お気に入りのニューバランス、気づけばソールがすり減っていたり、かかとの内側が破れていたりしませんか?
「もう履けないかな」と思っても、実はニューバランスには公式の修理サービスがあり、愛用の一足を再び甦らせることができます。ここでは、修理を検討するタイミングや利用方法、さらに長持ちさせるためのコツまでをまとめて紹介します。
ニューバランスのスニーカーが修理できるって本当?
意外と知られていませんが、ニューバランスには「シューズリペアサービス」という正規修理制度があります。
これは、ミッドソールの加水分解やアウトソールの摩耗など、経年劣化による損傷を修復するためのもので、純正部材を使って再生してくれるのが特徴です。
対象となるのは一部のモデルに限られており、すべてのスニーカーが修理できるわけではありません。代表的なクラシックモデルや、MADE IN USA/UKシリーズなど、一定価格帯以上のモデルが中心。
一方で、ニューバランス 574などの定番普及モデルは修理対象外のケースが多いので注意が必要です。
公式修理サービスの内容と料金目安
公式の修理内容は主に次の2種類です。
- オールソール交換修理:靴底全体の張り替え。ソール摩耗や加水分解に対応。
- オールソール+ライニング交換修理:ソール交換に加え、かかと内側のライニング(裏張り)も新品に張り替えるメニュー。
料金の目安は、オールソール交換でおよそ12,000円前後、ライニングも含めると18,000円前後。
決して安いとは言えませんが、限定モデルや履き慣れた一足を再生できることを考えると、その価値は十分にあります。
修理期間はおおむね2〜3か月ほど。職人による手作業のため時間がかかりますが、仕上がりの丁寧さに満足する声が多いのも事実です。
修理を依頼する手順と注意点
修理をお願いするには、まず手持ちのスニーカーが対象モデルかを確認します。
靴のベロ裏にあるタグや箱の側面に品番が記載されているので、それをもとにニューバランス公式サイトの「リペア対象モデル一覧」をチェックします。
対象であれば、公式の「お客様相談室」へ電話で問い合わせましょう。
モデル名・状態を伝えると、修理可否や見積もり、手続きの流れを案内してもらえます。
依頼は店舗ではなく郵送のみで、指定の住所へ靴を送る形です。
注意したいのは次のポイントです。
- 修理は基本的に1回限りの対応。2回目以降は断られることもある。
- 修理対象や料金は変更される可能性があるため、必ず最新情報を確認。
- 部材の在庫がなくなると受付終了になることもある。
- 修理後でも新品同様に戻るわけではなく、履き心地や内部構造には経年の影響が残る場合がある。
このあたりを理解したうえで依頼すれば、安心して任せられます。
修理を検討すべきサインとは?
「そろそろ修理に出したほうがいいかな」と迷ったときは、次のサインを目安にしてみてください。
- ソールがすり減り、滑りやすくなっている
- ミッドソールが潰れてクッション性がなくなった
- ソールとアッパーの接着が剥がれてきた
- かかとの内側が破れて靴下に引っかかる
- アッパー素材のひび割れや剥離が目立つ
特に、ポリウレタン素材のミッドソールは湿気で劣化しやすく、製造から3〜5年ほどで加水分解が起きることがあります。
見た目がきれいでも内部がボロボロになっているケースもあるため、早めの判断が大切です。
自分でできるメンテナンスで寿命を延ばす
修理に出す前に、日常のケアで劣化を防ぐことも大切です。
ニューバランス公式サイトでは、素材別のお手入れ方法が紹介されています。
- スエード素材:専用ブラシでほこりを取り、スエード用クリーナーで汚れを落とす。
- レザー素材:柔らかい布で乾拭きし、保革クリームでツヤを保つ。
- メッシュ素材:中性洗剤を薄めたぬるま湯で軽く拭き取り、陰干しする。
- 保管:直射日光や高温多湿、車内放置を避け、風通しの良い場所で保管する。
また、アウトソールやつま先の剥がれは、専用接着剤を使ったDIY補修も可能です。
例えば、シューグー アロンαなどを使うと、剥がれた部分をしっかり補修できます。
ただし、これはあくまで応急処置。劣化が進んでいる場合は、公式または専門工房に相談するのが無難です。
公式修理以外の選択肢:専門工房という手も
もし公式で対応できないモデルや箇所であれば、スニーカー修理専門の工房を利用する方法もあります。
全国にはニューバランスの修理経験が豊富な店舗があり、かかと内側の破れやリフレクター部の劣化など、細かな補修に対応しています。
工房修理のメリットは柔軟さ。公式では断られる箇所でも相談可能で、修理内容をカスタマイズできることが多いです。
一方、純正部材ではないため、履き心地や色味がわずかに変わる可能性があります。
「純正の状態を保ちたいなら公式」「機能重視なら工房」と使い分けるのが理想です。
修理後のケアでさらに長持ち
せっかく修理しても、手入れを怠ると再び劣化は進みます。
修理後は次のような習慣を取り入れましょう。
- 履いたあとはブラシで汚れを落とし、陰干しして湿気を飛ばす
- 1日履いたら2日休ませるローテーションを意識する
- 防水スプレーや保革クリームで定期的に保護する
- 長期保管時は乾燥剤を入れ、風通しのよい場所で保管する
この「使ったら休ませる・手入れする」の積み重ねが、スニーカーの寿命を大きく延ばします。
修理をするメリットとデメリットを整理
最後に、修理を検討するうえでのメリットとデメリットを整理しておきます。
メリット
- お気に入りのスニーカーを再び履ける
- 履き慣れたフィット感を保てる
- サステナブルな選択として環境にも優しい
- 純正部材で修理できる安心感
デメリット
- 費用がかかる(1万円超)
- 修理期間が長い
- 一部モデルは対象外
- 完全に新品同様には戻らない
とはいえ、ニューバランス 1300Jやニューバランス 1400のような名作を長く履き続けたい人にとって、「直してでも履きたい」と思える一足なら、修理の価値は十分あるでしょう。
ニューバランス修理でお気に入りを長く履こう
ニューバランスのスニーカーは、丁寧に手入れをすれば10年以上履き続けられるほど耐久性に優れています。
しかし、どんなに大切に扱っても経年劣化は避けられません。
そんなときこそ、公式修理サービスや専門工房を上手に活用して、愛着ある一足を再び蘇らせましょう。
修理と日常のケアを組み合わせることで、ニューバランスは「消耗品」ではなく「相棒」に変わります。
あなたの足に馴染んだそのスニーカーを、これからも長く大切に履き続けてください。


