ニューバランスのスニーカーといえば、「履き心地がいい」「長く使える」という印象が強いですよね。
でも、その中でも特に“高いやつ”と呼ばれるモデルがあります。価格を見て「なぜこんなに高いの？」と驚いたことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな“高いやつ”＝プレミアムラインのニューバランスを深掘りします。製造国や素材、限定モデルの背景などを知れば、きっと「なるほど、この値段にも理由があるんだ」と感じられるはずです。
なぜニューバランスには「高いやつ」が存在するのか
同じブランドのスニーカーでも、1万円台のものもあれば、5万円近いモデルもあります。この差を生み出している大きな要因が「製造国」「素材」「仕立て」「限定性」の4つ。
特に注目すべきは、Made in USA と Made in UK のラインです。これらは一般的なアジア製ラインと違い、アメリカやイギリスの自社工場で職人が手作業で組み上げています。ミシンの縫い方やソールの仕上げまで一つ一つ丁寧に作られており、工業製品というより“工芸品”に近い存在です。
また、使用されている素材も特別。上質なピッグスエードやフルグレインレザーなどを贅沢に使い、時間とコストをかけて仕上げられています。その結果、履き心地はもちろん、見た目の高級感や耐久性も別格です。
Made in USA モデルの魅力 ― 職人のこだわりが詰まった一足
アメリカ・メイン州にある工場で生産される「Made in USA」シリーズは、ニューバランスの象徴的な存在。代表モデルのひとつが 990v6。
定価はおよそ4万円前後と高めですが、その分だけ履き心地の安定感、クッション性、デザインの完成度が際立っています。ソールに採用されている ENCAP 構造は、衝撃吸収と反発力を両立。長時間の歩行でも足が疲れにくく、ビジネスカジュアルや街歩きにもぴったりです。
また、993 や 1300JP などのモデルも人気。特に1300JPは5年に一度しか復刻されない“幻の一足”として知られ、発売のたびに即完売します。アメリカ製ならではの無骨でクラシックなフォルムは、履くだけで大人の風格を感じさせます。
Made in UK モデル ― 英国伝統のクラフトマンシップ
もう一つの高価格ラインが、イギリス・フリンビー工場で作られる Made in UK シリーズ。こちらも手作業の多い製造工程を守り続け、クラシックな雰囲気と上質な仕立てが特徴です。
特に人気なのが 1500 シリーズ。アッパーにピッグスエードやメッシュを組み合わせたデザインは、上品さと軽快さを兼ね備えています。定価は約3万5千〜4万円ほど。日本でもファッション好きの間で高評価を得ています。
UKモデルの魅力は、どこか上品で“都会的”な雰囲気にあります。USA製が「ヘリテージ」「無骨」なら、UK製は「洗練」「職人技」。同じニューバランスでも、国によって個性がはっきり分かれるのもファンを惹きつける理由です。
限定・コラボモデル ― 「高いやつ」の代名詞
高価格帯の中でも特に注目されるのが、限定コラボモデルやアーカイブ復刻モデル。これらは「高いやつ」と言われる中でも別格の存在です。
例えば、世界的ブランド Kith（キス）とのコラボで登場した 992 や 991v2 は、ラグジュアリー感たっぷりの仕上がり。素材の切り替えやカラーリングが細部まで緻密で、まるでアート作品のようです。
また、伝説的な「1300JP」は1985年の初登場以来、5年に一度しかリリースされない特別なモデル。定価が7万円を超えることもあり、「ニューバランスのロールスロイス」と呼ばれることもあります。
限定モデルは、コレクターズアイテムとしての価値も高く、購入後にプレミア価格がつくこともしばしば。まさに“履ける資産”といえるでしょう。
プレミアム素材が生む履き心地と美しさ
高価格モデルのもう一つの特徴が、素材のクオリティ。たとえば、フルグレインレザーやヌバックレザー、ピッグスエードなど、上質で耐久性のある天然素材が惜しみなく使われています。
これらは履くほどに足に馴染み、経年変化で味わいが深まります。スニーカーでありながら、レザーシューズのような「育てる楽しみ」を味わえるのはプレミアムモデルならでは。
また、ミッドソールやインソールの素材もアップグレードされており、長時間履いても疲れにくい構造に。特にUSA製モデルのENCAPやABZORBなどのクッション技術は、価格に見合う快適さを感じさせてくれます。
「高いやつ」を選ぶときのポイント
高価格帯のモデルを検討するときは、いくつかのポイントを意識すると失敗しません。
- 製造国を確認する
「Made in USA」や「Made in UK」の刻印があるモデルは、基本的にプレミアムラインです。 - 素材の違いを見る
同じデザインでも、スエード・メッシュ・レザーなど素材のグレードによって価格が変わります。 - 限定モデルかどうかをチェック
数量限定やコラボモデルは価格が高い分、希少性があります。 - 自分の用途を明確にする
“履くために買う”のか、“コレクションとして持つ”のかで選ぶモデルも変わります。
高価格モデルは、単なる靴ではなく「ライフスタイルの一部」として選ばれる存在です。
日本人にとっての「高いやつ」の価値とは
日本では特に、アメリカやイギリス製のニューバランスが“憧れの一足”として扱われています。理由は、素材の良さや履き心地だけでなく、「物づくりへの敬意」が背景にあるからです。
スニーカーという日常的なアイテムに、手仕事や伝統を感じられる。そこに日本人らしい美意識が響くのかもしれません。実際、UK製やUSA製を履いていると「大切にしている感じ」「通っぽい雰囲気」が出るという声も多いです。
さらに、修理やメンテナンスをしながら長く使える点も魅力。高価格モデルを「育てる」「味わう」といった文化が浸透しているのもニューバランスらしい特徴です。
ニューバランスの高いやつは“憧れ”を形にする靴
結局のところ、ニューバランスで“高いやつ”と呼ばれるモデルは、価格だけで語れるものではありません。
そこには、職人の技術、素材のこだわり、歴史の積み重ね、限定性、そして履く人の価値観が凝縮されています。
「ただのスニーカー」ではなく、「長く付き合える相棒」。
そんな存在を求めるなら、Made in USA や Made in UK のラインを一度手に取ってみてください。
履くたびに感じる質感、歩くたびにわかる違い――きっと“高いやつ”の本当の意味がわかるはずです。
