「お店に行っても28cmまでしか置いていない」「デザインが気に入ったのにサイズがなくて諦めた」……。そんな経験、一度や二度ではありませんよね。
足のサイズが大きい方にとって、ビジネスや冠婚葬祭に欠かせない「革靴選び」はまさに苦行。無理して小さめの靴を履けば、夕方には足がパンパンになり、最悪の場合は外反母趾やタコの原因になってしまいます。
でも、安心してください。実は、正しい知識を持って探し方を変えるだけで、驚くほど快適でスタイリッシュな革靴に出会うことができるんです。
今回は、大きいサイズの革靴を探している方に向けて、失敗しない選び方のコツから、足の健康を守るメンテナンス術、そして自信を持っておすすめできるブランドまで、徹底的に深掘りしていきます。
なぜ「革靴の大きいサイズ」選びは難しいのか?
一般的なシューズショップの棚に並ぶのは、せいぜい28.0cmまで。それ以上のサイズは「規格外」として取り寄せになるか、最初から取り扱いがないケースがほとんどです。
しかし、問題は「長さ(足長)」だけではありません。足が大きい方の多くは、横幅(足囲)が広い「幅広」や、足の甲が高い「甲高」という特徴を併せ持っています。
単にサイズ(cm)を上げるだけでは、かかとがパカパカと浮いてしまったり、逆に横幅がキツくて歩くたびに激痛が走ったりと、理想のフィッティングには辿り着けません。
まずは、自分の足を正しく知ることからスタートしましょう。
自分の「本当のサイズ」を測ってみよう
革靴を選ぶ際、スニーカーと同じ感覚でサイズを選んでいませんか?実は、革靴とスニーカーではサイズの基準が全く異なります。
スニーカーはクッション材が厚いため、実寸より1cmほど大きめを選ぶのが一般的ですが、革靴は「捨て寸」と呼ばれるつま先の余裕が最初から設計に含まれています。そのため、革靴の場合は「足の実寸」に近いサイズを選ぶのが基本です。
- 足長(そくちょう): かかとから一番長い指の先までの長さ。
- 足囲(そくい): 親指と小指の付け根の、一番突き出している部分を一周ぐるりと測った長さ。これが「E」や「3E」「4E」といったワイズ(幅)の基準になります。
大きいサイズの方は、長さだけでなくこの「ワイズ」を重視することが、痛くない靴選びの最大のポイントです。
失敗しないための革靴選びのチェックポイント
自分に合うサイズの見当がついたら、次は靴そのものの構造に注目してみましょう。大きいサイズの人こそチェックすべき項目がいくつかあります。
ワイズ(幅)の展開が豊富なブランドを選ぶ
日本人の足は欧米人に比べて幅広・甲高であると言われています。そのため、海外ブランドの細身なシルエットを無理に履くよりも、国内ブランドが展開している「3E」や「4E」といった幅広モデルを狙うのが近道です。
最近では「6E」という超幅広モデルを展開するメーカーもあり、これまで「どの靴を履いても横幅が痛かった」という方の救世主となっています。
「製法」に注目して耐久性を確保する
体格が良い方は、どうしても靴への負担が大きくなりがちです。安価な靴に多い、アッパーとソールを接着剤で貼り付けただけの「セメント製法」だと、体重の負荷でソールが剥がれたり、型崩れしたりしやすいというデメリットがあります。
おすすめはグッドイヤーウェルト製法で作られた靴です。この製法は非常に頑丈で、履き込むほどに中底のコルクが自分の足の形に沈み込み、唯一無二のフィット感が生まれます。また、ソールが摩耗しても何度も張り替え(オールソール)ができるため、お気に入りの一足を10年以上愛用することも可能です。
ソールの素材は「ラバー」が現実的
革靴といえば高級感のあるレザーソール(革底)に憧れますが、大きいサイズで体重がある場合、レザーソールは摩耗が早く、雨の日に滑りやすいという弱点があります。
実用性を重視するなら、ダイナイトソールやビブラム社製のラバーソールを採用しているモデルを選びましょう。見た目のスマートさを維持しつつ、高いグリップ力と耐久性を手に入れることができます。
大きいサイズでも快適!おすすめの革靴ブランド10選
それでは、具体的にどのブランドを選べばいいのか。サイズ展開が豊富で、かつ品質に定評のあるブランドを厳選してご紹介します。
1. REGAL(リーガル)
日本の革靴界の王者といえばREGALです。27.5cm〜30cmまでの「キングサイズ」を定番ラインとして展開しています。日本人の足型を研究し尽くしているため、迷ったらまずはここを試すべきです。
2. ASICS RUNWALK(アシックス ランウォーク)
「走れる革靴」として有名なアシックス ランウォーク。スポーツシューズの知見を活かしたクッション性が魅力で、3Eや4Eの展開も豊富です。長時間の立ち仕事や移動が多い方に最適です。
3. Crockett & Jones(クロケット&ジョーンズ)
英国の名門Crockett & Jonesは、大きいサイズでもシルエットが崩れない美しさが特徴です。本場英国のサイズ規格(UKサイズ)は大きめまで用意されており、一生モノの靴を探している方におすすめです。
4. Paraboot(パラブーツ)
フランスのParabootは、登山靴の技術を応用した堅牢な作りが自慢。特に「シャンボード」などのモデルは幅が広く甲高の方でも履きやすいことで知られています。
5. texcy luxe(テクシーリュクス)
「本革なのにスニーカーのような履き心地」で大人気のtexcy luxe。30cmまでのサイズ展開があり、かつ非常に軽量。コストパフォーマンスを重視するなら外せません。
6. Madras(マドラス)
イタリアの感性と日本の技術が融合したmadras。幅広設計の「モデロ」シリーズなど、ゆったりとした履き心地のラインナップが充実しています。
7. SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)
東京・墨田区の職人が作るスコッチグレイン。グッドイヤーウェルト製法にこだわり、幅広(4E)モデルのラインナップも豊富です。
8. KENFORD(ケンフォード)
リーガルの弟分的存在であるKENFORD。リーズナブルながら堅牢な作りで、28cm以上のビッグサイズも安定して供給されています。
9. ECCO(エコー)
デンマーク発のECCOは、自社工場で生産される高品質なレザーが特徴。北欧ブランドらしく、足の形に沿った解剖学的なデザインで、大きな足もしっかりサポートしてくれます。
10. Clarks(クラークス)
カジュアル寄りのビジネススタイルならClarks。デザートブーツが有名ですが、ビジネスシューズも優秀です。海外サイズ展開が広いため、30cmオーバーの方でも選択肢が見つかります。
通販で大きいサイズの靴を買うときの「必勝法」
実店舗でサイズがない場合、通販(ECサイト)を利用することになります。しかし、試着できない不安は大きいですよね。
そんな時は、以下の「通販活用術」を実践してみてください。
- 「返品無料」のサイトを徹底活用する: Amazon Wardrobeのように、自宅で試着して気に入ったものだけを購入し、合わないものは無料で返送できるサービスを利用しましょう。
- 同じブランドのサイズ感を調べる: 欲しい靴のレビュー欄をチェックし、「普段スニーカーで30cmの人が29cmでピッタリだった」といった具体的な書き込みを参考にします。
- 「捨て寸」を考慮する: つま先に1〜1.5cmほどの余裕があるのが正解です。指先が当たっている場合は、サイズが小さすぎます。
長く履き続けるためのメンテナンスと便利グッズ
せっかく見つけた「シンデレラフィット」の一足。少しでも長く、綺麗に履き続けるためには、メンテナンスが欠かせません。
シューキーパーは必須アイテム
脱いだ後の靴は、汗を吸って型崩れしやすい状態です。必ず木製シューキーパーを入れて形状を整えましょう。大きいサイズ用のシューキーパーも忘れずに用意してください。
靴べら(シューホーン)を使う習慣を
かかとを潰してしまうのは、革靴の寿命を縮める一番の原因です。外出先でも携帯用靴べらを使い、かかとの芯を守りましょう。
痛いときの「救済グッズ」
もし、どうしても一部分だけが当たって痛い場合は、シューストレッチャーを使って革を部分的に伸ばすという裏技もあります。また、甲が低くて隙間ができる場合は、タンパッドを貼ることでフィット感を劇的に向上させることが可能です。
専門店という選択肢も忘れずに
どうしても自分に合う一足が見つからない場合は、大きいサイズの靴を専門に扱うショップに足を運んでみるのも一つの手です。
東京の五反田や上野にある「ビッグ・ビー」や、川崎の「靴のヒカリ」といった専門店には、普通の店舗ではお目にかかれない30cm〜36cmといった超ビッグサイズの革靴がずらりと並んでいます。専門知識を持ったスタッフに相談すれば、足の癖に合わせた最適な一足を提案してくれます。
革靴の大きいサイズ選びで最高のパフォーマンスを発揮するために
足に合わない靴を履き続けることは、単なるストレスに留まらず、全身の歪みや疲れに直結します。逆に言えば、自分にぴったりの一足に出会えれば、日々の通勤や外回りが驚くほど楽になり、立ち居振る舞いにも自信が生まれます。
「サイズがないから」と妥協する時代はもう終わりです。ワイズ(幅)に注目し、信頼できるブランドを選び、必要であれば便利な通販サービスや専門店を頼ってみてください。
あなたを支える大切な「相棒」として、誇りを持って履ける革靴 大きいサイズの一足を、ぜひ手に入れてくださいね。


