スニーカー好きなら一度は耳にしたことがある「ニューバランス1700」。1000番台シリーズの中でも特に完成度が高く、“名作”と呼ばれる理由には、長い歴史と確かな技術、そして職人のクラフトマンシップが詰まっています。この記事では、1999年に登場したUSA製モデル「ニューバランス1700」の魅力を、歴史から技術、人気の背景までじっくり掘り下げていきます。
ニューバランス1700の誕生と背景
ニューバランス1700が登場したのは1999年。当時のニューバランスは、ニューバランス1300、ニューバランス1400、ニューバランス1500と続く高性能ランニングモデルを展開しており、ニューバランス1700はその最上位モデルとして誕生しました。
ランニング性能だけでなく、タウンユースでも快適に履ける「ハイブリッドスニーカー」として設計されており、時代を先取りした存在だったのです。
1700が生まれた背景には、ブランドの哲学である「Fit（フィット感）へのこだわり」があります。1906年創業のニューバランスは、もともと矯正用インソールから始まったブランド。だからこそ、履き心地と安定性には他社にはない研究と技術が注ぎ込まれています。
また、1700はアメリカ・メイン州やマサチューセッツ州で製造された「Made in USA」シリーズのひとつ。国内資材を70%以上使用することで、クラフト志向のスニーカーファンからも高く評価される一足となりました。
名作と呼ばれる理由：技術とデザインの融合
ニューバランス1700が“名作”と称される理由のひとつが、当時としては画期的な技術構成です。
まず注目したいのが、ABZORB（アブゾーブ）。衝撃吸収素材としてミッドソール全体に採用されており、走行中の着地衝撃をしっかりと吸収。足への負担を最小限に抑えてくれます。
さらに、**ENCAP（エンキャップ）**構造も採用。硬めのポリウレタンで柔らかいEVA素材を包み込むことで、クッション性と安定性を両立しました。この組み合わせは、長時間の歩行やランニングでも疲れにくい履き心地を実現しています。
加えて、C-CAPという軽量素材を使用したことで、当時のランニングシューズの中でも群を抜く軽さを実現。これらの複合技術により、1700は“履いてわかる上質な一足”として多くのファンを魅了しました。
デザイン面でも、無駄のないシルエットが特徴。グレーやネイビーなど落ち着いたトーンでまとめられ、ビジネスカジュアルにも合わせやすい。上質なスエードやヌバック素材を使うことで、履き込むほどに味が出るのも魅力です。
USA製モデルの魅力とこだわり
ニューバランスの「Made in USA」シリーズは、単なる生産国の違いではありません。品質管理や素材選定に至るまで、徹底したこだわりが詰まっています。
USA製ニューバランス1700は、熟練した職人が一足ずつ丁寧に仕上げるプレミアムライン。アッパーには上質なヌバックやメッシュ素材を組み合わせ、見た目にも高級感があります。
さらに、ソールには耐摩耗性に優れた「N-DURANCE」素材を採用し、長期間履いても劣化しにくい構造になっています。
こうした丁寧な作り込みが「USA製ならではの履き心地」として高く評価されており、アジア製モデルとの差を感じるファンも少なくありません。
実際、スニーカー愛好家の間では「Made in USAはクラフトの象徴」と語られるほど。その中でもニューバランス1700は、職人技が最も色濃く表れた一足といえるでしょう。
復刻とコラボレーションで再び脚光を浴びる
初登場から20年以上が経った今でも、ニューバランス1700は復刻やコラボレーションによって再び注目を集めています。
2016年には待望の再発モデルが登場し、オリジナルに忠実なデザインがファンを歓喜させました。その後も、限定カラーや日本独自仕様の「ニューバランスM1700JP」などが次々とリリース。
特に、オリーブグレーやブルーグレーといったニューバランスらしいカラーリングは、ファッション性と上品さを兼ね備えています。
また、2020年にはストリートブランド「KITH」とのコラボモデル「ニューバランス1700 The Colorist」が発売。10色以上のスエードを組み合わせた独特のカラーリングで、即完売するほどの人気を博しました。
これにより、ニューバランス1700は再び“クラシックの再評価”ブームの中心へと返り咲いたのです。
1700が愛される理由：快適性と普遍性
スニーカーに求められるのは、デザインだけでなく履き心地と信頼性。ニューバランス1700はその両方を高次元で満たしています。
まず、ABZORBによる柔らかいクッションが足裏全体を包み込み、ENCAP構造が安定性を支えます。ランニングはもちろん、通勤や旅行など長時間の歩行でも快適。
加えて、アッパー素材が足の形に自然に馴染むため、履き込むほどに自分の足にフィットしていく感覚を楽しめます。
デザインも、ニューバランスらしい落ち着いたフォルムで流行に左右されません。デニムやチノパン、セットアップにも合う汎用性の高さが、年齢や性別を問わず支持される理由です。
購入時にチェックすべきポイント
ニューバランス1700を購入する際は、次の点を意識しておくと失敗しません。
- サイズ感：ややゆとりのある作りなので、ジャストサイズか0.5cm下を選ぶ人も多い。
- 製造国の確認：「Made in USA」のタグ表記を確認。USA製は素材や仕上げに違いが出る。
- カラーとモデル名：「ニューバランスM1700JP」など型番によって仕様や価格が異なる。
- 正規販売店での購入：人気ゆえに模倣品も多いため、公式サイトや信頼できる店舗での購入がおすすめ。
これらを押さえれば、長く愛用できる一足を安心して手に入れられます。
今後の展開とニューバランス1700の価値
ニューバランス1700は、過去の名作という枠を超え、現在も進化を続けています。
クラシックモデルが再評価される流れの中で、1700は「アーカイブ×モダン」の象徴的存在。機能性とデザインのバランス、そしてクラフトマンシップが今の時代にも通用することを証明しています。
2025年以降も限定カラーや復刻版のリリースが予定されており、再びスニーカーファンの注目を集めそうです。
履くことでその価値がわかる、そんな「体感型の名作」として、ニューバランス1700はこれからも語り継がれていくでしょう。
まとめ：ニューバランス1700の名作を徹底検証！USA製モデルの歴史と人気の理由とは
ニューバランス1700は、1999年に誕生してから20年以上経った今も“完成された一足”として愛されています。
その理由は、ABZORBやENCAPといった革新的な技術、職人の手によるUSA製の品質、そして時代を超えて通用するデザインにあります。
復刻やコラボを通じて再び脚光を浴びるこのモデルは、単なるスニーカーではなく、履く人のスタイルと価値観を映す一足といえるでしょう。
クラシックを超えて進化し続ける「ニューバランス1700」。
その足元から、スニーカーの新しい物語が始まります。
