スニーカー好きなら一度は耳にしたことがある「ニューバランス 990シリーズ」。同じニューバランスでも、3万円を超えるモデルと1万円台のモデルでは、見た目や履き心地、使われている素材がまるで違います。この記事では、ニューバランスの中でも“高級”と呼ばれる理由、人気のモデル、そして選び方のポイントまでをじっくり解説します。
ニューバランスが“高級”といわれる理由
ニューバランスのスニーカーは、もともとランニングシューズとして誕生したブランドです。1906年、アメリカ・ボストンで足のアーチをサポートする矯正靴メーカーとして創業し、その技術をベースに作られたスニーカーは「履き心地の良さ」で多くのファンを魅了してきました。
では、なぜ一部のモデルが“高級”と呼ばれるのか。主な理由は次の3つです。
- 素材の質が圧倒的に違う
高級モデルでは、アッパーにフルグレインレザーやプレミアムスエードなど、上質な天然素材を使用。見た目の高級感だけでなく、履くほどに足になじむ経年変化も魅力です。 - 職人の手作業による生産
アメリカやイギリスの工場では、今でも一部工程が手作業。糸の縫い目やパーツの重ね方に職人技が光ります。量産品には出せない“味”がここにあります。 - 履き心地と耐久性が別格
高級モデルでは、ENCAP(エンキャップ)やABZORB(アブゾーブ)などの高機能クッションを搭載。柔らかさと安定感を両立し、長時間履いても疲れにくい設計です。
つまりニューバランスの高級モデルは、「素材・技術・クラフトマンシップ」の3拍子がそろった“機能美の結晶”なのです。
Made in USAとMade in UKの違いを知る
高級ラインを語るうえで欠かせないのが「生産国」の違いです。ニューバランスはアメリカとイギリスにそれぞれ独自の工場を持ち、どちらもブランドの象徴的存在になっています。
Made in USA
アメリカ製のモデルは、クラシックなランニングスタイルをベースにしつつ、最新のクッション技術を採用。クッション性が高く、安定感のある履き心地が特徴です。代表的なモデルには、ニューバランス 990シリーズやニューバランス 992、**ニューバランス 993**などがあります。
特に990シリーズは1982年に初代が登場し、「1000点満点中990点の完成度」というキャッチコピーで人気を博しました。以降、V2、V3、V4、V5、V6と進化を重ね、常に“ニューバランスの最高峰”と評されています。
Made in UK
一方のイギリス製は、伝統的な靴づくりの文化を生かしたクラフト感が魅力。レザーの質感や色味の出し方にこだわり、街履きにも映えるスタイリッシュな仕上がりです。代表的なモデルは**ニューバランス 1500やM991**など。フォーマルにも合わせやすい落ち着いたデザインが人気です。
ニューバランスの高級モデル代表格
ここからは、実際に「高級モデル」として定番・人気を誇る代表的なスニーカーを紹介します。
ニューバランス 990シリーズ(Made in USA)
ニューバランスの象徴ともいえるシリーズ。現行モデルの「ニューバランス 990v6」は、従来の重厚感を保ちつつも軽量化され、より柔らかく反発性のある履き心地を実現しています。上質なピッグスキンスエードとメッシュのコンビが美しく、履くだけで“大人の足元”を演出してくれます。
ニューバランス 992(Made in USA)
2006年に誕生したモデルで、スティーブ・ジョブズが愛用したことでも知られています。ボリュームのあるソールとクラシックなデザインが特徴で、復刻版も常に人気。ABZORB SBSを搭載し、クッション性と安定性が抜群です。
ニューバランス 993(Made in USA)
992の後継として誕生したモデル。弾力性に優れ、履いた瞬間に包み込まれるような感覚があります。ジョギングから街歩きまで幅広く対応でき、履き心地のよさでファンが絶えません。
ニューバランス 1500(Made in UK)
1989年に登場した、イギリス製ニューバランスの代表作。アッパーにはプレミアムスエードやフルグレインレザーを使用し、サイドに大きく入る「N」ロゴは刺繍で立体的に表現されています。細身のシルエットで、スラックスにも相性抜群。
ニューバランス 1300(Made in USA)
1985年に発売され、“スニーカーのロールスロイス”と称された伝説的モデル。日本でもファッション界の重鎮たちが絶賛し、復刻するたびに完売する人気ぶりです。ENCAP構造による安定感と、柔らかく上品なレザーの質感が特徴です。
ニューバランス 1700(Made in USA)
1999年発売のフラッグシップモデルで、クッション性・安定性・デザインすべてがハイレベル。レトロな見た目ながら近未来的なソール構造を備え、今もファンが多い一足です。
高級モデルを選ぶときのチェックポイント
高価なスニーカーだからこそ、選ぶ際は細部まで見逃せません。失敗しないためのポイントを整理しておきましょう。
- 製造国をチェックする
USAまたはUKの表記があるかを確認。価格差だけでなく、素材・履き心地・品質の違いを実感できます。 - 素材と質感を確認
ピッグスキンやフルグレインレザーなど、上質な天然素材が使われているかをチェック。安価なモデルは合成皮革が多いため、質感に差が出ます。 - 履き心地と木型(ラスト)
ニューバランスには「SL-1」「SL-2」「PL-1」など複数のラスト(靴型)が存在し、モデルごとにフィット感が異なります。試着時には足幅や甲の高さも考慮するのがポイントです。 - デザインとコーディネート性
高級モデルはシンプルながら存在感があります。カジュアルにもきれいめにも合わせやすく、服を選ばない万能さが魅力です。 - 価格と価値のバランス
3万円台〜4万円台が中心ですが、限定モデルや復刻版はさらに高額になることも。価格だけでなく、長く履けるか・メンテナンスが可能かも大切な判断基準です。
高級モデルの魅力は“履くたびに味が出る”こと
ニューバランスの高級モデルは、履き始めよりも時間が経つほど魅力が増していきます。革が足になじみ、スエードの毛並みが変化し、ソールが自分の歩き方に合わせて沈み込む。まるで相棒のように育つスニーカーです。
これは大量生産のスニーカーではなかなか味わえない感覚。1足の価格は決して安くありませんが、「長く愛用できる」「履くほどに自分仕様になる」と考えれば、コストパフォーマンスはむしろ高いと言えるでしょう。
注目のトレンドと今後の展開
近年は、ニューバランスとラグジュアリーブランドとのコラボも増えています。上質な素材やデザインを取り入れた限定モデルは、ファッションアイテムとしての存在感も抜群。
また、サステナブル素材を使った新シリーズも登場しており、「環境に配慮した高級スニーカー」という新しい価値観も広がっています。
さらに、国内外のファッションシーンでは“高級スニーカーをきれいめスタイルに合わせる”コーデが定番化。ジャケットやスラックスにも映えるニューバランスは、オンオフ問わず活躍する万能選手です。
ニューバランスの高級モデルで、足元から上質に
ニューバランスの高級モデルは、単なるスニーカーではなく「大人の足元を格上げする相棒」です。履き心地、素材、デザイン、どれを取っても一度履けば違いが分かるはず。
もし初めて手に取るなら、まずはニューバランス 990シリーズかニューバランス 1500シリーズがおすすめです。どちらも伝統と革新を兼ね備えた名作で、長く愛用できる完成度を誇ります。
毎日履く靴だからこそ、上質な一足を選びたい。ニューバランス 990シリーズのような高級モデルは、そんな大人のこだわりを満たしてくれる存在です。


