スニーカー好きなら、一度は「お気に入りの靴がボロボロになって崩れた…」という経験があるかもしれません。
その原因のひとつが「加水分解」。実は、これが起こるかどうかは素材や構造によって大きく変わります。
今回は、ニューバランスで加水分解しない(しにくい)モデルをテーマに、長持ちする人気スニーカーの選び方とおすすめモデルを分かりやすく紹介します。
加水分解とは?なぜスニーカーが崩れるのか
加水分解とは、空気中の水分や湿気が靴の素材に含まれる化学結合を切断してしまう現象のこと。
特にスニーカーの「ミッドソール(靴底のクッション部分)」に使われる**ポリウレタン(PU)**という素材が反応しやすく、経年でボロボロになってしまうのです。
見た目は新品同様でも、数年ぶりに箱から出してみたらソールが崩れていた——。
そんな悲しい加水分解は、履かずに保管していても起こります。湿度や温度、保管状態が悪いと、時間とともに劣化が進行していくのです。
ニューバランスで加水分解しやすい素材・しにくい素材
ニューバランスのスニーカーには、モデルごとに異なるソール構造があります。
加水分解が起こりやすいものと、比較的長持ちするものを見分けるには、使われている素材とミッドソール技術を知ることが大切です。
加水分解しやすい素材:ポリウレタン(PU)
PUは軽くてクッション性に優れますが、湿気に弱いのが欠点。
ニューバランスで言えば、「ENCAP(エンキャップ)」や「ABZORB(アブゾーブ)」といった技術が使われているモデルでは、このPU素材が採用されていることがあります。
代表的なモデルには、M1300やM1400、M1500などのクラシック系が挙げられます。これらは履き心地は抜群ですが、経年劣化のリスクもあるタイプです。
加水分解しにくい素材:EVA(エチレン酢酸ビニル)
EVAは水分に対して安定しており、加水分解が起こりにくい素材として知られています。
ニューバランスでEVAを使った代表的な技術が「C-CAP(シーキャップ)」。圧縮EVAを使用した構造で、軽さと耐久性を両立しています。
つまり、ENCAPよりもC-CAP採用モデルのほうが、長期保管に強く、加水分解のリスクが低いということです。
加水分解しない(しにくい)ニューバランスの代表モデル
では、実際にどのモデルを選べば安心なのか。
ここでは、EVA主体で加水分解しにくいとされる代表的なモデルを紹介します。
CM996シリーズ(C-CAP搭載)
ニューバランスの定番モデル「996」のアジアメイド版である**CM996**シリーズは、C-CAPミッドソールを採用しています。
見た目はクラシックながら、中身は耐久性重視。EVA素材中心の構造で、湿気や時間に強いのが特徴です。
日常使いにも、長期的に履きたい人にもおすすめのバランスモデルです。
WL996/ML574などのEVA系モデル
女性向けのWL996や、カジュアルラインのML574もC-CAP構造を採用しています。
どちらも履き心地が柔らかく、加水分解のリスクを抑えつつ快適なクッション性を維持。
「長く履けるニューバランス」を探すなら、このラインは鉄板といえるでしょう。
Fresh Foam・REV LITE・Acteva 搭載モデル
近年のニューバランスは、より軽量で劣化しにくいミッドソール素材を開発しています。
「Fresh Foam(フレッシュフォーム)」や「REV LITE(レブライト)」「Acteva」などは、ポリウレタンを使わないEVAベースの素材。
そのため、加水分解に強く、軽量で柔らかい履き心地を実現しています。
ランニングモデルの「FuelCell」シリーズなども同様に、劣化リスクを抑えた現行設計です。
見分け方のコツ:加水分解しないモデルを選ぶには?
スニーカーを買うとき、箱や商品タグ、公式サイトのスペック欄に「ミッドソール構造」が書かれています。
そこをチェックすれば、加水分解のリスクをおおよそ判断できます。
- 「C-CAP」「REV LITE」「Fresh Foam」などの表記 → EVA主体、加水分解しにくい。
- 「ENCAP」「ABZORB」などの表記 → PU素材含む可能性あり、湿気対策が必要。
特に長く履きたい・保管したい場合は、C-CAPなどEVA主体の設計を選ぶのが安全です。
また、同じモデルでも生産地域(Made in USA/Made in Asia)で構造が異なる場合があるため、仕様をよく確認するのがおすすめです。
保管・メンテナンスで寿命をさらに伸ばす方法
加水分解を防ぐには、素材選びだけでなく「保管の仕方」も重要です。
履かずに放置すると湿気がこもり、逆に劣化を早めることもあります。
1. 湿気を避ける
押入れや靴箱など湿度が高い場所はNG。
風通しのよい場所で、**乾燥剤(シリカゲル)**を入れて保管するのがベストです。
2. たまに履く
まったく履かずに数年間放置すると、ソールの内部に湿気がたまりやすくなります。
月に1回でもいいので、軽く履いて歩くことで空気を通し、加水分解の進行を遅らせることができます。
3. 防水スプレーやケア用品を活用
撥水スプレーや靴用乾燥剤を併用することで、湿度と汚れの侵入を防げます。
ただし、直接的に加水分解を止めるわけではないため、あくまで“補助的な予防”と考えましょう。
劣化サインと対処法
もしミッドソールにヒビ割れや粉吹きが見えたら、加水分解が始まっているサインです。
履くたびにカスが出たり、ソールが剥がれてきたら修理を検討しましょう。
ニューバランスの一部モデルでは、「ソールスワップ(ミッドソール交換)」という修理サービスを受けられるケースもあります。
専門の修理業者でEVAソールに交換すれば、また数年履き続けることが可能です。
長持ちするスニーカーを選ぶために覚えておきたいこと
- C-CAP・REV LITE・Fresh FoamなどEVA主体のモデルを選ぶ
- ENCAPやABZORBなどPU入りモデルは湿気に注意
- 定期的に履き、風通しのよい場所で保管
- 乾燥剤や防水スプレーで湿気対策を行う
この4つを守るだけで、スニーカーの寿命は大きく変わります。
「加水分解しないモデル」を選び、「加水分解させない使い方」をする。
この両面から対策するのが、スニーカーを長く楽しむコツです。
ニューバランスで加水分解しないモデルを選んで、長く愛用しよう
ニューバランスの魅力は、履き心地の良さとタイムレスなデザイン。
お気に入りの一足を長く楽しむためには、加水分解しにくい素材を選ぶことと、日々のケアを怠らないことが何より大切です。
CM996をはじめとするC-CAP搭載モデルや、Fresh FoamシリーズなどのEVA構造モデルなら、長く快適に履き続けられるでしょう。
「ニューバランス 加水分解しないモデル」を知ることは、靴を大切に扱う第一歩。
あなたの足元を支えるお気に入りの一足を、これからもずっと輝かせていきましょう。


