お気に入りの革靴を履こうと下駄箱から出したら、表面に「白いポツポツとした斑点」が……。そんな光景を目にして、ショックを受けたことはありませんか?
「これってカビ?」「もう捨てなきゃいけないの?」と焦る気持ちはよくわかります。でも、安心してください。革靴に現れる白い斑点にはいくつかの正体があり、そのほとんどが適切なケアで綺麗に復活させることができます。
今回は、革靴に現れる白い汚れの正体を見極める方法から、自宅でできる除去術、そして二度と白い斑点に悩まされないための予防策まで、専門知識を交えて分かりやすくお届けします。
革靴の白い斑点の正体を知る!カビと塩吹きの見分け方
まずは、その白い汚れが何者なのかを特定しましょう。原因によって対処法が180度変わるため、ここでの見極めが運命を分けます。
1. 厄介な「白カビ」
もっとも多いのがこれです。湿度の高い場所や、汚れがついたまま放置された靴に発生します。
- 見た目: ポツポツとした点状や、綿毛のようなふわふわした質感。
- 場所: 靴の表面だけでなく、コバ(ふち)や土踏まず、中敷きにも出やすい。
- 臭い: 独特のカビ臭さ(土っぽい、酸っぱい臭い)がある。
放置すると革の繊維の奥まで根を張り、シミとして残ってしまうため、一刻も早い救出が必要です。
2. 雨の後の「塩吹き(塩スピュー)」
雨の日に履いた後、乾いたら白くなっていた……という場合は、カビではなく「塩」です。
- 見た目: 結晶のようにキラキラしていたり、粉を吹いたような白い筋。
- 場所: 履きジワや、雨に濡れた境界線に沿って出やすい。
- 原因: 足の汗に含まれる塩分や、革の製造工程で使われた塩分が水分と共に浮き出たもの。
これは病気ではなく「現象」なので、適切に塩分を取り除けば問題ありません。
3. ワックスが固まった「ブルーム」
高級な革靴や、ワックスを塗りすぎた靴に見られます。
- 見た目: 全体がうっすらと白く膜を張ったような状態。
- 特徴: ブラッシングだけで簡単に消え、ツヤに変わる。
これは成分が温度変化で凝固しただけなので、心配いりません。
【実践】白カビが発生した時の除去ステップ
もし白い斑点が「カビ」だった場合、他の靴に胞子を飛ばさないよう、必ず「屋外」で作業を行ってください。
準備するもの
手順
- 表面のカビを払い落とすまずは屋外でブラシを使い、表面のカビを優しく払い落とします。この時、使用したブラシには胞子が付着するため、作業後は必ず除菌するか、カビ専用として使い分けるようにしましょう。
- カビ取り剤で拭き上げる布に モールドクリーナー をたっぷり染み込ませ、斑点がある部分だけでなく、靴全体を拭き上げます。目に見えない胞子を死滅させるため、念入りに行うのがコツです。
- 陰干しで完全に乾燥させる風通しの良い日陰で、2〜3日しっかりと乾燥させます。水分が残っているとカビが再発するため、「やりすぎ」と思うくらい乾かすのが正解です。
- 保湿と仕上げクリーナーで油分が抜けているので、仕上げに デリケートクリーム で栄養を補給し、最後に通常の靴磨きを行えば完了です。
【実践】塩吹き(塩分)を綺麗に解消する方法
塩吹きの場合は、カビ取り剤ではなく「水」を使って塩分を中和・排出させる必要があります。
手順
- 水性クリーナーで洗浄ステインリムーバー のような水性クリーナーを布に取り、白くなっている部分を優しくなぞります。表面の塩分を溶かし出すイメージです。
- 頑固な場合は「濡れタオル湿布」クリーナーでも落ちない頑固な塩吹きには、固く絞った濡れタオルを靴全体に被せ、数時間放置します。靴内部の塩分濃度を均一にすることで、表面の斑点を解消できます。
- 乾燥と保革乾燥後は革がカサカサになりやすいため、必ず シュプリームクリーム などの質の良いクリームで潤いを与えてください。
白い斑点を未然に防ぐ!プロが教える保管のコツ
一度綺麗にした靴も、管理方法が悪いとまたすぐに白くなってしまいます。美しい状態をキープするための3つの鉄則を守りましょう。
1. 履いた後は「中2日」休ませる
人間が1日に足からかく汗の量は、コップ1杯分とも言われます。その水分が抜けないまま翌日も履くと、靴の中はカビのパラダイスです。最低でも2日間は休ませ、内部をしっかり乾燥させましょう。
2. 木製のシューキーパーを導入する
プラスチック製ではなく、木製(特にレッドシダー)の シューキーパー を使いましょう。木が湿気を吸い取り、天然の殺菌・消臭効果でカビの発生を抑えてくれます。
3. 下駄箱の換気を習慣にする
下駄箱は湿気がこもりやすい場所です。定期的に扉を開けて空気を入れ替えたり、除湿剤 を置いたりして、湿度50%前後を保つように意識してください。
長く愛用するために!革靴の健康診断
最後に、日々のちょっとした意識で革靴の寿命は劇的に伸びます。
- 帰宅後のブラッシング: 玄関で10秒、ホコリを落とすだけでカビの餌を排除できます。
- 防水スプレーの活用: 防水スプレー は雨を防ぐだけでなく、汚れを付きにくくするバリアになります。
- 定期的な丸洗い: 数年に一度、プロのクリーニングに出して内部の汗をリセットするのも賢い選択です。
革靴は手をかければかけるほど、味わい深い「自分だけの一足」に育ちます。白い斑点を見つけても諦めず、今回紹介したケアで再び輝きを取り戻させてあげてくださいね。
正しい知識を持って向き合えば、革靴の白い斑点はカビでも塩吹きでも怖くないはずです。あなたの足元がいつも清潔で美しくあるよう、今日のケアから始めてみましょう!


