お気に入りの革靴、最近なんだか「ツヤが鈍くなってきた」とか「表面がゴワゴワする」なんて感じていませんか?それはもしかすると、靴の「厚化粧」が原因かもしれません。
革靴のお手入れといえば、クリームを塗ってピカピカに磨き上げる工程が楽しいもの。でも、古いクリームやワックスが残ったまま新しいものを塗り重ねるのは、メイクを落とさずにファンデーションを塗り直すのと同じです。
そこで重要になるのが「革靴 リムーバー」の存在。今回は、革靴を長持ちさせるためのリセット術として、おすすめのリムーバー10選と、絶対に失敗しない使い方、選び方のポイントを徹底的に解説します。
なぜ革靴にリムーバーが必要なのか?
「ブラッシングだけで十分じゃないの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、リムーバーにはブラッシングでは落とせない「酸化した油分」や「古いワックス」を取り除くという重要な役割があります。
古いクリームが層になると、革の表面にある「毛穴」を塞いでしまいます。すると、せっかく良い栄養クリームを塗っても中まで浸透せず、表面でベタつくだけになってしまうのです。そのまま放置すると、革が呼吸できなくなり、最悪の場合はひび割れ(クラック)の原因にもなります。
リムーバーを使って一度「すっぴん」に戻してあげること。これが、革靴を10年、20年と履き続けるための最大の秘訣です。
革靴リムーバーの選び方:3つのタイプを知る
ひと口にリムーバーと言っても、実は成分や洗浄力によっていくつかのタイプに分かれます。自分の靴の状態に合わせて選ぶのが失敗しないコツです。
初心者でも安心な「水性タイプ」
最も一般的で扱いやすいのが水性タイプです。サラサラとした液体で、革への刺激が少ないのが特徴。古いクリームだけでなく、靴の中に溜まった汗の成分(塩分)を浮かせて落としてくれる効果もあります。日常的なケアにはこのタイプを選べば間違いありません。
頑固な汚れを落とす「油性・強力タイプ」
鏡面磨き(ハイシャイン)でガチガチに固まったワックスや、油性のしつこい汚れを落としたい時には、溶剤の力が強い油性タイプが活躍します。ただし、洗浄力が強い分、使いすぎると革の油分を奪いすぎてしまうため、ポイント使いや「ここぞ」という時に使用します。
丸洗いに近いスッキリ感「泡・フォームタイプ」
広範囲をクリーニングしたい時や、スニーカーと兼用したい場合に便利なのが泡タイプです。水分量が多すぎないので、革へのダメージを抑えつつ、汚れを吸着してくれます。
厳選!革靴リムーバーのおすすめ10選
ここからは、プロのシューシャイナーから一般の靴好きまで幅広く愛されている、信頼のリムーバーを厳選して紹介します。
1. M.モゥブレィ ステインリムーバー
「迷ったらこれ」と言われる、業界屈指のベストセラーです。M.モゥブレィ ステインリムーバーは水性なので革に優しく、古いクリームをスッと浮かせてくれます。軟水の成分が革に浸透し、しっとりとした仕上がりになるのが魅力。初心者からベテランまで必携の一本です。
2. サフィール レノマットリムーバー
強力な洗浄力を求めるなら、フランスの名門サフィールのこれ。サフィール レノマットリムーバーは、鏡面磨きをリセットする際に抜群の威力を発揮します。カビの除去や、中古で買った靴の徹底洗浄にも向いています。ただし、成分が強いので必ず目立たない場所で試してから使いましょう。
3. サフィール クリーニングローション
「汚れは落としたいけど、乾燥が怖い」という方におすすめなのがサフィール クリーニングローションです。シアバターが配合されており、汚れ落としと保革(栄養補給)が同時に行えます。マイルドな使い心地で、デリケートなアニリンカーフなどにも使いやすい一本です。
4. コロンブス ツヤ出し・汚れ落とし ローション
日本の老舗メーカー、コロンブスの定番商品です。コロンブス ツヤ出し・汚れ落とし ローションは、汚れを落としながら自然なツヤを与えてくれます。ドラッグストアなどでも手に入りやすく、デイリーケアに非常に便利です。
5. ブートブラック シルバーライン ツーフェイスローション
油性の汚れと水性の汚れ、両方を一度に落としたい欲張りな方にはブートブラック シルバーライン ツーフェイスローション。2層式になっているので、振って混ぜて使います。スッキリとした使い心地で、仕上がりのベタつきが一切ありません。
6. M.モゥブレィ モールドクリーナー
もし靴にカビが生えてしまったら、通常のリムーバーでは不十分です。M.モゥブレィ モールドクリーナーは、除菌力の高い有機ヨードを主成分としており、カビ菌を根元から除去します。予防としても使えるので、梅雨時期には欠かせません。
7. コロンブス スニーカーケア フォームシャンプー
革靴だけでなく、レザースニーカーも愛用しているならコロンブス スニーカーケア フォームシャンプーが便利です。水を使わずに泡で汚れを浮かせて拭き取るだけなので、手軽にクリーニングが完結します。
8. ヴィオラ シュークリーナー
高いコストパフォーマンスを誇るのがヴィオラ シュークリーナーです。強力な汚れ落とし効果があり、白いレザースニーカーのソール汚れなどにも効果的。ガシガシ使いたい時に重宝します。
9. タピール レーダーオイル
「できるだけ天然成分にこだわりたい」という自然派の方には、ドイツのタピール レーダーオイル。オレンジオイルなどの天然成分で汚れを溶かし出し、同時にひまし油などで栄養を補給します。香りが非常に良く、お手入れの時間が癒やしに変わります。
10. ブートブラック ハイシャインクリーナー
鏡面磨きを専門的に落とすために開発されたのがブートブラック ハイシャインクリーナーです。ペースト状になっており、厚塗りされたワックスを溶かしてスムーズに取り除けます。下地を傷めずにリセットしたい上級者向けです。
プロが教える!リムーバーの正しい使い方
良い道具を揃えても、使い方が間違っていては逆効果。革を傷めないための黄金のステップを確認しましょう。
- まずは徹底的にブラッシングいきなりリムーバーを使うのはNGです。まずは馬毛ブラシを使って、表面のホコリやゴミを完全に払い落としましょう。ホコリが残っていると、リムーバーを塗った時にヤスリのような役割をしてしまい、革を傷つける恐れがあります。
- 布を指に巻き、リムーバーを少量取る綿100%の柔らかい布(使い古したTシャツの切れ端でOK)を人差し指にピシッと巻き付けます。そこにリムーバーを少量染み込ませます。ここでポイントなのは「靴に直接液を垂らさない」こと。シミの原因になります。
- 力を入れず、優しく「撫でる」汚れを落とそうとしてゴシゴシ擦るのは厳禁です。指の腹を使って、くるくると円を描くように優しくなでるだけで十分。古いクリームが浮いてきて、布に色が移るはずです。
- 布の面を変えながら繰り返す布が汚れたら、きれいな面に巻き直して再びリムーバーを取ります。汚れた面で擦り続けると、汚れを広げているだけになってしまいます。「布に色がつかなくなるまで」が基本ですが、深追いは禁物。表面が少しマット(ツヤがない状態)になれば、リセット完了です。
- 乾かしてから次の工程へリムーバーを使った直後の革は、水分や溶剤を含んで少しデリケートな状態です。数分待ってしっかり乾いてから、次の栄養クリームを塗る工程に移りましょう。
リムーバーを使う際の注意点と頻度
よくある失敗として「毎回、全力でリムーバーを使ってしまう」ことが挙げられます。
リムーバーの使用頻度は、靴を履く回数にもよりますが、一般的には**「8回〜10回履いたら1回」、あるいは「月に1回」**程度で十分です。毎回使う必要はありません。普段のお手入れはブラッシングと乾拭きだけで十分ツヤが維持できます。
また、以下の点には特に注意してください。
- 色落ちの確認: 初めて使うリムーバーや靴の場合は、必ず土踏まず付近の目立たない場所で試してください。布に革自体の染料がベッタリつく場合は、使用を控えるか、よりマイルドなタイプに変更しましょう。
- スエードや起毛革には使わない: 一般的な液体リムーバーは表革(スムースレザー)専用です。スエードには専用のシャンプーや消しゴムタイプのクリーナーを使用してください。
革靴リムーバーのおすすめ10選!汚れ落としの正しい使い方と選び方を徹底解説:まとめ
革靴のお手入れにおいて、リムーバーは「攻め」ではなく「守り」の要です。
古いものを脱ぎ捨て、まっさらな状態に戻してあげる。そうすることで、次に塗るクリームの栄養が革の奥深くまで浸透し、しなやかで力強い輝きが生まれます。
今回ご紹介した10個のアイテムの中から、自分のスタイルに合ったものを選んでみてください。
- 迷ったらM.モゥブレィ ステインリムーバー
- 鏡面磨きを落とすならサフィール レノマットリムーバー
- 自然派ならタピール レーダーオイル
正しい「引き算のお手入れ」をマスターすれば、あなたの革靴は今よりもっと魅力的に、そして一生モノの相棒へと育っていくはずです。今日からさっそく、靴の「すっぴん」を体験してみませんか?


