「週末、友達に誘われて山に行くことになった」「健康のためにハイキングを始めたい」
そんなとき、最初に迷うのが足元の装備ですよね。
「スニーカーじゃダメなの?」「登山靴と何が違うの?」と疑問に思う方も多いはず。結論から言うと、山歩きを安全に、そして筋肉痛を最小限に抑えて楽しむなら、トレッキングシューズは必須のアイテムです。
この記事では、トレッキングシューズとは一体どんな靴なのか、初心者の方が一足目を選ぶときに絶対に外せないポイントを分かりやすく解説します。
そもそもトレッキングシューズとは?スニーカーとの決定的な違い
トレッキングシューズとは、未舗装の山道や岩場、ぬかるんだ土の上などを歩くために設計された専用の靴のことです。一見するとゴツいスニーカーのように見えますが、その中身は驚くほどハイテクです。
普通のスニーカーで山を歩くと、地面の凸凹がダイレクトに足裏に伝わってすぐに疲れてしまったり、滑りやすい斜面で踏ん張りがきかなかったりします。最悪の場合、足首をグネってしまうリスクも。
トレッキングシューズは、以下の3つのポイントでスニーカーを圧倒しています。
まず1つ目は「ソールの硬さ」です。岩の上に乗っても靴底がしなりすぎないため、足裏への負担を劇的に減らしてくれます。
2つ目は「グリップ力」。滑りやすい岩や苔、泥の上でもしっかり地面を噛むように設計された特殊なラバーが使われています。
3つ目は「ホールド感」。足首をしっかり支えることで、不整地でも体がフラつかず、関節を保護してくれるのです。
登山靴とトレッキングシューズに違いはあるの?
よく「登山靴」という言葉も耳にしますよね。実は、トレッキングシューズも広い意味では登山靴の仲間です。
ただ、一般的には「登る山のレベル」によって呼び分けられることが多いです。
「登山靴(重登山靴)」は、重い荷物を背負って何日も歩く縦走や、雪山に挑むための本格的なものを指します。靴底が板のように硬く、片足で1kg近くあるものも珍しくありません。
一方で「トレッキングシューズ」や「ハイキングシューズ」は、日帰り登山や1泊程度の小屋泊を想定した、比較的軽量で歩きやすいモデルを指します。
初心者がいきなりカチカチの重登山靴を買うと、重さと硬さに負けてかえって足を痛めることがあるため、まずは汎用性の高いトレッキングシューズから探すのが正解です。
失敗しないための「3つのカット」の選び方
トレッキングシューズ選びで最も重要と言っても過言ではないのが、足首の高さ(カット)です。大きく分けて3つのタイプがあり、それぞれ得意なシーンが違います。
1. ローカット:軽快に歩けるスニーカータイプ
くるぶしが露出するタイプです。メレル モアブのようなモデルが有名ですね。
メリットはとにかく軽くて、普段履きと同じ感覚で歩けること。整備された遊歩道や、アップダウンの少ないハイキングコースならこれで十分です。
ただし、足首の保護がないため、石がゴロゴロしているような道では不安定になりやすく、砂や小石が靴の中に入りやすいというデメリットもあります。
2. ミドルカット:初心者におすすめの万能選手
くるぶしをちょうど覆うくらいの高さです。キャラバン C1_02Sなどは、日本の初心者に最も愛されているミドルカットの一足と言えるでしょう。
適度に足首を固定しつつ、歩きやすさも損なわない絶妙なバランスが魅力です。日帰り登山から低山ハイクまで、これ一足あればほとんどの低山に対応できます。迷ったらこのタイプを選んでおけば間違いありません。
3. ハイカット:ハードな道も安心の固定力
足首をしっかり上まで紐で締め上げるタイプです。
重いザックを背負っても足首がグラつかず、捻挫のリスクを最小限に抑えてくれます。岩場が多い険しい山や、長時間歩き続ける本格的な登山に向いています。
ただ、平坦な道では足首が固定されすぎて少し歩きにくさを感じることもあるため、用途をしっかり見極める必要があります。
快適さを左右する!絶対にチェックしたい「素材」の話
靴の形が決まったら、次は「素材」に注目してみましょう。ここでケチってしまうと、雨が降ったときに後悔することになります。
防水透湿素材(ゴアテックスなど)は必須
山の天気は変わりやすいものです。晴れていても、前日の雨で道がぬかるんでいたり、朝露で草むらが濡れていたりすることは日常茶飯事。
そこで欠かせないのがゴアテックス シューズに代表される防水透湿素材です。
「外からの水は通さないけれど、中の蒸れは外に逃がす」という魔法のような機能を持っています。これが付いていない靴だと、雨で足がびしょ濡れになるか、自分の汗で靴の中がサウナ状態になって靴擦れの原因になります。
アッパーの素材で性格が変わる
靴の表面(アッパー)が「レザー」か「合成繊維(メッシュ)」かもポイントです。
レザー製は耐久性が高く、履き込むほど自分の足に馴染んでいきますが、手入れが必要で少し重めです。
最近主流の合成繊維タイプは、軽くて通気性が良く、最初から柔らかいのが特徴。初心者のうちは、メンテナンスが楽で軽い合成繊維や、レザーとのコンビネーションモデルが扱いやすいですよ。
サイズ選びで後悔しないための「1cmの余裕」
トレッキングシューズのサイズ選びは、普段の靴選びとは全く別物だと考えてください。
山歩きでは、厚手の登山用靴下を履くのが基本です。さらに、下山時はつま先に体重がかかるため、ピッタリすぎるサイズだと爪が死んでしまったり、激痛で歩けなくなったりします。
理想のサイズは、**「つま先に1cm〜1.5cmほどの余裕がある状態」**です。
お店で試着する際は、以下の手順を試してみてください。
- まず登山用の厚手靴下を履く。
- 靴の中に足を入れ、つま先を一番前までギュッと寄せる。
- その状態で、かかとの隙間に指が一本スッと入るかどうか。これがジャストサイズです。
その後、靴紐をしっかり締めて歩いてみて、足の甲が圧迫されていないか、かかとが浮かないかを確認しましょう。可能であれば、店内のスロープを使って下り坂のシミュレーションをさせてもらうのがベストです。
初心者に支持される信頼の定番ブランド
「結局どのブランドがいいの?」という方に向けて、特に信頼性の高いブランドをいくつかご紹介します。
まずは日本ブランドのキャラバン 登山靴。日本人の足型に合わせて作られているため、幅広・甲高の方でもストレスなく履けるのが特徴です。
次にコロンビア トレッキングシューズ。デザインがおしゃれで街履きにも馴染みやすく、価格も比較的リーズナブルなので、最初の一歩として手に取りやすいブランドです。
機能性を重視するなら、フランスのサロモン シューズやアメリカのメレルも外せません。軽量でグリップ力が非常に高く、多くのハイカーに支持されています。
トレッキングシューズを長持ちさせるためのお手入れ
せっかく手に入れた一足。安くない買い物ですから、長く使いたいですよね。
実は、トレッキングシューズの寿命は「ソールの寿命」で決まります。
多くの靴に使われているポリウレタン素材は、使っていなくても「加水分解」という現象で劣化していきます。これを遅らせるコツは、帰宅した後のケアです。
泥汚れが付いたまま放置すると、素材の劣化を早めます。ブラシで汚れを落とし、しっかり陰干しして乾燥させてから、風通しの良い場所で保管しましょう。
「もったいないから」と数年放置した靴を久しぶりに履いて山へ行くと、登山口でソールがベリっと剥がれるトラブルが多発しています。5年以上経っている靴は、使用前に必ずチェックしてくださいね。
トレッキングシューズとは?登山靴との違いや初心者が失敗しない選び方まとめ
最後に、大切なポイントをおさらいしましょう。
トレッキングシューズとは、安全に自然を楽しむための「盾」であり、疲労を軽減してくれる「エンジン」のような存在です。
- 自分の歩くスタイルに合わせて**「カット(高さ)」**を選ぶ
- 雨や蒸れ対策として**「防水透湿性」**は妥協しない
- サイズは厚手靴下を履いて**「つま先に1cmの余裕」**を持つ
この3点さえ押さえておけば、靴選びで大きな失敗をすることはありません。
自分にぴったりの一足を見つけたら、あとは山へ出かけるだけ。スニーカーでは味わえなかった安定感と、どこまでも歩いていけそうな感覚に驚くはずです。
トレッキングポールなども合わせて検討すると、より膝への負担を減らして楽に歩けるようになりますよ。
最高の相棒と一緒に、素晴らしい絶景に出会えることを応援しています!


