スニーカー選びで必ず名前が挙がるのが「ニューバランス」と「アディダス」。
どちらも世界的に人気のブランドですが、その魅力はまったく同じではありません。履き心地やデザイン、ブランドの方向性まで、それぞれに個性があります。
この記事では、両ブランドの違いを実際の使用感やファッション性の観点から徹底的に比較していきます。
ニューバランスとアディダスのブランド背景
まずは両ブランドの成り立ちから。その背景を知ることで、デザインや履き心地の違いも見えてきます。
**ニューバランス**は1906年、アメリカ・ボストンで誕生。足のアーチを支えるインソールの開発からスタートし、「すべての人の足にフィットする靴を」という理念のもと進化してきました。
今ではアメリカとイギリスに生産拠点を持ち、クラフトマンシップを感じさせる仕上がりが特徴。特にワイズ(足幅)の展開が豊富で、自分の足型に合った一足を選べるのが強みです。
一方の**アディダス**は1949年、ドイツで誕生しました。スポーツパフォーマンスとデザイン性を融合させたプロダクトで、世界中のアスリートやファッション愛好家に支持されています。
トレフォイル(三つ葉)ロゴの「オリジナルス」や、スリーストライプスを象徴としたクラシックモデルなど、時代を超えて愛されるアイテムが多く、トレンドの中心にも常に存在しています。
履き心地の違い:安定感のニューバランス vs 軽快さのアディダス
スニーカーの本質ともいえるのが履き心地。両ブランドには明確な特徴の差があります。
**ニューバランスの履き心地**は、まさに「足を包み込むような安心感」。
クッション性に優れ、長時間歩いても疲れにくい構造です。特に「990シリーズ」や「2002R」などは衝撃吸収性と安定性を両立し、立ち仕事や通勤にも愛用する人が多いです。
さらに、幅広・狭めなど複数のワイズ展開があるため、「幅がきつい」「甲が低い」などの悩みにも対応できます。これは他ブランドでは珍しい特徴といえるでしょう。
対して**アディダスの履き心地**は、反発力と軽さに優れた“動きやすさ重視”の設計が特徴です。
「BOOST」や「Lightstrike」といった独自のミッドソール技術により、弾むような履き心地を実現。ランニングやトレーニング用途で評価が高いのも納得です。
ただし、ややタイトめのサイズ感で作られているモデルも多く、足幅が広い人はサイズ選びに注意が必要です。
総じて言えるのは、**安定感・快適性を求めるならニューバランス、軽快さと反発力を求めるならアディダス**という棲み分けです。
デザインの違い:クラシックな上品さ vs スポーティーなモダン感
次に、見た目やファッション性の違いを見ていきましょう。
**ニューバランスのデザイン**は、クラシックで上品な印象が強いです。
シンプルなシルエットと落ち着いたカラーリングで、どんな服装にも合わせやすいのが魅力。特に「996」「574」などはスーツスタイルにも合わせやすく、大人の男性・女性からの支持が厚いモデルです。
素材も上質で、スエードやメッシュの組み合わせが生む深みは、履けば履くほど味が出ます。ファッションのトレンドに左右されず、長く使える点も大きな魅力です。
一方の**アディダスのデザイン**は、モダンでスポーティー。
「スタンスミス」や「スーパースター」などの定番から、「YEEZY」や「Samba」などのトレンドモデルまで、幅広いラインナップがあります。
特に近年はストリートファッションとの相性が良く、若い世代を中心に人気が急上昇。スポーティーでありながらファッション性も高く、トレンドを押さえたデザインが多いのが特徴です。
つまり、**落ち着いた大人の雰囲気を求めるならニューバランス、トレンド感・存在感を楽しみたいならアディダス**がぴったりです。
人気度・ブランドイメージの違い
国内外での人気傾向にも、それぞれの個性が表れています。
日本では、**ニューバランス**が「履き心地の良さ」で圧倒的な支持を得ています。
特に30代以降の世代では、「疲れにくい」「品質が高い」「長く履ける」といった理由で選ばれる傾向が強いです。さらに、Made in U.S.AやMade in U.K.モデルは、所有欲を満たす“高級スニーカー”としても人気があります。
一方の**アディダス**は、20代前後の若い世代を中心に「デザインが好き」「形がかっこいい」といった理由で選ばれています。
ファッションブランドとのコラボも多く、Y-3やBad Bunnyなど、カルチャー的な話題性が高いのも魅力です。
その結果、「おしゃれで都会的なブランド」というイメージが確立しています。
また、世界的なスポーツブランドとしての信頼感も大きく、サッカーやランニングなどの競技シーンでも圧倒的な存在感を放っています。
対してニューバランスは、より“実直で誠実なブランド”という印象があり、クラフトマンシップを重んじるファンが多いのが特徴です。
価格帯とモデル展開の違い
価格やモデルの幅にも違いがあります。
**ニューバランス**は、エントリーモデルからハイエンドまで価格差が大きく、特にUSA/UK製モデルは高価格帯。
たとえば「990v6」などは3万円前後ですが、品質・素材・耐久性に優れており、長期的に見ればコスパが高いという声が多いです。
また、型番ごとに履き心地やデザインが異なり、「574=定番カジュアル」「996=万能」「2002R=高機能・トレンド」など、用途に合わせた選び方ができます。
**アディダス**は、比較的手の届きやすい価格帯から展開しており、エントリーモデルでもデザイン性が高いのが魅力です。
さらに、トレーニングシューズ・ランニングシューズ・ライフスタイルシューズなど、カテゴリ別にモデルが細かく分かれており、自分のスタイルに合った一足を見つけやすい点も強みです。
総じて言えば、**品質重視で長く履くならニューバランス、デザイン重視でコスパを求めるならアディダス**といえるでしょう。
ファッションコーデの方向性の違い
ファッションにおける両ブランドの立ち位置にも差があります。
**ニューバランス**は、シンプルコーデやミニマルスタイルとの相性が抜群。
グレーやベージュ系スニーカーを中心に、落ち着いた印象を演出できます。たとえばデニムやチノパン、ジャケットスタイルに合わせると、大人っぽく洗練された雰囲気になります。
一方の**アディダス**は、スポーティーでカジュアルなコーデに映えるブランド。
スウェットパンツやトラックジャケットとの組み合わせはもちろん、最近ではスラックスやモード系ファッションにも取り入れられるようになっています。
特に白スニーカーの「スタンスミス」や「サンバ」は、清潔感とトレンド感を両立するアイコン的存在です。
どちらを選ぶべき?ライフスタイル別おすすめ
ここまでの違いを踏まえると、自分のライフスタイルに合わせた選び方が見えてきます。
- 歩く・立つ時間が長い人 → ニューバランス(990・2002Rなど)
- 軽さ・運動性を重視する人 → アディダス(Ultraboost・Adizeroなど)
- ビジネスカジュアルにも合わせたい人 → ニューバランス(996・574)
- ファッション性・トレンドを追いたい人 → アディダス(Samba・Gazelleなど)
最終的には、どちらが優れているかよりも、「自分の足と好みに合うかどうか」が最も重要です。
ニューバランスとアディダスを徹底比較して、自分に合った一足を選ぼう
ニューバランスとアディダスは、どちらも世界を代表するスニーカーブランドですが、方向性ははっきりと異なります。
ニューバランスは“安定感と履き心地”、アディダスは“軽さとデザイン性”。どちらを取るかは、あなたのライフスタイル次第です。
日常使いでも、ファッションの一部としても、足元はその人の印象を大きく変えます。
自分の足型や好みを知り、最適なブランド・モデルを選ぶことで、日常がもっと快適で楽しくなるはずです。
最後にもう一度。
**ニューバランスとアディダスを徹底比較**して分かるのは、どちらも優劣ではなく「違いの魅力」を持つということ。
あなたの足とスタイルに合う一足を、じっくり選んでみてください。


