ニューバランスのスニーカーを愛用していると、どうしても避けられないのが「かかとのすり減り」や「内側の破れ」。長く履けば履くほど、足に馴染んで手放せなくなる一方で、かかと部分のダメージが気になってくる人も多いはずです。この記事では、ニューバランスのかかと修理に関する基本知識から、自宅でできる補修方法、さらにプロの修理店を選ぶポイントまでをまとめて紹介します。
ニューバランスのかかとが傷む原因とは?
まず知っておきたいのは、なぜニューバランスのスニーカーの「かかと部分」が傷みやすいのかという点です。
スニーカーの中でもかかとは、歩行やランニングのたびに体重が集中する部分です。特に、ニューバランスのようにクッション性の高いモデルは、ミッドソール(ABZORBやENCAPなどの素材)やヒールカウンター(かかとを支える補強部分)に負担がかかりやすい構造になっています。
主なダメージの原因は以下の通りです。
- ソールのすり減り:歩行時の荷重が一点に集中し、ゴム素材が削れていく。
- ヒールカウンターの劣化:内部の補強材が割れる・潰れることで型崩れが起こる。
- ライニングの破れ:かかと内側の布地が摩耗し、擦り切れたり穴が開く。
- 接着の剥がれ:ソールとアッパーを繋ぐ接着剤が劣化して剥離する。
これらの症状を放置すると、履き心地が悪化するだけでなく、足に余計な負担がかかったり、靴ずれの原因にもなります。大切な一足を長持ちさせるには、早めのケアと修理がポイントです。
自宅でできるニューバランスのかかと補修方法
「できれば自分で直したい」という人に向けて、軽度なダメージなら自宅でも補修可能です。ここでは、初心者でも取り組みやすい手順を紹介します。
用意するもの
- 靴用補修接着剤(Shoe Goo、スポーツグーなど)
- サンドペーパー(#400〜#600)
- 革・布パッチまたはかかと補修シール
- アルコールウェットティッシュ
- マスキングテープ
- クランプ(または洗濯バサミなどで代用可)
手順
- 清掃・下準備
かかと部分の汚れを落とし、剥がれた箇所や破れた部分を確認します。古い接着剤が残っている場合はやすりで軽く削り、接着面を平らに整えましょう。 - 補修素材のカット
破れた範囲に合わせてパッチをカットします。布やスエード素材のパッチを使うと、見た目にも自然で馴染みやすいです。 - 接着剤の塗布と貼り付け
接着剤を薄く塗り、数分乾かしてから貼り付けます。圧着して固定し、24時間以上乾燥させてください。 - 仕上げとチェック
完全に乾いたらはみ出した接着剤を取り除き、インソールを戻して履き心地を確認します。
注意点
- 接着剤は多すぎると硬化後にゴツゴツするため、薄く均一に。
- スエード素材のニューバランスは、溶剤で変色する恐れがあるため慎重に扱う。
- 内側ライニングの破れは、布パッチでの補修が自然に仕上がる。
DIYでも初期段階のダメージなら十分に延命が可能です。軽い破れや剥がれなら、数百円程度で修復できることもあります。
自宅では難しい修理とプロに依頼すべきケース
一方で、以下のような状態のときは専門店への修理依頼を検討しましょう。
- ヒールカウンターが割れている・潰れている
- ソールが大きく削れて地面と平行でなくなっている
- アウトソールやミッドソールが加水分解している
- かかと周り全体の形が崩れている
これらは内部構造の補強や部材交換が必要になるため、DIYでは難易度が高く、仕上がりにも影響します。
ニューバランス修理に強いお店を選ぶコツ
修理店を選ぶ際には、以下のポイントをチェックすると安心です。
- ニューバランス修理の実績があるか
スニーカー専門またはニューバランス対応を明記している店舗を選ぶと確実です。 - 修理内容と料金が明確か
例:かかと修理(両足)で2,000〜3,000円前後、ライニング補修で3,000円〜、ヒールカウンター交換は5,000円以上が目安です。 - 納期・仕上がりの丁寧さ
店舗によっては即日対応もありますが、仕上がり重視なら数日預けるほうが安全です。 - 宅配修理の有無
遠方でも利用できる宅配修理サービスを提供する店舗も増えています。
有名チェーンではミスターミニット、リファーレ、靴専科などがスニーカー修理を受け付けています。また、ニューバランス公式でも一部モデルを対象にしたリペアサービスを提供しています。公式修理ではオールソール交換やライニング補修などが可能で、費用は16,000円前後。限定モデルや高価格帯モデルを長く履きたい人には特におすすめです。
修理と買い替え、どちらが得か?
修理費用が新品の半額を超える場合、「買い替え」との比較も必要です。たとえば、ニューバランスのスタンダードモデル(574や996など)は1万円前後で新品が購入できるため、修理費が7,000円以上かかるなら、新調も検討の価値があります。
ただし、思い入れのあるモデルや廃盤モデルは修理で延命したほうが満足度が高い場合もあります。修理店に見積もりを出してもらい、費用と仕上がりのバランスで判断するのが現実的です。
かかとが減らないための予防と日常ケア
修理の前に、まずは「傷みにくい履き方」を意識することが大切です。
- 靴べらを使って履く:かかとを潰すとライニングが破れやすくなる。
- シューレースをしっかり結ぶ:かかとが浮くと摩擦が増える。
- 2足以上をローテーションする:乾燥・通気を保ち、劣化を防ぐ。
- 定期的に汚れを落とす:汚れや湿気が接着剤や素材の劣化を早める。
また、靴下との相性も大切です。厚みや素材が合わないと、かかと部分に過剰な摩擦がかかることがあります。長時間歩く日は吸湿性の高い靴下を選ぶなど、小さな工夫で寿命が変わります。
よくある質問Q&A
Q1. 自分で修理すると保証は無効になりますか?
A. メーカー保証期間内であれば、自己補修は対象外になる場合があります。公式修理サービスに相談するのが安心です。
Q2. 修理のタイミングは?
A. すり減りが3mm以上・ライニングに破れが見え始めたタイミングが理想です。早めの補修ほどコストが抑えられます。
Q3. ヒールカウンターが潰れて履きにくいです。
A. 内部の補強材が破損している可能性があります。これはプロ修理が必要なケースです。
Q4. DIY補修でおすすめの接着剤は?
A. 「Shoe Goo」や「スポーツグー」など、弾力がありスニーカーにも使えるタイプが人気です。
ニューバランスのかかと修理でお気に入りを長く履く
ニューバランスのスニーカーは履き心地が抜群なだけに、かかと部分の傷みで手放すのはもったいないもの。軽度の破れや剥がれなら自宅での補修でも十分対応できますし、ヒールカウンターやソールの交換が必要な場合は修理店に頼めば新品のように蘇ります。
お気に入りの一足を長く楽しむために、「かかと修理」をうまく活用していきましょう。丁寧に履き続けることで、ニューバランス本来の快適な履き心地を末長く味わえます。


