スニーカー選びでよく聞く悩みのひとつが、「同じサイズ表記なのにブランドによって履き心地が全然違う」ということ。特に**ニューバランスとアシックス**は、どちらも日本人に人気のブランドですが、履いた瞬間のフィット感や余裕の感じ方がまったく違うと感じる人も多いはずです。
この記事では、両ブランドのサイズ設計の違いを実際の特徴や構造面からわかりやすく解説します。サイズ選びで失敗しないための具体的なポイントも紹介します。
ニューバランスとアシックスの基本的なサイズ設計の違い
まずは、両ブランドの「靴そのものの作り方」の違いから見ていきましょう。
ニューバランスはワイズ展開が豊富でゆったりめ
ニューバランスの特徴は、なんといっても「ワイズ(幅)展開の多さ」。
一般的に D(やや細め)、2E(標準)、4E(幅広)と複数の幅を選べるモデルが多く、足の形に合わせて細かくフィット感を調整できます。
また、アッパーの設計もやや余裕をもたせた作りになっており、「普段のサイズで履いても少しゆとりを感じる」という声が多いのも特徴です。たとえば定番モデルの**ニューバランス 574やニューバランス 996**では「いつものサイズだと少し緩い」「0.5cm小さくしても大丈夫」というレビューも見られます。
アシックスは日本人の足型に合わせたタイトな設計
一方のアシックスは、日本ブランドらしく「日本人の足型に合わせた設計」が基本です。
足の甲が低めで、横幅もやや狭め。かかとのホールド感が強く、足全体を包み込むようなフィットが特徴です。
ランニングシューズの開発を得意とするブランドだけに、安定性やホールド性を重視した設計。結果として、同じサイズ表記でも「アシックスは小さく感じる」「0.5cm大きめを選んだ方が快適」という声が目立ちます。
同じサイズでもフィット感が違う理由
では、なぜ両ブランドで同じ「26.5cm」などの表記でも履き心地が変わるのでしょうか?
そこには主に3つの要因があります。
1. インソールの長さと捨て寸の設計
靴の内部で足が接地するインソール(中敷き)の長さが、ブランドによって異なります。
一般的にアシックスは「表記サイズ+約0.5cm」、ニューバランスは「表記サイズ+約1.0cm」と、ニューバランスのほうがやや長めに作られています。
つまり同じサイズを選んでも、ニューバランスのほうが足先に余裕を感じやすいというわけです。
2. 木型(ラスト)の違い
木型とは、靴を作る際の“足の型”のこと。
ニューバランスはアメリカブランドらしく、欧米人の足形に近い「細め・長め」のラストをベースにしています。
対してアシックスは日本人の足型を基準にしており、全体的に「短め・幅狭め」で、甲の高さを抑えた形状になっています。
この木型の違いが、履いた瞬間の“タイトさ”や“余裕感”に大きく影響します。
3. 用途と設計思想の違い
ニューバランスはライフスタイルシューズとしての快適性を重視し、長時間歩いても疲れにくいように設計されています。
一方、アシックスはスポーツブランドとしての伝統があり、走る・動くといった動作中の安定性を重視。
結果として、ニューバランスは「ゆったり歩きやすい靴」、アシックスは「しっかりフィットして動きやすい靴」という方向性に分かれています。
シリーズごとのサイズ感の傾向(ニューバランス)
ニューバランスはモデル番号によって木型やボリューム感が異なるため、同ブランド内でも履き心地が変わります。代表的なシリーズを挙げておきましょう。
- ニューバランス 500番台・ニューバランス 1000番台:全体的にゆったりめ。カジュアル向けで甲高・幅広の人にも合いやすい。
- ニューバランス 900番台:やや細身の設計。特に**ニューバランス 990シリーズやニューバランス 992**などは「タイトめ」の声が多い。
- ニューバランス 700番台:幅は標準〜やや細め。スポーティで軽快な履き心地。
- ニューバランス CMシリーズ・ニューバランス MLシリーズ:モデルによって幅が狭い場合もあり、0.5cmアップを推奨するレビューが多い。
このように同じ「27cm」でも、シリーズによってフィット感に差が出るのがニューバランスの特徴です。
シリーズごとのサイズ感の傾向(アシックス)
アシックスはスポーツ用途のモデルが多く、どのラインも共通してフィット感重視。
ただし、最近は街履きを意識したカジュアルモデルも増えてきています。
- GEL-LYTE シリーズ:足を包み込むようなフィット感があり、ジャストサイズ推奨。
- GEL-KAYANO、**GEL-NIMBUS**などランニングライン:ホールド感が強く、足幅が広い人は0.5cmアップが安心。
- アシックスウォーキングシリーズ:やや余裕のある設計で、ビジネスシーンにも対応。
総じて、アシックスは「ピタッとしたフィット感が心地よい」設計思想のブランドといえます。
サイズ選びで失敗しないためのポイント
1. 自分の足の実寸を測る
まずは自分の足長・足幅・甲高を正確に把握すること。
測るタイミングは夕方〜夜がおすすめです。日中の活動で足がむくんだ状態を想定すると、実際の履き心地に近いサイズを選べます。
2. ブランドごとに「サイズの癖」を理解する
この違いを踏まえた上で、「普段のスニーカーサイズを基準に±0.5cm」で調整するのがおすすめです。
3. ソックスと用途を考慮する
厚手の靴下を履く冬場や、長時間歩く旅行・通勤では、少し余裕のあるサイズを選ぶと快適です。
逆にランニングやフィットネスなど、激しい動きが多い用途ならジャストサイズが安心です。
4. 幅(ワイズ)を確認する
ニューバランスでは2Eや4Eなど幅広タイプを選べるので、足幅が広い人はワイズアップで調整すると良いでしょう。
アシックスもモデルによってワイド設計があるため、公式サイトのサイズ表を確認するのが確実です。
5. 試着と返品対応を活用する
ネット購入の場合は「返品・交換無料」のショップを選び、サイズ違いを気軽に試すのがおすすめ。
特にニューバランスはモデルごとにサイズ感の差があるため、実際に履いて確かめるのが一番確実です。
実際に履き比べた人の口コミ傾向
ユーザーの声をまとめると、次のような傾向が見られます。
- 「ニューバランスは0.5cm小さくても履ける」「幅にゆとりがある」
- 「アシックスはジャストサイズでぴったり」「足を包み込む感覚が気持ちいい」
- 「同じ27cmでもアシックスの方がタイト」「ニューバランスは少し長い」
このように、どちらが正しいというよりも、ブランドの方向性が異なるため「目的に合わせて選ぶ」のがポイントです。
サイズ感の違いを理解して自分に合う一足を選ぼう
最後にもう一度まとめると——
ニューバランスはゆとりを重視した快適設計、アシックスはフィットを重視した安定設計。
同じサイズ表記でも履き心地が違うのは当然のことなのです。
「普段履くスニーカーサイズでニューバランスはちょうど良いのに、アシックスだと小さい」と感じるのは自然なこと。
両ブランドの特徴を理解し、自分の足型や用途に合わせて選ぶことが、快適なスニーカーライフの第一歩です。
そして、最も重要なのは「サイズ表記よりも実際のフィット感を優先すること」。
試着やサイズ交換をうまく活用しながら、自分の足にベストな1足を見つけてください。
ニューバランスとアシックスのサイズ感を比較して理想のフィットを手に入れよう
スニーカーはサイズが合ってこそ、その魅力を最大限に発揮します。
同じサイズでもブランドによって感じ方が異なるのは当然。
ニューバランスとアシックス、それぞれのサイズ感を理解すれば、もう「履いてみたらきつかった」「大きすぎた」と悩むことはありません。
次にスニーカーを選ぶときは、この記事のポイントを思い出してみてください。
自分の足にぴったり合う一足を選ぶことが、快適で長く愛用できるスニーカーライフへの近道です。


