「もっと地面を感じて歩きたい」「登山靴の重苦しさから解放されたい」……そんな風に感じたことはありませんか?
多くのアウトドアファンを虜にするブランド、メレル。その中でも異彩を放つベアフット(裸足感覚)シューズがメレル ラプトです。
「薄いソールで本当に山に登れるの?」「足裏が痛くならない?」という不安の声も耳にしますが、実はこの靴、正しい知識を持って履きこなせば、これまでの登山体験を一変させるポテンシャルを秘めています。
今回は、メレル ラプトを登山に投入するメリットや、気になるサイズ感、滑りやすさの真実まで、徹底的に掘り下げてお届けします。
そもそもメレルの「ラプト」とはどんな靴か?
メレルが長年培ってきた「ベアフット」のテクノロジーと、「ハイキング」のタフさを融合させて生まれたのがメレル ラプトシリーズです。
最大の特徴は、つま先とかかとの高低差がまったくない「0mmドロップ」構造。普段私たちが履いているスニーカーや一般的な登山靴は、多かれ少なかれかかとが高くなっています。しかし、メレル ラプトは地面に対してフラット。これにより、人間が本来持っている姿勢や歩き方を呼び起こす設計になっています。
アッパーには上質なピッグスキンレザーが使われており、アウトドアシューズらしい武骨さと、タウンユースでも浮かない洗練された雰囲気を兼ね備えています。
ベアフットシューズで登山をする本当のメリット
「クッションがない靴で山を歩くなんて、修行じゃないか?」と思うかもしれません。しかし、メレル ラプトには厚底の靴では得られない圧倒的なメリットがあります。
一番の変化は「足裏感覚」の鋭さです。
分厚いソールの登山靴は、石や木の根といった地面の凹凸をすべて遮断してしまいます。一方、メレル ラプトは地面の状態がダイレクトに伝わってきます。
「ここは滑りやすい」「ここは安定している」という情報を足裏で瞬時に判断できるため、結果として体全体のバランス能力が向上し、転倒のリスクを回避しやすくなるのです。
さらに、足裏のアーチやふくらはぎの筋肉をしっかり使うことになるため、歩くだけで「足を鍛える」トレーニング効果も期待できます。低山ハイクを繰り返すうちに、足そのものが強くなっていく感覚は、ベアフットならではの醍醐味と言えるでしょう。
登山道でのグリップ力と「クァンタム グリップ」の実力
登山において最も重要なのは「滑らないこと」ですよね。
メレル ラプトには、メレルが独自に開発した高機能コンパウンド「Quantum Grip(クァンタム グリップ)」が搭載されています。
実際に使ってみると驚くのが、その食いつきの良さです。ソールの溝(ラグ)が4mmと深く設計されているため、土の斜面やぬかるんだ道でもしっかりと地面を噛んでくれます。
ベアフットシューズの中には、ソールがフラットで滑りやすいモデルも多いのですが、メレル ラプトはあくまで「ハイキング」を想定して作られています。そのため、濡れた岩場や木の根が露出した急斜面でも、粘り強いグリップ力を発揮してくれるのです。
ただし、ソール自体が柔らかいため、鋭利な岩が連続するようなガレ場では、足裏への突き上げを感じやすいという側面もあります。コース選びには少しだけ注意が必要です。
失敗しないためのサイズ感と選び方のポイント
ネットで購入する際に一番悩むのがサイズ選びですよね。
メレル ラプトのサイズ感は、結論から言うと「つま先周りはゆったり、中足部はタイト」という設計です。
ベアフットシューズの目的は、足の指を自由に広げて地面を掴むことにあります。そのため、つま先部分(トゥボックス)はあえて広めに作られています。
- 幅広・甲高の方: 普段のサイズ、あるいは0.5cmアップを検討してみてください。
- ジャストフィットを好む方: 普段履いているメレルのシューズと同じサイズで概ね問題ありません。
ただし、厚手の登山用靴下を履く場合は注意が必要です。メレル ラプトの良さを活かすなら、あまり厚すぎる靴下よりも、中厚手程度の五本指ソックスなどが相性抜群です。指が自由に動く感覚を損なわないサイズ選びを心がけましょう。
長時間の歩行で足裏は痛くならないのか?
多くの人が懸念する「痛み」について。
正直に申し上げますと、普段から厚底の靴に慣れきっている人が、いきなりメレル ラプトで6時間を超えるような本格登山に挑むと、翌日は強烈な筋肉痛に見舞われるでしょう。
これは靴が悪いのではなく、眠っていた足の筋肉が悲鳴を上げている証拠です。最初は平坦なキャンプ場や、1〜2時間程度の里山歩きからスタートして、少しずつ足を「ベアフット仕様」にアップデートしていくのが賢明です。
慣れてくると、むしろクッションに頼らない歩き方の方が、膝や腰への負担が少なく感じるようになるから不思議なものです。自分の体と対話しながら歩く楽しさが、ここにはあります。
防水モデル「WRAPT MID WATERPROOF」の選択肢
メレル ラプトには、ローカットモデルの他に、ミッドカットで防水機能を備えた「WRAPT MID WATERPROOF」も存在します。
もし、朝露に濡れた草むらや、急な雨が予想される山行をメインに考えているなら、防水モデルの方が安心です。ミッドカットになることで足首のホールド感が増し、砂利や小石の侵入も防ぎやすくなります。
一方で、ローカットモデルの軽快さと通気性は捨てがたい魅力があります。晴天のライトハイクや日常使いも兼ねるならローカット、より「山寄り」の性能を求めるならミッドカット、という選び方がベストです。
登山スタイル別:ラプトが向いている人と向いていない人
万能に見えるメレル ラプトですが、向き不向きははっきりしています。
向いている人
- 低山ハイクや整備されたトレイルを軽快に歩きたい。
- 足本来の機能を高め、歩行フォームを改善したい。
- キャンプや旅行と登山を一つの靴で済ませたい。
- 「道具に守られる」のではなく「自分の技術で歩く」感覚を楽しみたい。
向いていない人
- 20kg近い重荷を背負って縦走する。
- 鋭い岩場が続く本格的なアルプス登山がメイン。
- 足裏への刺激を極力排除したい、疲れを最小限に抑えたい。
自分のスタイルがどちらに近いか、購入前に一度イメージしてみてください。
メレル「ラプト」で登山はできる?裸足感覚の履き心地やサイズ感、グリップ力を徹底解説・まとめ
メレル ラプトは、単なるアウトドアシューズではありません。それは、私たちが本来持っている「歩く力」を取り戻すためのツールです。
最初はソールの薄さに戸惑うかもしれませんが、一度そのダイレクトな接地感と、大地を掴むグリップ力を体験してしまうと、もう普通の重登山靴には戻れないというファンも少なくありません。
サイズ感に注意して自分にぴったりの一足を見つけたら、まずは近くの公園や低山から試してみてください。一歩一歩、地面の感触を確かめながら進む楽しさが、あなたの登山ライフをより豊かなものにしてくれるはずです。
メレル ラプトと共に、新しい感覚の山歩きへ出かけてみませんか?


