スニーカーを選ぶとき、必ずと言っていいほど候補に挙がるのが「ニューバランス 574」と「アシックス」。どちらも人気が高く、履き心地に定評がありますが、実際にはそれぞれに明確な特徴と違いがあります。この記事では、履き心地・デザイン・機能性などの観点から両ブランドを徹底比較し、自分に合った一足を見つけるヒントを紹介します。
ニューバランス 574とアシックスのブランド背景の違い
まずは、それぞれのブランドの成り立ちと特徴を押さえておきましょう。ブランドのルーツを知ると、デザインや履き心地の方向性が見えてきます。
ニューバランス 574：アメリカ生まれの「フィット性」重視ブランド
1906年、アメリカ・ボストンで誕生したニューバランス 574は、もともと偏平足対策のアーチサポートインソールを作る会社でした。「履いた人に新しいバランスを与える」というコンセプトが社名の由来です。以降、解剖学的な観点からシューズ開発を行い、現在では「足に最もフィットするスニーカー」として世界中にファンを持っています。
特に特徴的なのが、幅（ワイズ）の多さ。細身から幅広まで複数のサイズを展開し、日本人のように甲高・幅広な足にも対応できるのが強みです。
アシックス：日本発の「機能性」重視ブランド
一方のアシックスは、1949年に鬼塚喜八郎が神戸で創業した「オニツカタイガー」がルーツ。1977年にアシックスへと社名を変更し、社名はラテン語「Anima Sana In Corpore Sano（健全な精神は健全な身体に宿る）」から取られています。
アシックスはランニングシューズの分野で世界的に評価され、特に「GEL-KAYANO 14」などGEL素材を使った衝撃吸収技術が有名。日本人の足型に合わせた設計や安定性の高さにも定評があります。
履き心地の違い：柔らかさか、安定感か
履き心地は両ブランドの最も大きな違いの一つです。同じサイズでも、履いた瞬間の感覚がまったく違うことがあります。
ニューバランス 574：包み込むような柔らかいクッション感
ニューバランス 574の履き心地は、まるで足を優しく包み込むような柔らかさ。特に「ABZORB」や「Fresh Foam」といったクッション素材は衝撃吸収と反発力を両立しており、長時間歩いても疲れにくい構造になっています。
街歩きや通勤・通学など、長時間履くシーンでも快適。ふわっとした沈み込みと反発力のバランスが取れているため、「歩くのが楽しくなる」と感じる人も多いです。
また、ワイズ展開が豊富なため、幅広・甲高の人にもフィットしやすいのが大きなメリットです。
アシックス：かかとを支える安定感と反発性
アシックスは「GEL」クッションによるかかと部分の衝撃吸収力が抜群です。着地の衝撃をしっかり吸収し、足への負担を軽減してくれます。また、「FlyteFoam」などの素材を使用したモデルでは軽量性も向上。走るときの安定感や足裏の安定した接地感が特徴です。
ニューバランス 574に比べると、全体的にやや硬めの履き心地ですが、その分足がブレにくく、スポーツや長時間のウォーキングにも向いています。
機能性の違い：テクノロジーで見る2大ブランド
両ブランドは独自の技術を持ち、履き心地を支えています。それぞれのテクノロジーを比較すると、どちらがどんな用途に向いているかがわかります。
ニューバランス 574の代表的な技術
- ENCAP（エンキャップ）：EVA素材とポリウレタンを組み合わせたミッドソールで、クッション性と安定性を両立。
- ABZORB（アブゾーブ）：衝撃吸収と反発力を兼ね備えた素材で、長時間歩いても疲れにくい。
- Fresh Foam：柔らかく軽量で、足に自然に馴染む構造。ジョギングや日常使いに最適。
- FuelCell：反発力を重視したランニング向け素材で、より軽快な走りをサポート。
アシックスの代表的な技術
- GELクッショニング：シリコーン系素材で、踵の衝撃を吸収。長距離ランナーにも愛される定番機能。
- FlyteFoam：軽量で高反発な素材。足運びがスムーズになり、スピードランに適している。
- Trusstic System：靴底の中央を補強することでねじれを防ぎ、安定性を高める。
- DuoMax構造：オーバープロネーション（内側への倒れ込み）を抑制し、ケガ防止に貢献。
デザイン・ファッション性の違い
見た目の印象も、両ブランドでは大きく異なります。普段履きするならデザイン性も外せません。
ニューバランス 574：街になじむファッションスニーカー
ニューバランス 574は、「機能性×ファッション性」を両立したデザインが魅力です。代表作「ニューバランス 574」や「ニューバランス 990」シリーズは、レトロで上品な雰囲気を持ち、スーツスタイルからカジュアルまで幅広く合わせやすい万能モデル。
また、コラボレーションモデルが豊富で、atmosやUnited Arrows、JJJJoundなどの別注モデルはスニーカーファンからも高い人気を集めています。
スエードやヌバック素材を使用した上質な質感も魅力で、「履き心地とデザインの両立」を求める大人世代に特におすすめです。
アシックス：スポーティーでモードな印象
アシックスはランニングを原点としつつ、近年ではファッション性の高いモデルも続々登場しています。特に「GEL-KAYANO 14」や「GEL-NYC」などは、モード系ブランドとのコラボを通じて若い層にも人気が拡大。
スポーティーながらも近未来的なデザインが特徴で、街履きでも存在感があります。
最近では海外セレブやファッション誌でも取り上げられ、「機能的でおしゃれなスニーカー」として注目されています。
サイズ感・フィット感の違い
同じサイズを選んでも、ブランドによってフィット感は変わります。これを知らずに選ぶと「サイズが合わない」と感じる原因になります。
- ニューバランス 574：全体的にやや小さめ。特に幅が狭いモデルもあるため、0.5cm大きめを選ぶ人が多いです。幅広展開が豊富なので、自分に合うワイズを選ぶことが大切。
- アシックス：日本人の足型に合わせて作られているため、ジャストサイズで履きやすい傾向があります。ただし幅が広い人は、若干きつく感じることも。
用途別おすすめ：どんな人にどちらが向いている？
どちらが優れているかは、使うシーンによって変わります。自分のライフスタイルに合わせて選ぶのが理想です。
長時間歩く・立つことが多い人
→ ニューバランス 574 の柔らかいクッションと幅広設計が向いています。ウォーキングや旅行、通勤にも最適。
ランニングやスポーツで使いたい人
→ アシックス の安定性とGEL構造が効果的。特に長距離ランやフィットネスにおすすめ。
おしゃれも重視したい人
→ ニューバランス 574 のクラシックなデザインが合わせやすく、ファッション性も高い。
ただし、モード系コーデが好きな人は GEL-NYC も相性抜群です。
耐久性・メンテナンス性の違い
スニーカーは長く履くものだからこそ、耐久性や手入れのしやすさも気になります。
- ニューバランス 574 は、スエードやメッシュ素材の組み合わせが多く、風合いが魅力。汚れが気になるときは専用ブラシで優しくケアすると長持ちします。
- アシックス は合成繊維やメッシュ中心の構造で、軽量かつ通気性が高く、洗いやすいのがメリット。スポーツ後の汗対策にも優れています。
価格帯・コストパフォーマンス
- ニューバランス 574：10,000～35,000円前後。上位モデルの「ニューバランス 990」シリーズは高価ですが、素材・縫製・履き心地のバランスが非常に高いです。
- アシックス：8,000～25,000円前後。ランニングモデルの性能を考えると、コストパフォーマンスは非常に良好です。
まとめ：ニューバランスとアシックス、どっちを選ぶ？
- 柔らかく包み込まれる履き心地を求めるなら → ニューバランス 574
- 走行時の安定感やサポート力を求めるなら → アシックス
- デザインやファッション性を重視するなら → ニューバランス 574
- スポーツ・トレーニング用途で使いたいなら → アシックス
ニューバランス 574とアシックスの違いを理解して、自分に合う一足を選ぼう
ニューバランス 574とアシックスは、それぞれ異なる魅力を持つブランドです。柔らかい履き心地とファッション性のニューバランス 574、機能性と安定感のアシックス。どちらを選んでも後悔しないほど完成度の高いスニーカーです。
ぜひこの記事を参考に、自分の足と目的にぴったり合うスニーカーを見つけてください。
