「もっと攻めた走りがしたい」「岩場や泥道で滑るのが怖い」
そんなトレイルランナーの切実な悩みに応える一足として、今世界中のスカイランナーから熱い視線を浴びているシューズがあります。それがメレル MTL LONG SKY 2です。
メレルのプロアスリートチームと共同開発された「MTL(Merrell Test Lab)」シリーズ。その中でも、中長距離のテクニカルなコースを攻略するために生まれたこのモデルは、単なる軽量シューズの枠を超えた完成度を誇ります。
今回は、実際に山で使い倒したユーザーのフィードバックやスペックを基に、その実力を徹底的に解剖していきます。
過酷な地形をねじ伏せる!Vibram MegaGripの圧倒的な安心感
トレイルランニングにおいて、シューズに求める最優先事項は何でしょうか。多くの人が「グリップ力」と答えるはずです。特に雨上がりの濡れた岩稜帯や、ズルズルと滑る急斜面の泥道では、ソールの性能がそのまま安全性に直結します。
メレル MTL LONG SKY 2のアウトソールには、業界最高峰の「Vibram MegaGrip(ヴィブラム メガグリップ)」が採用されています。さらに注目すべきは、5mmという深いラグ(突起)の設計です。
この深いラグが地面にしっかりと食い込み、トラクションを確保します。特筆すべきは、泥詰まりのしにくさです。計算されたラグの配置により、粘土質の土でも効率よく排出されるため、常に高いグリップ力を維持したまま走り続けることができます。
「岩場での吸い付きが違う」というレビューが多いのも、このメガグリップと、適度に地面の凹凸を感じ取れるソールの厚みのバランスが絶妙だからこそ。足裏全体で地形をサーチしながら攻める感覚は、このシューズならではの醍醐味です。
軽さと耐久性の矛盾を解消する「MATRYX」アッパーの衝撃
トレイルランニングシューズの宿命とも言えるのが、アッパーの摩耗です。枝に引っ掛けたり、岩に擦れたりすることで、軽量なシューズほどすぐに穴が空いてしまうという弱点がありました。
しかし、メレル MTL LONG SKY 2(特にMATRYXモデル)は、その常識を覆します。フランスの素材メーカーが開発した「MATRYX®(マトリックス)」アッパーは、高強度ポリアミドにケブラー繊維を織り込んだ特殊素材です。
これがとにかく頑丈。岩との摩擦にも強く、それでいて驚くほど薄くて軽いのです。さらに、この素材は「疎水性(水を弾く性質)」が非常に高く、渡渉(川を渡ること)や雨天時の走行でも水分を吸収して重くなることがほとんどありません。
「走り始めは軽いけれど、後半は水を含んでズッシリ重い……」
そんなストレスから解放されるのは、長距離レースにおいて計り知れないメリットになります。
厚底ブームに一石を投じる「足裏感覚」と「安定性」
近年のランニングシーンは空前の厚底ブームです。確かにクッション性は魅力ですが、テクニカルな山岳地帯では、ソールの厚みが「不安定さ」に繋がることもあります。
メレル MTL LONG SKY 2のスタックハイト(ソールの厚み)は、かかと23.5mm、つま先19.5mm。ドロップ(高低差)は4mmという設計になっています。これは現代の基準で見れば「適度」から「やや薄め」の部類に入ります。
なぜこの厚さなのか。それは「安定性」と「正確な足さばき」を優先しているからです。
- 着地した瞬間に地面の状態がダイレクトに伝わる。
- 足首を捻るリスクを軽減する低重心設計。
- 4mmドロップによるナチュラルでスムーズな足運び。
ミッドソールに採用された「FloatPro™(フロートプロ)」フォームは、薄くても底付き感を感じさせない絶妙なクッション性を備えています。硬すぎず柔らかすぎないこの感触は、心臓破りの登りでのパワーロスを防ぎ、テクニカルな下りでは精密なコントロールを可能にしてくれます。
失敗しないためのサイズ感とフィット感の選び方
オンラインでシューズを購入する際に最も気になるのがサイズ感ですよね。メレル MTL LONG SKY 2のフィット感は、一言で言えば「レーシングカーのバケットシート」のようです。
内部に「内部ブーティ構造」を採用しているため、足全体が包み込まれるような高いホールド感があります。特にかかと周りの収まりが良く、急な下り坂でも靴の中で足が前後にズレる感覚がほとんどありません。
気になるサイズ選びのポイントは以下の通りです。
- 基本は普段のサイズでOK: 多くのユーザーが、普段履いているトレランシューズと同じサイズを選んでジャストフィットだと感じています。
- つま先には適度なゆとり: カカトや中足部はタイトに締まりますが、トゥボックス(指先)には適度な遊びがあります。これにより、長時間の走行で足が浮腫んでも指が圧迫されにくい設計です。
- 幅広の方は要注意: 全体的にタイトな設計なので、自他共に認める「幅広・甲高」の方は、ハーフサイズ(0.5cm)アップを検討するのが無難です。
シュータン(ベロ)がアッパーと一体化しているため、砂や小石が入りにくいのも地味ながら嬉しいポイントです。
どんなシーンに最適?「LONG」という名前に隠された真実
モデル名に「LONG」と付いているため、100kmや100マイルのウルトラトレイル用だと思われがちですが、実は少し毛色が違います。
このシューズが最も輝くのは、**「20km〜50km程度の、標高差が激しくテクニカルなコース」**です。
スカイランニングのような、岩場、ガレ場、急斜面が連続する環境において、これほど頼りになる相棒はいません。一方で、フラットな林道や舗装路が長く続くコースでは、ソールのラグの高さが少し気になったり、クッションが物足りなく感じたりすることもあるでしょう。
もし、あなたが「もっと山を速く駆け抜けたい」「難しい路面でも自信を持って足を置きたい」と考えているなら、この一足は最高の選択肢になります。
また、そのスタイリッシュなデザインから、スノーピークなどのブランドとのコラボレーションも行われており、キャンプやライトハイキングといったアウトドアファッションにこだわる層からも高い支持を得ています。
メンテナンスで寿命を延ばすコツ
メレル MTL LONG SKY 2はタフなシューズですが、長く愛用するためにはメンテナンスも重要です。
特にVibram MegaGripは、乾いた舗装路を歩き続けるとラグの摩耗が早まります。登山口まではサンダルなどで移動し、トレイルに入ってから履き替えるといった工夫をするだけで、ソールの寿命は劇的に伸びます。
使用後は、MATRYXアッパーの隙間に入り込んだ泥を水で軽く洗い流し、風通しの良い日陰で乾かしてください。直射日光は素材の劣化を招くため厳禁です。
メレル MTL LONG SKY 2を徹底レビュー!グリップ力やサイズ感、登山・トレイルでの実力は?のまとめ
メレル MTL LONG SKY 2は、攻めの走りをサポートする「純粋なレーシングマシン」です。
圧倒的なグリップ力を誇るVibram MegaGrip、耐久性と軽さを両立したMATRYXアッパー、そして地面を正確に捉える安定したソール設計。これらが三位一体となり、ランナーを新しいステージへと引き上げてくれます。
厚底シューズのフワフワした感覚に違和感を覚えている方や、もっとダイレクトに山を感じたい方、そして何より「滑らない安心感」を手に入れたい方。ぜひこの一足を履いて、次のトレイルへ踏み出してみてください。
あなたの足元が変われば、山の景色はもっと楽しく、もっと刺激的なものに変わるはずです。
「次はどの山へ行こうか?」
そう思わせてくれる力が、このシューズには備わっています。


