ランナーの間で話題になっている「ニューバランス パルス」シリーズ。正式には「FuelCell Pvlse v1(フューエルセル パルス v1)」というモデルで、薄底で軽量なレーシングフラットとして注目を集めています。この記事では、その特徴やサイズ感、実際の口コミまで、実体験に基づいた情報を詳しく解説します。
ニューバランス パルスとは?位置づけをチェック
ニューバランスのパルスシリーズは、同ブランドの人気ランニングライン「FuelCell(フューエルセル)」の中でも、薄底でスピードを重視したモデルです。
FuelCellフォームによる反発力と、地面をしっかりと蹴る感覚を両立しており、まさに「走る筋力を引き出す」タイプのシューズ。
厚底カーボンモデルのような“勝手に進む”感覚とは異なり、パルスは自分の足で前に進む軽快さが魅力です。公式では「軽量でミニマルなロードレーサー」と紹介されており、トラック競技にも対応する20mm以下のソール厚が特徴。
つまり、「地面との一体感」「足裏の感覚」を求めるランナーにぴったりの一足なのです。
特徴①:FuelCell Pvlse v1フォームが生み出す推進力
パルスの心臓部は、ニューバランス独自の「FuelCell Pvlse v1フォーム」。この素材は、軽量で高反発なEVA混合フォームで、足を前へ押し出すような推進感を生み出します。
ただし、厚底モデルのような“跳ねる”感覚ではなく、「しなやかで安定した反発」といったイメージ。地面をしっかり捉えながら、自分の足で加速していく感覚が味わえます。
ヒールとつま先の高低差はわずか2mm。ほぼフラットな設計のため、自然と前傾姿勢が取りやすく、トラックやスピード練習に向いています。
クッション性は控えめですが、反発感と安定性のバランスが良く、脚を鍛えたいランナーには理想的なモデルといえるでしょう。
特徴②:軽量かつ通気性に優れたメッシュアッパー
アッパーには、通気性の高いメッシュ素材を採用。足を包み込むような「FANTOM FIT」構造により、余計な縫い目を減らして軽量化とフィット感を両立しています。
履き口周りには適度なクッションがあり、素足感覚を残しつつもかかとのホールド感がしっかりしているのがポイント。
走行中に足がブレにくく、薄底でも安心してスピードを上げられる設計です。夏場の暑いトレーニングでも蒸れにくく、快適に走り続けられるとのレビューも多く見られます。
特徴③:20mm以下の薄底設計でトラック競技にも対応
パルス v1 のもうひとつの特徴は、「ワールドアスレティックス(旧IAAF)」のソール厚規定(20mm以下)を満たしている点です。
つまり、トラック競技でも公式ルール内で使用できるレーシングモデル。特に800m〜5000mなど、中距離〜長距離レースでの使用を意識した設計になっています。
アウトソールには、軽量ソリッドラバーと耐久性に優れた「N-Duranceラバー」を部位ごとに配置。これにより、薄底ながらも適度なグリップと耐久性を実現しています。
「トラックでもロードでも使える万能シューズ」として、多くのランナーに支持されている理由がここにあります。
サイズ感と履き心地の実際
レビューを総合すると、サイズ感は「普段のサイズでほぼジャスト」。
レギュラー幅(Dウィズ)のみの展開ですが、ややゆとりを感じるという声もあり、ワイドモデルを履いている人でも違和感が少ないようです。
ただし、足幅が非常に広い方や甲高の方は、試着をおすすめします。特に薄底でフィット感がタイトに感じやすいモデルのため、長時間走る場合は少し余裕のあるサイズを選ぶのも一案です。
履いた瞬間の印象としては「軽い」「足に吸い付くようなフィット感」「地面をしっかり感じる」といった声が多く聞かれます。
ただし、クッションが少ない分、ふくらはぎや足裏への負荷は高め。最初は短めの距離やスピード練習から慣らしていくと良いでしょう。
実際の口コミまとめ
高評価のポイント
- 地面を蹴る感覚が気持ちいい
- 軽量で足さばきがスムーズ
- 薄底でも意外とクッションを感じる
- トラック練習やスピード走に最適
- 価格が手ごろでコスパが良い
「薄底なのに足が痛くならない」「脚を使って走る感覚を取り戻せる」といったレビューが目立ちます。
特に、厚底モデルばかり履いてきたランナーからは「久しぶりに地面を蹴る楽しさを感じた」というコメントも多く、薄底トレーニングの導入モデルとして選ばれるケースが増えています。
改善を望む声
- クッションが少なく、長距離には不向き
- 足幅が広い人には少し窮屈
- カラー展開が少ない
- ソールが薄く、耐久性はやや控えめ
いずれも薄底設計ゆえの特徴であり、「厚底の快適さ」に慣れている人には最初少し硬く感じるかもしれません。
しかし、それを踏まえても「スピード練習やフォーム矯正に最適」という意見が多く、トレーニング用セカンドシューズとしての評価は非常に高いです。
FuelCellシリーズとの違いを整理
同じFuelCellシリーズでも、「FuelCell Rebel v4」や「FuelCell SuperComp Elite v4」など厚底カーボン搭載モデルと比較すると、パルスはかなり異なるキャラクターを持っています。
- FuelCell Rebel v4:軽量・厚底で反発が強く、テンポ走やハーフマラソン向き
- FuelCell SuperComp Elite v4:カーボンプレート搭載でフルマラソン用の厚底レースモデル
- FuelCell Pvlse v1:カーボンなし・薄底で地面を蹴る感覚を重視
このように、シリーズ内では“スピード練習・トラック競技特化型”という独自の立ち位置。
カーボンプレートシューズの反発に頼らず、純粋に自分の脚で走りたいランナーにフィットします。
どんなランナーに向いている?
FuelCell Pvlse v1 が向いているのは、次のようなタイプのランナーです。
- 厚底に慣れすぎて、脚力を鍛え直したい人
- トラックでスピード練習を行う中〜上級者
- 反発よりも接地感・安定性を重視したい人
- 軽くて地面をつかむような走りを好む人
逆に、長距離を快適に走りたい・脚の負担を減らしたいといった目的には、FuelCell Rebel v4 や FuelCell SuperComp Elite v4 などの厚底モデルの方が適しています。
パルスは「走る筋肉を鍛える」「フォームを整える」トレーニングシューズとして使うのがベストな選択です。
実際の使用シーンと感想
筆者を含め多くのランナーが共通して挙げるのが、「地面をしっかり蹴り出す感覚の強さ」。
薄底のため脚の動きがダイレクトに反映され、ピッチ走法の意識が高まりやすくなります。特に短距離〜中距離のポイント練習やビルドアップ走では、足の運びがスムーズに感じられるはずです。
また、重量は27cmで約200gと非常に軽量。走り出した瞬間の“軽さ”は想像以上で、靴を履いていることを忘れるような感覚になるという声もあります。
一方で、20km以上の距離では脚への負担が大きくなるため、練習用途を明確にして使い分けるのがコツです。
価格・コスパの印象
定価は税込14,850円と、FuelCellシリーズの中では比較的リーズナブル。
近年は公式アウトレットやセールで6,000円台に下がることもあり、コスパ面での評価は非常に高いです。
トラック競技にも使える本格的なモデルがこの価格帯で手に入るのは、ニューバランスならではの魅力といえるでしょう。
ニューバランス パルスシリーズの総評
FuelCell Pvlse v1 は、シンプルながら完成度の高い“モダンレーシングフラット”。
地面を蹴る感覚を求めるランナー、スピード練習で足を鍛えたい人には理想的な一足です。
反発力に頼らず、自分の脚で走る楽しさを思い出させてくれる――そんな原点回帰的な魅力があります。
クッション性を求める人には物足りないかもしれませんが、フォーム改善やスピード感を磨きたい人にとっては、これ以上ないパートナーになるでしょう。
トラックレース対応・軽量設計・適度な反発と安定性。どれを取っても、価格以上の満足感が得られるモデルです。
まとめ:ニューバランス パルスは“脚を鍛える”新世代レーシングフラット
ニューバランス パルスシリーズは、FuelCell Pvlse v1フォームによる軽快な推進力と、20mm以下の薄底設計によるダイレクトな接地感が特徴のシューズです。
トラック競技にも対応し、スピード練習から短距離レースまで幅広く使える万能モデル。
「走りの基礎を見直したい」「厚底の反発に頼らず自分の脚で進みたい」――そんなランナーにこそ、この一足をおすすめします。
ニューバランス パルスで、地面を蹴る喜びをもう一度体感してみてください。


