「そろそろいい革靴を一足持っておきたい」
「でも、どのメーカーを選べば失敗しないんだろう?」
ビジネスパーソンの足元を支える革靴。いざ探そうと思っても、百貨店の靴売り場には無数のブランドが並び、ネットを開けば数千円から数十万円まで価格帯もバラバラ。正直、どこに注目して選べばいいのか迷ってしまいますよね。
実は、革靴選びには「正解のルート」があります。自分の予算、足の形、そして「どう履きたいか」というスタイルに合わせてメーカーを絞り込めば、人生を共にする最高の一足に出会うのは決して難しくありません。
この記事では、信頼できる日本の老舗メーカーから、世界中の紳士が憧れる海外の高級ブランドまで、今チェックすべき20社を厳選しました。これを読めば、あなたが今買うべき一靴が必ず見つかるはずです。
なぜ「革靴 メーカー」選びが重要なのか?その理由と失敗しない基礎知識
まず最初に、なぜ私たちがこれほどまでに「メーカー」にこだわる必要があるのかをお話しします。
革靴はスニーカーと違い、木型(ラスト)と呼ばれる土台がブランドごとに全く異なります。また、革の質や縫製の丁寧さは、メーカーの哲学がダイレクトに反映される部分です。良いメーカーの靴は、手入れをすれば10年、20年と履き続けることができますが、安価なだけの靴は、一度ソールが削れれば終わり、ということも少なくありません。
長く愛用できる一足を選ぶために、まずは最低限知っておきたい2つのポイントを押さえておきましょう。
日本人の足に合うのは「甲高・幅広」を意識した設計
欧米人と日本人では、足の骨格が異なります。欧米ブランドの靴は、幅が狭く甲が低い「ロング&ナロー」な形が多いのに対し、日本人の足は「甲高・幅広」が一般的です。インポートブランドに憧れて無理に履くと、足を痛めてしまう原因にもなります。
10年履くなら「グッドイヤーウェルト製法」一択
「一生モノ」という言葉に弱い方は、この製法を覚えておいてください。靴底と本体を直接縫い合わせない特殊な構造で、ソールが摩耗しても何度も交換が可能です。最初は少し硬いですが、履き込むうちに中底のコルクが自分の足の形に沈み込み、世界に一つだけのフィット感が生まれます。
一方、イタリア靴に多い「マッケイ製法」は、軽くて柔らかいのが特徴。こちらは「履き始めから快適に歩きたい」という方に向いています。
【日本ブランド】信頼とコスパを両立する国内屈指のメーカー5選
日本のメーカーは、関税がかからない分、同じ価格帯であれば海外ブランドよりもワンランク上の上質な革を使用できるという大きなメリットがあります。また、日本人の足を熟知した設計は、やはり安心感が違います。
REGAL(リーガル)
日本で最も有名な革靴メーカーといえば、やはりREGALでしょう。全国各地に店舗があり、アフターサポートの体制が整っているのが最大の強みです。
質実剛健な造りで、特に2万円台から3万円台のラインナップが充実しています。初めて本格的な革靴を買うなら、まずはREGALの「2504」や「315R」といった定番モデルを試着してみるのが、失敗しない最短ルートです。
SCOTCH GRAIN(スコッチグレイン)
東京都墨田区にある工場で、職人が一足一足丁寧に作り上げるのがSCOTCH GRAINです。このメーカーの最大の特徴は、すべての靴を「グッドイヤーウェルト製法」で統一している点。
世界中の有名タンナーから買い付けた高品質なレザーを使用しており、そのコストパフォーマンスの高さには目を見張るものがあります。特に「アシュランス」や「オデッサ」シリーズは、ビジネスシーンでの信頼度が抜群に高い名作です。
三陽山長(さんようやまちょう)
「技」「匠」「友二郎」といった、漢字のモデル名が印象的な三陽山長。日本人の「踵(かかと)」の小ささに着目し、欧米の靴ではどうしても踵が抜けてしまうという悩みを持つ人にぴったりの設計になっています。
10万円クラスの海外高級靴と比較しても遜色ない仕立ての良さがあり、まさに「日本の最高峰」を体感できるブランドです。
大塚製靴(おおつかせいくつ)
明治5年創業という、日本で最も古い歴史を持つメーカーの一つ。皇室御用達としても知られ、その技術力は折り紙付きです。
クラシックなドレスシューズはもちろん、最近では「歩きやすさ」を極限まで追求したコンフォートラインも人気。歴史に裏打ちされた安心感を求めるなら、ここを選んで間違いありません。
アシックス商事 texcy luxe(テクシーリュクス)
「革靴は疲れるから苦手」という方の救世主がアシックス商事 texcy luxeです。
見た目は本格的な本革靴でありながら、ソールにはスニーカーのテクノロジーを応用。1万円を切る価格帯でありながら、外回りが多い営業マンから絶大な支持を受けています。「実用性こそ正義」というビジネスシーンにおいて、これほど心強い味方はいないでしょう。
【イギリスブランド】伝統と格式、紳士の足元を彩る名門メーカー5選
革靴の本場といえばイギリス。堅牢でクラシックなデザインは、流行に左右されず、一生を共にするにふさわしい風格を備えています。
Crockett & Jones(クロケット&ジョーンズ)
世界で最も多くの「木型(ラスト)」を持つメーカーとして知られています。そのため、自分の足にぴったりの一足が見つかる確率が非常に高いのが魅力。
映画『007』でジェームズ・ボンドが着用したことでも知られ、今の時代の空気感に合った「スマートで格好いいイギリス靴」の代表格です。
Church's(チャーチ)
「英国靴の王道」と称されるのがChurch's。特に「ポリッシュドバインダーカーフ」という独自の樹脂加工を施した革は、雨に強く、手入れが非常に楽であることで有名です。
少しボリューム感のある無骨なシルエットは、スーツスタイルに力強さを与えてくれます。
Edward Green(エドワード・グリーン)
「でき得る限りの上質を求める」という哲学を掲げる、最高峰のメーカーです。使用される革の質、ステッチの細かさ、どれをとっても芸術品のような美しさ。
非常に高価ではありますが、その履き心地は「雲の上を歩くよう」とも形容されます。いつかは手に入れたい、全ビジネスパーソン憧れの聖域です。
Joseph Cheaney(ジョセフ チーニー)
伝統的な製法を守りつつも、どこかモダンで使い勝手の良いデザインが多いのがJoseph Cheaneyの特徴。
「カントリーコレクション」など、少しカジュアル寄りのモデルも定評があり、オンオフ兼用で長く履きたいというニーズにしっかりと応えてくれます。
Tricker's(トリッカーズ)
カントリーブーツで有名なTricker'sですが、実はドレスシューズも逸品揃い。
非常に頑丈な作りで、履き始めは「板の上に足を乗せているのか?」と思うほど硬いですが、それを乗り越えて馴染ませた時の愛着は、他のどのブランドよりも深いものになるはずです。
【アメリカ・フランス・イタリア】個性際立つ世界各国の名メーカー5選
イギリスや日本とはまた違った魅力を持つ、世界各国の有力メーカーも無視できません。
ALDEN(オールデン)
アメリカを代表するメーカーであり、「コードバン(馬の尻革)」を使った靴の王様。
医療用矯正靴の技術を応用した「モディファイドラスト」は、土踏まずを強烈にサポートする独特の履き心地。一度これを知ってしまうと、他の靴には戻れないという熱狂的なファン(通称:オールデン信者)が世界中に存在します。
J.M. WESTON(ジェイエムウエストン)
フランスの至宝。特に「180 シグニチャーローファー」は、世界一美しいローファーの一つとして数えられます。
独自のサイズ規格があり、長さだけでなく幅(ウィズ)も細かく選べるのが特徴。自分の足に寸分違わずフィットする一足を、熟練の店員さんと相談しながら選ぶ過程も、このブランドを持つ喜びの一部です。
Paraboot(パラブーツ)
「雨の日でも履ける本格靴」として最強なのが、フランスのParabootです。
自社でラバーソールまで製造している稀有なメーカーで、その驚異的なグリップ力とクッション性は、悪天候のビジネス街でも抜群の安定感を発揮します。
Santoni(サントーニ)
イタリア靴らしい、色気と華やかさを体現するのがSantoni。
手作業による染色(パティーヌ)が施された革は、絵画のような深みがあります。足元に少しアクセントを加えたい、クリエイティブな職種の方に特におすすめです。
Cole Haan(コールハーン)
アメリカのブランドで、とにかく「革新」を求めるメーカー。
伝統的な革靴の外見に、ナイキのクッショニング技術を融合させたモデルなど、ハイブリッドな靴作りが得意です。長時間歩くけれど、スニーカーでは行けない場所がある、という現代のニーズに完璧に合致しています。
【ネクストブレイク】今注目しておきたい新進気鋭のメーカー5選
定番もいいけれど、少しひねりの効いた選択肢や、今まさに勢いのあるメーカーも知っておきたいですよね。
Jalan Sriwijaya(ジャランスリウァヤ)
インドネシア発のブランド。かつてイギリス靴の聖地ノーザンプトンで修業したオーナーが立ち上げました。
最大の特徴は、手間のかかる「ハンドソーンウェルテッド製法」を採用しながら、3万円台という驚異的な価格を実現していること。今、最もコスパが良いと言われるブランドの一つです。
Berwick 1707(バーウィック)
スペインのメーカーで、イギリス的な堅牢さとイタリア的なデザイン性をバランス良く取り入れています。
こちらもJalan Sriwijayaと同様にコストパフォーマンスが非常に高く、セレクトショップなどでも多く取り扱われるようになっています。
RAYMAR(レイマー)
ネット販売を中心に爆発的な人気を博している日本のブランド。
ユーザーの声を取り入れた靴作りと、中間マージンを徹底的に省いた価格設定により、驚くような高品質な靴を低価格で提供しています。
Union Imperial(ユニオンインペリアル)
日本の老舗、世界長ユニオンが展開する高級ライン。
「九分仕立て」と呼ばれる、手作業を多く取り入れた製法を得意としており、足馴染みの良さはインポートブランドに勝るとも劣りません。
Common Projects(コモンプロジェクツ)
厳密にはスニーカーブランドに近いですが、高級レザーを用いたミニマルなデザインは、現代のセットアップスタイルに欠かせない「新しい革靴」の選択肢として定着しました。
あなたにぴったりの革靴を見つけるための、最終チェックリスト
ここまで20のメーカーを見てきましたが、最後に「どう絞り込むか」のヒントを整理します。
- 予算はいくらか?
- 3万円以下:texcy luxe、REGALの一部
- 3万〜5万円:SCOTCH GRAIN、Jalan Sriwijaya
- 10万円以上:Edward Green、ALDEN
- どんなシーンで履くか?
- 冠婚葬祭・重要な会議:内羽根ストレートチップ(三陽山長など)
- 外回り・雨の日:Paraboot、Church's
- オフィスカジュアル:ローファー(J.M. WESTON)
- 手入れはどのくらいできそうか?
- こまめに磨いて育てたい:グッドイヤーウェルト製法の靴
- 忙しいので楽をしたい:樹脂加工の革や、高機能ソールを搭載した靴
革靴は、単なる「履物」ではなく、あなたという人間を映し出す鏡のような存在です。良い靴を履くと、背筋が伸び、歩き方が変わり、不思議と自信が湧いてきます。
ぜひ、今回ご紹介したメーカーの中から、あなたの相棒となる一足を見つけ出してください。
革靴 メーカーおすすめ20選。コスパ最強の日本製から一生モノの海外高級ブランドまで
お気に入りのメーカーは見つかりましたか?
靴選びにおいて最も大切なのは、最終的には「自分の足で履いてみる」ことです。メーカーごとにラスト(木型)が違うため、A社では25.5cmがぴったりでも、B社では26.0cmが合う、なんてことは日常茶飯事です。
まずは気になるメーカーの店舗に足を運び、専門のスタッフにフィッティングを依頼してみてください。一見、敷居が高く感じる高級靴店も、その一歩を踏み出した瞬間から、あなたと革靴の長い物語が始まります。
良い靴は、あなたを素敵な場所へと連れて行ってくれるはずです。今日という日が、最高の一足との出会いになりますように。


