お気に入りのメレルのシューズを履いて出かけようとした時、ふと足元を見て「あれ?こんなところにひび割れが……」とショックを受けたことはありませんか?
メレルといえば、履き心地抜群のジャングルモックや、トレッキングの定番モアブなど、ファンが多いブランドですよね。せっかく手に入れた一足ですから、できるだけ長く、新品に近い状態で履き続けたいと思うのは当然のことです。
しかし、実はメレルの靴がひび割れてしまうのには、明確な理由があります。そして、その多くは日頃のちょっとした習慣やメンテナンスで防ぐことができるんです。
今回は、メレルの靴にひび割れが起きてしまう原因を徹底解剖し、今日から実践できる正しい手入れ方法を詳しくお伝えします。大切な相棒の寿命をぐんと延ばして、もっと長く一緒に歩けるようにしましょう。
なぜお気に入りのメレルにひび割れが起きてしまうのか
「普通に履いているだけなのに、どうして?」と感じるかもしれませんが、靴のひび割れはいくつかの要因が重なって起こります。特にメレルのような多機能なアウトドアシューズは、過酷な環境で使用されることも多いため、素材へのダメージが蓄積しやすいのです。
急激な乾燥と熱が素材を痛める
まず、最も多い原因の一つが「熱」によるダメージです。雨に濡れた後、早く乾かそうとしてドライヤーの温風を当てたり、ファンヒーターの前に置いたりしていませんか?
メレルのシューズに使用されている天然皮革や合成樹脂は、急激な温度変化にとても弱いです。高温で一気に水分が抜けると、素材が収縮して硬くなり、柔軟性を失います。その状態で歩行時の屈曲(曲げ伸ばし)が加わると、耐えきれなくなった表面にピシッとひびが入ってしまうのです。
直射日光も同様です。ベランダで長時間天日干しをすると、紫外線によって素材の分子結合が破壊され、表面がカサカサに乾燥してひび割れを招きます。
汚れが油分を吸い取ってしまう
泥汚れや埃を「あとで掃除すればいいや」と放置するのも危険です。泥や砂の粒子は非常に細かく、レザーの毛穴や繊維の隙間に入り込みます。
これらの汚れは、素材が本来持っている必要な油分をどんどん吸い取ってしまう性質があります。油分が抜けたレザーは乾燥した肌と同じで、非常にデリケートな状態になります。汚れがついたまま何度も足の甲を曲げて歩くことで、そのシワの部分からひび割れが進行していくのです。
加水分解という避けて通れない宿命
ソールのひび割れや崩壊に関しては、「加水分解」が主な原因です。メレルのミッドソールによく使われるポリウレタンなどの素材は、空気中の水分と反応して分解される性質を持っています。
意外かもしれませんが、実は「履かずに大切にしまっておく」ことこそが加水分解を早める原因になります。靴箱の中に湿気がこもると、素材の劣化が加速します。たまに履いて歩くことで、ソール内の空気が入れ替わり、溜まった水分を押し出すことができるのですが、放置しすぎると内部からボロボロになり、最終的にはソール全体に亀裂が入ったり、剥がれ落ちたりしてしまいます。
素材別!ひび割れを防ぐための正しいメンテナンス術
メレルのシューズには、モデルによって様々な素材が使われています。それぞれの素材に合わせたケアを行うことが、ひび割れ防止の近道です。
フルグレインレザー・スムースレザーの場合
ジャングルモックのレザーモデルなど、表面が滑らかなタイプは、とにかく「保湿」が命です。
- 馬毛ブラシなどの柔らかいブラシで全体の埃を落とします。
- 汚れがひどい場合は、専用のレザークリーナーを布に取り、優しく拭き取ります。
- 仕上げに、無色の靴用クリームやレザーコンディショナーを薄く塗り込みます。
このクリームが、人間でいう「乳液」の役割を果たし、素材の柔軟性を保ってくれます。シワが寄りやすい足の甲の部分は、念入りに塗り込みましょう。
スエード・ピッグスキンレザーの場合
起毛素材は、クリームを直接塗ると質感が変わってしまうため、注意が必要です。
- スエード専用の真鍮ブラシやナイロンブラシで、毛足の中に入り込んだ砂や埃を掻き出します。
- 汚れを落としたら、栄養補給成分が含まれたスエード専用の防水スプレーを吹きかけます。
- スプレーが乾いたら、再度ブラッシングをして毛並みを整えます。
「スプレーだけでいいの?」と思うかもしれませんが、栄養成分入りのスプレーを定期的に使うだけで、乾燥によるひび割れリスクは大幅に下がります。
ゴアテックス(GORE-TEX)搭載モデルの場合
モアブ 3 ゴアテックスのような防水透湿モデルは、表面のケアが内部の機能を守ることにつながります。
表面の素材がひび割れてしまうと、そこから侵入した泥水が、内側の薄い防水膜(ゴアテックスメンブレン)を傷つけてしまいます。そうなると、せっかくの防水機能が台無しです。
水洗いが可能なモデルが多いので、泥汚れは早めに水で洗い流し、必ず「常温の風通しの良い日陰」でじっくり乾かしてください。乾いた後は、撥水スプレーをかけることで表面の保水を防ぎ、乾燥時の硬化を抑制できます。
ひび割れてしまったら?修理の可否と寿命の判断基準
もし、すでにひび割れを見つけてしまった場合、どうすればいいのでしょうか。
アッパーのひび割れは「末期症状」に近い
残念ながら、レザーや合成皮革の表面がパカッと割れてしまった場合、それを元通りにつなぎ合わせることは非常に困難です。パテで埋めるような補修方法もありますが、歩くたびに曲がる場所であれば、すぐにまた割れてしまいます。
ひび割れが深く、中のライニング(裏地)が見えてしまっている場合は、そこから水が入り、さらに劣化が進みます。この状態になったら、本格的な寿命と考え、新しいメレル シューズへの買い替えを検討するタイミングかもしれません。
ソールの剥がれや崩壊は要注意
ソールの側面に細かいひびが入っている程度であれば、まだ履ける可能性がありますが、指で押して「パサパサ」と粉っぽく崩れるようであれば、加水分解がかなり進行しています。
外出先でソールが完全に剥がれ落ちると大変危険です。山道や旅先で立ち往生しないためにも、ミッドソールに大きな亀裂が入ったり、弾力性がなくなったりした時は、潔く使用を中止しましょう。
一部の本格的な登山靴モデルであれば、メレルの公式修理センターでソールの張り替え(オールソール)を受け付けている場合もあります。愛着がある一足なら、まずは公式サイトで修理可能モデルかどうかをチェックしてみてください。
メレルの寿命を2倍にするための5つの鉄則
日々のちょっとした心がけで、メレルの寿命は驚くほど変わります。「2年でダメになった」という人もいれば、「5年以上履いている」という人もいるのは、この習慣の差です。
- 毎日同じ靴を履かない1日履いた靴は、コップ1杯分の汗を吸っていると言われます。毎日履くと内部が常に湿った状態になり、加水分解を早めます。少なくとも1日は休ませ、乾燥させる時間を作ってください。
- 脱ぎ履きは必ず紐を解くモアブなどの紐靴を、結んだまま無理やり脱ぎ履きしていませんか?カカト部分に過度な力が加わると、形状が崩れるだけでなく、素材に無理な負荷がかかってひび割れの原因になります。
- 直射日光を避けて保管する玄関に出しっぱなしにすると、窓からの日差しで劣化が進みます。風通しが良く、直射日光の当たらない場所に保管しましょう。
- 定期的に履いてあげる「もったいないから」と箱の中にしまい込むのが一番良くありません。月に数回は履いて外を歩き、ソールに刺激を与えて湿気を飛ばしてあげましょう。
- シューキーパーを活用する保管時にシューキーパーを入れることで、歩行時についた深いシワを伸ばすことができます。シワが固定されるのを防げば、そこから割れるリスクを最小限に抑えられます。
まとめ:メレルの靴がひび割れる原因と対策は?正しい手入れで寿命を延ばすメンテナンス術
メレルのシューズは、私たちを素晴らしい景色や快適な日常へと連れて行ってくれる最高の道具です。
今回ご紹介したように、メレルの靴がひび割れる原因と対策は?正しい手入れで寿命を延ばすメンテナンス術を理解していれば、不意の劣化に悲しむことは少なくなります。
- 過度な熱を避け、自然乾燥を徹底すること
- 汚れを放置せず、定期的に栄養を補給すること
- 加水分解を防ぐために、適度に履いて風を通すこと
この3点を守るだけで、あなたのメレルは見違えるほど長持ちするはずです。
もし、今履いている靴に少しでも乾燥の兆候が見られたら、今すぐ靴用ブラシを手に取ってみてください。そのひと手間が、大切な一足を救う第一歩になります。
正しいケアを味方につけて、お気に入りのメレルと共に、もっと遠く、もっと心地よい場所へ出かけてみませんか?


