山道を軽快に駆け抜けたい、岩場でも滑らない安心感が欲しい。そんなアクティブなハイカーたちの間で一時期、熱狂的な支持を集めたモデルがあります。それがメレル カプラシリーズです。
「カプラ(CAPRA)」という名前を聞いて、ピンとくる方はかなりのメレル通かもしれません。断崖絶壁を涼しい顔で登っていくシロイワヤギの蹄から着想を得たという、エッジの効いたコンセプト。その独特な操作性とデザイン性に魅了されたファンは多いはずです。
しかし、最近では「お店で見かけなくなった」「廃盤になったの?」という声も耳にします。そこで今回は、メレル カプラの真実の評判から、今手に入れる方法、そして万が一手に入らなかった時の後継モデルまで、ユーザーのリアルな視点で徹底的に掘り下げていきます。
メレル「カプラ」がなぜこれほど高く評価されたのか
メレルのラインナップにおいて、メレル カプラは「スピードハイキング」というカテゴリーを牽引した存在でした。定番のメレル モアブが安定感重視の厚底戦車だとしたら、カプラは軽快に動けるスポーツカーのような立ち位置です。
圧倒的なグリップ力を生むヴィブラムソールの魔力
カプラを語る上で外せないのが、アウトソールの圧倒的な性能です。多くのモデルで採用されていたのが、泣く子も黙る「Vibram(ヴィブラム)メガグリップ」や、それに準ずる高機能ソールでした。
実際に岩場を歩いてみるとわかりますが、濡れた岩や斜度のきつい場所でも、吸い付くような感覚があります。シロイワヤギの蹄を模した溝のパターンが、地面を「点」ではなく「面」で捉えてくれるため、一歩踏み出した時の安心感が他とは一線を画していました。
軽量性と剛性の絶妙なバランス
「軽い靴は不安定、硬い靴は重い」というアウトドアシューズの常識を覆そうとしたのがカプラです。ストラタフューズという、メッシュアッパーとTPU素材を一体化させる技術により、縫い目を減らして軽量化しつつ、横方向のねじれには強いという特性を持っていました。
これにより、ガレ場のような足場の悪い場所でも、足首がグラつかずにスイスイと歩を進めることができたのです。
リアルな評判から判明したメリットとデメリット
実際にメレル カプラを履き潰したユーザーたちの声を集めると、そのキャラクターが鮮明に浮かび上がってきます。良い面だけでなく、注意すべき点もしっかり理解しておきましょう。
ユーザーが絶賛する3つのポイント
- 岩場での信頼性がとにかく高い「他の靴では滑ってヒヤッとした場所でも、カプラならピタッと止まれる」という意見が目立ちます。特にテクニカルなコースを好むベテランハイカーからの評価が高いのが特徴です。
- 足との一体感が素晴らしい土踏まずからかかとにかけてのホールド感が強く、靴の中で足が遊ぶ感覚がほとんどありません。自分の足の延長線上で地面を捉えているようなダイレクトな感覚は、カプラならではの魅力です。
- タウンユースでも浮かないスタイリッシュさアウトドアシューズ特有の野暮ったさがなく、シュッとした細身のシルエットにビビッドなカラーリング。街履きとしてジーンズやチノパンに合わせても違和感がないため、一足で何役もこなせる点も支持されました。
購入前に知っておきたいデメリット
- ソールの硬さに好みが分かれるスピードハイキング用、つまり「山を攻める」ための設計なので、ソールはやや硬めに設定されています。舗装された平坦な道を長時間歩く場合は、クッション性重視のランニングシューズに比べると足裏の疲れを感じやすいという声もあります。
- 幅が狭めのタイトなフィット感欧米人向けのラスト(木型)がベースになっているため、いわゆる「幅広・甲高」な日本人の足には、最初は少し窮屈に感じることがあります。
失敗しないためのサイズ感選びの極意
メレル カプラを検討する際、最も慎重になるべきがサイズ選びです。フィット感が強いモデルだからこそ、普段の靴と同じ感覚で選ぶと失敗する可能性があります。
ハーフサイズからワンサイズアップが基本
多くのユーザーが推奨しているのが、「普段履いているスニーカーよりも0.5cmから1.0cm大きいサイズ」を選ぶことです。
理由は2つあります。1つ目は、厚手の登山用靴下を履くスペースを確保するため。2つ目は、下り坂でつま先が靴の先端に当たって痛めるのを防ぐためです。特につま先部分が細くなっているデザインなので、余裕を持たせた方が無難です。
自分の足幅を確認しよう
もしあなたが「普段から靴選びで横幅がキツいと感じることが多い」のであれば、迷わず1.0cmアップを選び、靴紐の締め方で調整するのがベストな選択と言えるでしょう。逆に足が細身の方は、0.5cmアップでジャストな一体感を楽しめます。
廃盤の噂は本当?今「カプラ」を手に入れる方法
残念ながら、現在メレルの主要ラインナップから「カプラ」の初期モデルの多くは姿を消しています。実質的な「廃盤」と言っても差し支えない状況です。しかし、どうしてもあの履き心地を諦めきれないという方には、いくつか道が残されています。
在庫販売やアウトレットを狙う
Amazonや楽天などのECサイトでは、稀に当時の在庫や「カプラ 2 ゴアテックス」といった後継マイナーチェンジモデルが販売されていることがあります。自分のサイズがあれば、それはかなり幸運な出会いです。
フリマアプリやオークションを活用する
「新品未使用品」としてメルカリやヤフオクに出品されるケースもあります。ただし、アウトドアシューズは保管状況によってソールの劣化(加水分解)が進むことがあるため、購入前に製造年や保管状態をしっかり確認することが大切です。
カプラの魂を継承する後継・類似モデル
「カプラが手に入らないけれど、あのグリップ力が欲しい!」という方へ。現在のメレルのラインナップには、カプラの設計思想を受け継いだ優秀なモデルが存在します。
グリップの王様「MTL MQM」
今、カプラに最も近い感覚で履けるのがメレル MTL MQMです。「MQM」とは「Moving Quickly in the Mountains」の略。まさに山を素早く動くための靴です。カプラ譲りの強力なグリップ力と、さらに洗練された軽量性を備えており、今のスピードハイカーたちのスタンダードとなっています。
王道の進化系「モアブ 3 スピード」
世界中で愛されるモアブシリーズの中でも、より軽快さに特化したのがメレル モアブ 3 スピードです。従来のモアブの安定感に、カプラのような推進力を加えたハイブリッドな一足。迷ったらこれ、と言えるほどの完成度を誇ります。
タフな冒険には「カメレオン 8」
デザイン性とタフさを両立させたいならメレル カメレオン 8 ストームも選択肢に入ります。カプラほど細身ではありませんが、ヴィブラムの最新ソールを採用しており、悪路での走破性は折り紙付きです。
まとめ:メレル「カプラ」の評判から自分に最適な一足を見つける
かつて山道を席巻したメレル カプラは、その圧倒的なグリップ力とスタイリッシュなフォルムで、今なお多くの人の記憶に残る名作です。
「岩場に強い」「軽い」「かっこいい」という三拍子そろった性能は、現在の後継モデルたちにもしっかりと受け継がれています。もしあなたが、カプラのような鋭い走りを求めているのであれば、在庫を探す情熱を持ちつつ、最新のメレル MTL MQMなどに足を通してみるのも一つの正解かもしれません。
最後に、サイズ選びだけは妥協しないでください。厚手の靴下を履いて、少し余裕のあるサイズを選ぶこと。それが、あなたの山歩きを最高に快適な時間へと変えてくれる第一歩になります。
自分にぴったりの一足を見つけて、次の週末はあの山へ出かけてみませんか?メレル カプラのスピリットを足元に宿せば、きっと今まで以上に軽やかな一歩が踏み出せるはずです。


