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そんな時、一番の不安要素になるのが「関税」ですよね。ネットでは「革靴の関税はとにかく高い」「一足につき4,300円も取られる」といった噂が飛び交っていますが、実は2026年現在、国際的な協定によってルールが大きく変わっています。
今回は、革靴を個人輸入する際にかかる関税の仕組みから、最新の免税ルール、そして一番お得に購入するための計算方法まで、会話を楽しむような感覚でわかりやすく解説していきます。
革靴の関税が高いのには、ちゃんとした理由がある?
そもそも、なぜ革靴の関税はこんなにも複雑で、かつ高めに設定されているのでしょうか。
答えはシンプルで、日本の「製靴産業を守るため」です。日本国内には、職人さんが一足ずつ丁寧に作り上げる素晴らしい靴メーカーがたくさんあります。もし海外から安価な革靴が無制限に入ってきてしまうと、国内の産業が衰退してしまう恐れがあるのです。
そのため、革靴には「関税割当制度」や「選択税」といった、他の衣類とは一線を画す厳格なルールが適用されています。スニーカーなどの布製シューズであれば課税価格の数パーセントで済むところ、革靴になると一気にハードルが上がるのはこのためなんですね。
知っておきたい「30%」か「4,300円」の選択ルール
革靴の関税を計算する上で、避けて通れないのが「選択税」という仕組みです。これは、計算して導き出された2つの金額のうち、「高い方」を税金として納めてね、というルールです。
- 従価税(価格に対してかかる税): 課税価格の30%
- 従量税(一足につき固定でかかる税): 4,300円
例えば、計算上の価格(課税価格)が1万円だった場合、30%だと3,000円になります。しかし、もう一つのルールである4,300円の方が高いため、この場合は4,300円が関税として適用されます。
逆に、課税価格が3万円なら、30%で9,000円。こちらは4,300円よりも高いので、9,000円が関税になります。
「安い靴を買えば税金も安くなる」と思われがちですが、革靴に関しては「最低でも一足4,300円はかかる」と考えておいた方が安全です。
個人輸入ならではの「6割ルール」を活用しよう
「30%も取られるなら、やっぱり高いな……」とガッカリするのはまだ早いです。実は、私たちが自分自身で使うために購入する「個人輸入」には、とても強力な軽減措置があります。
通常、商売として輸入する場合は商品代金の全額に対して課税されますが、個人輸入であれば「商品代金の60%」に対してのみ課税されるのです。
- 計算例: 50,000円の革靴を個人輸入した場合
- 課税価格: 50,000円 × 0.6 = 30,000円
この「30,000円」をベースに関税率をかけるため、実質的な負担はかなり抑えられます。5万円の靴でも、税金がかかるのは3万円分だけ。これを知っているだけで、海外通販への心理的ハードルがぐっと下がりますよね。
16,666円の免税ルールは革靴には通用しない?
海外通販をよく利用する方の間で有名なのが「商品代金が16,666円以下なら関税・消費税がタダになる」という免税ルールです。
しかし、ここで悲しいお知らせがあります。実は、革靴はこの「免税ルール」の対象外品目に指定されているのです。
たとえ5,000円の安いサンダルでも、素材に少しでも「本革」が使われていれば、原則として関税が発生します。編み上げの本格的なブーツから、一部にレザーパーツを使ったカジュアルなスニーカーまで、革が含まれる履物については「免税はない」と肝に銘じておきましょう。
2026年最新!EPA(経済連携協定)で関税がゼロになるケース
さて、ここからが一番重要なポイントです。2026年現在、日本は多くの国とEPA(経済連携協定)を結んでいます。これにより、特定の国で作られた革靴については、関税が大幅に安くなったり、あるいは完全に「ゼロ」になったりしているのです。
日EU・EPA(イタリア、フランス、スペインなど)
靴好きにとっての聖地、イタリアやフランスを含むEU加盟国。ここから輸入される革靴は、日EU・EPAの発効以来、段階的に関税が引き下げられてきました。2026年現在、多くの品目で関税はすでに撤廃、あるいはほぼゼロの状態にあります。
例えば、イタリア製の高級なローファーを個人輸入する場合、これまでは数千円〜数万円かかっていた関税が、ゼロ円で済む可能性が非常に高いのです。
日英EPA(イギリス)
ジョンロブやエドワードグリーンといった名門がひしめくイギリス。EUを離脱したイギリスとも日本は独自の協定を結んでいます。こちらもEUと同様に優遇措置がありますが、あくまで「イギリス製(Made in UK)」であることが条件です。
注意点は「原産地」の証明
ここで気をつけたいのが、ブランドの国籍ではなく「どこで作られたか」です。イタリアのブランドでも、製造がEU圏外であれば免税にはなりません。購入する際は、ショップの「Made in」表記を必ずチェックしましょう。また、発送元がEU圏内であっても、インボイス(送り状)に原産国が明記されていないと、通常の30%関税をかけられてしまうトラブルもあります。
関税以外にかかる「消費税」と「手数料」の正体
「関税がゼロなら、商品代金だけで済む!」と思いたいところですが、実はもう一つ、忘れてはならないのが「輸入消費税」です。
関税が免除されるケースであっても、日本の国内消費税(10%)はしっかりと課税されます。
- 消費税の計算ベース: (課税価格 + 関税) × 10%
さらに、荷物を届けてくれる配送業者(DHLやFedEx、郵便局など)に対して「立替手数料」や「通関手数料」を支払う必要があります。金額は業者によりますが、数百円から数千円程度。これらは荷物を受け取る際に、玄関先で現金で支払うか、後日オンラインで決済するのが一般的です。
お得に革靴を個人輸入するための3つのチェックリスト
結局のところ、どうすれば一番賢く買い物ができるのでしょうか。注文確定ボタンを押す前に、以下の3点を必ず確認してください。
- 製造国(Made in)はどこか?EU製やイギリス製であれば、EPAの恩恵を受けて関税を劇的に安くできるチャンスです。
- 素材は本当に「革」か?見た目が革っぽくても合成皮革(エコレザー等)であれば、通常の衣類と同じ免税ルール(16,666円以下無料)が適用される可能性があります。逆に、少しでも本革が使われていれば、4,300円の壁を意識する必要があります。
- 配送業者はどこか?国際郵便(EMS)は、時々チェックをすり抜けて関税がかからない「ラッキー」が起こることもありますが、基本的にはランダムです。一方で、DHLやFedExなどの民間業者は100%確実に、かつスピーディーに通関手続きを行うため、あらかじめ税金を予算に組み込んでおくのがスマートです。
失敗しないための「総支払額」イメージ
例えば、イタリア製の80,000円のサイドゴアブーツを個人輸入するとしましょう。
- 商品代金:80,000円
- 課税価格:80,000円 × 0.6 = 48,000円
- 関税:EPA適用により 0円
- 消費税:48,000円 × 0.1 = 4,800円
- 手数料:約1,000円〜2,000円
- 合計の税金負担:約6,000円前後
もしこれがEPAのない国からの輸入だったら、関税だけで14,400円(30%の場合)かかっていた計算になります。この差は大きいですよね。
革靴の関税はいくら?個人輸入の計算方法と2026年最新の撤廃・免税ルールを解説
いかがでしたでしょうか。「革靴の関税は高い」というイメージが強いですが、仕組みを正しく理解し、最新のEPA情報を活用すれば、以前よりもずっとリーズナブルに憧れの一足を手に入れられる時代になっています。
最後にポイントをまとめると、個人輸入の際は「商品代金の6割」が課税ベースになること、そして「Made in EU/UK」を狙うのが賢い選択であるということ。この2点さえ押さえておけば、関税の通知が届いてから慌てることもありません。
お気に入りのシューキーパーを用意して、世界中から届くあなただけの一足を迎える準備を始めましょう。正しい知識を持って、賢く楽しい海外ショッピングを楽しんでくださいね!


