世界で一番売れたスニーカーとしてギネス認定もされているアディダスの名作、スタンスミス。その完成されたミニマルなデザインは、どんなファッションにも馴染む最高の相棒ですよね。
でも、街を歩けば必ずと言っていいほど誰かと被ってしまうのが、人気モデルゆえの悩み。
「自分だけの特別な一足にしたい」
「古くなったスタンスミスを捨てずに蘇らせたい」
「ちょっとしたアクセントで個性を出したい」
そんな風に思ったことはありませんか?実は、スタンスミスは究極の「キャンバス」なんです。シンプルな白のアッパーは、少しの手を加えるだけで、世界に一つだけのカスタムスニーカーに生まれ変わります。
今回は、初心者でも挑戦できる簡単なアレンジから、プロ顔負けの本格ペイントまで、スタンスミスをカスタムするあらゆる方法を徹底解説します。
公式のカスタマイズサービス「Mi adidas」の現状と代わりの方法
かつてアディダスには「Mi adidas(マイアディダス)」という、オンラインで素材や色を自由に選んでオーダーメイドできる神サービスがありました。しかし、残念ながら現在はサービスが終了しています。
「じゃあ、もう公式でカスタムはできないの?」とガッカリするのはまだ早いです。2026年現在、アディダスは新しい形でユーザーの「こだわり」に応えてくれています。
adidas MakerLab(メーカーラボ)を活用する
現在、アディダスのフラッグシップストア(原宿や銀座などの大型店舗)には「MakerLab」という体験型スペースが設置されています。ここでは、購入したadidas スタンスミスにその場で手を加えることができるんです。
具体的には、専用のパッチをアイロンで貼り付けたり、シューレース(靴紐)を特別なカラーに交換したり、あるいはレーザー刻印で名前や数字を入れたりといったカスタマイズが可能です。デジタルなオーダーとは違い、自分の手で選んで形にしていくライブ感は、店舗ならではの贅沢な体験と言えるでしょう。
限定モデルや「書き込める」モデルを狙う
最近のアディダスは、最初から「カスタムされること」を前提としたモデルをリリースすることがあります。例えば、アッパー全体がキャンバス素材になっていて、付属のマジックで自由に色を塗れるタイプや、ベルクロ部分が付け替え可能になっているモデルなどです。
こうした限定モデルをベースに選べば、ゼロから道具を揃えなくても手軽にカスタムを楽しめます。
道具を揃えて挑戦!本格的なペイントカスタムの全手順
「せっかくなら、色を塗り替えてガラッと印象を変えたい!」という方におすすめなのが、スニーカー専用の塗料を使ったペイントカスタムです。一見難しそうに見えますが、正しい道具と手順さえ守れば、驚くほど綺麗に仕上がります。
必要な道具リスト
カスタムを始める前に、まずは形から入りましょう。以下の道具を揃えるのが成功への近道です。
- スニーカー専用塗料: アンジェラスペイントが世界中のカスタム職人の定番です。乾燥後も柔軟性があり、歩く時のシワで割れにくいのが特徴です。
- 下地処理剤(デグレイザー): 市販のスニーカー表面にあるコーティングを落とすために必須です。
- 筆セット: 細かい部分を塗るための細筆と、広い面を塗る平筆を用意しましょう。
- マスキングテープ: 塗りたくない部分(ソールやロゴなど)を保護するために使います。
手順1:徹底的な下地処理
ここが最も重要な工程です。買ってきたばかりのスタンスミスには、汚れ防止のコーティングが施されています。この上から直接塗料を塗っても、すぐにポロポロと剥がれてしまいます。
除光液や専用のデグレイザーを布に含ませ、アッパーを優しく拭き取ってください。表面のツヤが消えて、少しマットな質感になれば準備完了です。
手順2:マスキングで境界線を守る
ソール(靴底)や、スタンスミスの象徴であるヒールパッチのロゴなど、色を変えたくない部分にマスキングテープを貼ります。隙間があると塗料が入り込んでしまうので、爪先やヘラを使ってピッチリと貼り付けるのがコツです。
手順3:薄く、何度も塗り重ねる
いよいよ着色です。ここでやりがちな失敗が「一度に厚塗りしてしまうこと」です。厚塗りをすると、乾いた後にひび割れの原因になります。
「これ、色がついてる?」と思うくらいの薄さで、1層目を塗ってください。ドライヤーで乾かしながら、3回、4回と塗り重ねていくことで、ムラのない美しい発色が得られます。
手順4:フィニッシャーで仕上げる
塗料が完全に乾いたら、最後に保護剤(フィニッシャー)を塗ります。これによって、ツヤを出したり、逆にマットな質感にしたりと表情をコントロールできるだけでなく、摩擦や雨からの耐久性も格段にアップします。
不器用さんでも大丈夫!小物を使ったイージーカスタム術
「ペンキを塗るのはちょっとハードルが高い……」という方でも、5分でできるカスタマイズがあります。それは、パーツの交換です。
シューレース(靴紐)でヴィンテージ感を演出
スタンスミスの印象を最も簡単に変える方法は、靴紐を変えることです。標準の真っ白なポリエステル紐を、コットン製の「セイルカラー(生成り色)」や「アイボリー」に変えるだけで、まるで1970年代のデッドストックのようなヴィンテージ感が漂います。
また、スタンスミスにネオンカラーの紐を合わせてストリート感を強めたり、レザー製の紐で高級感を出したりと、組み合わせは無限大です。
デュブレとチャームでジュエリーのような輝きを
靴紐の通し始めの部分に付ける金属パーツ「デュブレ」を追加するのも人気です。ゴールドやシルバーの輝きが一点加わるだけで、スニーカーがまるでアクセサリーのような上品な佇まいに変わります。
さらに、最近ではシューレースに通す小さなチャームも豊富に販売されています。自分のイニシャルやラッキーモチーフを忍ばせてみるのも素敵ですね。
タッセルを付けてドレスシューズ風に
少し上級者向けのアレンジとして、靴紐部分にレザーの「タッセル(飾り房)」を後付けする方法があります。これだけで、カジュアルなスタンスミスが、スラックスにも合うドレッシーな一足に変身します。
素材の変化に注意!近年のスタンスミス特有のポイント
カスタムをする上で知っておかなければならないのが、素材の変化です。2021年以降、アディダスはサステナビリティへの取り組みとして、スタンスミスのメイン素材を本革(レザー)からリサイクル素材の「PRIMEGREEN(プライムグリーン)」へと切り替えました。
合成皮革へのペイントは工夫が必要
リサイクルポリエステルを使用した合成皮革は、本革に比べて塗料が浸透しにくい性質があります。そのため、ペイントカスタムをする際は、通常の下地処理に加えて、密着性を高めるための「プライマー(下地剤)」を使用することを強くおすすめします。
これをサボってしまうと、せっかく一生懸命塗った色が、履き始めてすぐに剥がれてしまう悲劇に見舞われるかもしれません。
加水分解したソールは専門店へ
もし、押し入れに眠っていた古いスタンスミスを復活させたいなら、ソールの状態をチェックしてください。ソールがボロボロに崩れる「加水分解」を起こしている場合、自分で直すのは困難です。
そんな時は、靴修理専門店の「ソールスワップ」というサービスを利用しましょう。アッパー(上の部分)だけを残し、新しいソールに丸ごと張り替えてもらうことで、愛着のある一足を再び履けるようになります。
失敗を防ぐための3つの鉄則
せっかくのアディダス スニーカーを台無しにしないために、以下の3点は必ず守りましょう。
- いきなり本番を塗らない: 不要になった古い靴や、革の端切れで練習してから本番に挑んでください。
- 安すぎる塗料は使わない: 100円ショップのペンなどは、定着力が弱く、雨に濡れると色が溶け出したり、服を汚したりするリスクがあります。
- 焦らない: 塗装の各工程で、しっかりと乾燥時間を設けることが、プロのような仕上がりへの一番の近道です。
カスタムの魅力は、完成した瞬間だけでなく、「どんなデザインにしようかな」と悩んでいる時間や、集中して手を動かしている時間そのものにあります。
まとめ:スタンスミスをカスタムする方法は?公式・ペイント・小物で自分だけの一足を!
スタンスミスは、その不変のデザインがあるからこそ、どんなカスタムを受け入れてくれる懐の深さを持っています。
公式のワークショップで体験するもよし、アンジェラスペイントで大胆に色を変えるもよし、あるいはお気に入りの靴紐に付け替えるだけでも、それは立派なカスタマイズです。
「世界に一つ、自分だけのスタンスミス」があれば、いつもの散歩道も、少しだけ誇らしい気持ちで歩けるはずです。失敗を恐れずに、まずは小さなアレンジから始めてみませんか?
今回ご紹介したアンジェラスペイントやスニーカー クリーナーを活用して、あなただけの最高の一足を完成させてくださいね。


