかり歩けない段階で早く履かせすぎない
- 「少し大きめで長く履ける」はNG。ブカブカだと足が前滑りして危険
- 成長スピードが速いので、2〜3か月ごとにサイズチェックを行う
- 靴を嫌がるようなら、まずは室内で慣らす
- 歩くときの姿勢やバランスを観察し、合っていない様子があればすぐ見直す
靴選びは親がサポートできる大事な発達プロセスです。
履かせたときに自然に立ち、笑顔で歩ける靴こそが、理想のファーストシューズといえます。
ファーストシューズにニューバランスは良くない？最終的な結論
結論から言えば、「ニューバランスは良くない」というのは一面的な見方です。
確かに、モデルによっては足首のホールド力が弱かったり、日本人の足型に合わない場合もあります。
しかし、柔らかくて軽く、履かせやすい設計のモデルも多く存在します。
重要なのは、ブランドではなく「お子さんの足と歩き方に合っているか」。
同じニューバランスでも、サイズやモデルを正しく選べば安心して使えます。
もし足首が不安定なら、よりサポート力のあるタイプを選び、店頭でフィッティングを確認することが大切です。
ファーストシューズは、赤ちゃんの「初めての一歩」を支える大切な相棒。
ニューバランスを含むどのブランドでも、“その子の足にフィットする靴”を選べば、それが最良の選択になります。
見た目やブランドだけにとらわれず、歩きやすさ・履きやすさ・快適さを第一に選んであげましょう。
まとめ
ファーストシューズにニューバランスは良くない——そう感じる人もいますが、すべての赤ちゃんに当てはまるわけではありません。
大切なのは、サイズ・足形・歩行の状態を見極め、最適な靴を選ぶこと。
ニューバランスはその条件を満たせば、十分に信頼できる選択肢のひとつです。
赤ちゃんの小さな足が、安心して最初の一歩を踏み出せるように。
ブランド名より、「その子の足に合った一足」を見つけることこそ、親としてのいちばんのサポートになるはずです。
